冬の田代島に異変? 猫がいなくなったワケとは【今日のシロップ】

冬の田代島に異変? 猫がいなくなったワケとは【今日のシロップ】

日本最北の猫島として知られる「田代島」(宮城県石巻市)。この島には、ドイツから定期的に来日して猫のボランティア診療を行っている獣医師がいます。ペトことでは昨夏、そのクレス聖美先生に同行取材をさせていただいたご縁から、年末に島猫たちへノミ・マダニの駆除・予防薬をプレゼントするキャンペーンを実施しました。年が明け、何やら島では異変が起きていたのです。

猫たちは元気に暮らしているのか気になっていた筆者は、再びクレス先生に同行させていただき、田代島を訪れることにしました。
ところが……、何やら島では異変が起きていたのです。

猫島から猫が消えた……?

2月16日の早朝、石巻で同じ夜行バスに乗っていたクレス先生と合流しました。かなり寒いだろうとは思っていましたが、さすがに東京の寒さとはレベルが違います。震えながら島へ渡る船の発着場に向かうと、早速、猫を発見。発着所のスタッフたちに可愛がられている猫たちです。
20180312_tashirojima_ky_001

そして出航を待っていると、船員さんから「(田代島の)港の猫が急にいなくなった」という報告が。この時はクレス先生とも、どこか別の場所に移動しているのだろうと話していたのですが……。

ポンプ小屋にも猫がいない!

石巻を出た船は1時間弱で田代島に到着します。眠い目をこすりながらも「猫たち元気だったかなー」とワクワクしながら上陸すると、何やらいつもと様子が違います。いつもなら桟橋付近に何匹か猫がいますが、このとき見たのは1匹だけ。車で移動しながら見渡しても猫の姿が見えません。
20180312_tashirojima_ky_007
お友達はどこに?

田代島イチの猫集会所として知られるポンプ小屋(消防設備が置かれている小屋)周辺にも1匹もいません。クレス先生も「こんなことは初めて」と驚くほど。
いつもはこれくらい猫がいます(2017年6月撮影)

ご飯も食べない猫たち

もちろん全くいないわけではなく民家を巡っているとチラホラといるのですが、その子たちに栄養価の高いウェットフードをあげてもあまり食べようとしません。いつもなら我先にと寄ってくるはずなのに。
20180312_tashirojima_ky_004
どうも食いつきがよくない

20180312_tashirojima_ky_005
お手ての上にありますよ?

島の人たちも、会う人会う人が「昨日今日と急にいなくなった」「こんなこと今まで無かった」と不思議がっています。
地震の前兆に気付いて山に逃げたのか(もちろん地震はありませんでした)、寒さで暖かい場所に移動しているのか(寒いのはいつものことなんですが)、観光客が勝手に変なフードをあげてしまったのではないか(持参したフードは指定されたボックスに入れるルールになっています)。
そんなことをいろいろ考えながら、猫を探します。
フードはこのボックスに入れるのが田代島ルール

20180312_tashirojima_ky_006
君は元気そうだね

天候悪化のため急きょ日帰りに

クレス先生は少ないながらも見つけた子たちに高栄養価のフードをあげたり、目や鼻がぐじゅぐじゅしてる子たちに抗生物質の注射をしたり、いつも通りに診療をしていきます。
20180312_tashirojima_ky_008
今回もカメラマンの田中良直さんがアシストします

20180312_tashirojima_ky_009
食べなきゃいけない子ほど食べてくれなかったりするのがつらいところ

20180312_tashirojima_ky_010
食べなきゃいけない子にはシリンジで強制給餌

島の人に呼び止められて、「先生、この子見てあげてください!」というのも見慣れた光景です。ただ、猫の数が少ないのであっという間に島全体を回って診療が終わってしまいました。
そして明日以降の天候が良くないという話もあり、急きょその日の最終便(といっても午後3時半発ですが)で帰ることに。一度天候が悪くなって船が欠航になると、次の日も欠航ということが珍しくないため仕方ありません。猫たちの様子が気になり後ろ髪を引かれる思いでしたが今回は日帰りとなりました。
20180312_tashirojima_ky_002
泊まるはずだった民宿「浜屋」さん近くの猫たちは無事だった模様

20180312_tashirojima_ky_003
帰りの船「マーメイド」号。やはり翌日は欠航が出ていました

島の人たちの報告によると

東京に戻ってからも気になって島の人たちの情報発信を見ていましたが、島にある宿の一つ「マリンライフ」さんの報告によると、具合の悪かった子を石巻の動物病院で診てもらったところ、喉が腫れていることがわかったそうです。
原因は、「融雪剤」だったのかもしれません。実はクレス先生が田代島に訪れる数日前に雪が振っており、融雪剤がまかれていたのです。猫たちが雪とともに溶け出した融雪剤を舐めてしまったと考えると、喉が腫れていたり、体調を崩していたり、ご飯を食べようとしなかったことにも合点がいきます(もちろん本当に何が原因だったかはきちんと調べないとわかりません)。
その後は少しずつ数が戻り、ご飯も食べるようになったようです。やはり猫島。島の人たちはみんな隣人である猫たちのことを心配していたのが印象的でした。まだまだ寒い時期が続きますが、もうすぐ春。次に訪れる時は、元気に過ごす猫たちの姿が見られればと思います。
Share!