猫の描き方をプロが解説|骨格を意識したデッサン手法から、顔の特徴を出すコツまで
猫の絵は、耳とヒゲと尻尾があれば猫っぽくなるので簡単そうですが、そればかりに頼っていつも同じ構図のデフォルメされた猫になってしまう……。そんな悩みを密かに持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。動物を描くときの基本は、骨格を知ることです。骨格がわかっていれば、動きをつけた時にバランスを崩すこと無く生き生きとした様子を描くことができます。今回はできるだけ簡単に、動きのある猫を描く方法をスペイン在住デザイナーの関根が解説します。
デッサン手法を使った猫の描き方
絵の描き方に、「絶対にこう描かなければいけない」という正解はありません。猫の絵を描く際も、例えば「輪郭から捉える描き方」もあるのですが、今回はより実用的でいろいろなポーズに応用が効く描き方として、「骨格を意識した描き方」を紹介します。骨格を意識して猫を描く
まず、下の図は猫の骨格を横から見たものです。1. 頭、胸、腰の位置を決める
それでは、座っている猫を描いてみましょう。まずは頭、胸、腰の位置を決めるところからです。猫の頭と胸の比率は1:2か2:3くらいで、頭を小さめに描くのがうまく描くコツです。今回はバランスを取るために、尻尾のイメージもこのタイミングで描いています。2. 前足と後ろ足の位置を決める
続いて先ほどの骨格と同じになるように、胸に前足を、腰に後ろ足を描き加えます。これが土台になりますので、バランス良く配置されているかでこの後の完成度が大きく変わってきます。3. 耳と顔のガイドラインを描く
うまくできたら、次は頭の部分に耳と顔を描き込む際のガイドラインとなる線を追加していきます。顔の描き方については、後ほどもう少し丁寧に解説します。4. ガイドラインに沿って輪郭を描く
そろそろ猫っぽさが出てきて、完成形がイメージしやすくなったと思います。ここまでできたら、骨格やパーツのガイドラインをなぞるようにして滑らかな曲線で描くと輪郭が浮かび上がります。このとき背中に意識を向けてみてください。犬と猫の大きな違いの一つでもある背中は、猫の方が座った際に大きく盛り上がります。5. 表情や細かい特徴を描いて完成
輪郭ができたら、最後に目やヒゲなど顔のパーツを描き込んで完成です。猫が正面を向いた顔の描き方
骨格を意識することで猫の全身をバランス良く描けるようになったと思います。続いては、顔のディテールです。猫の顔は犬と比べて凹凸が少なく、正面に向かってそれぞれのパーツが付いているのが特徴です。そのためマズルの高さがあって遠近法が関係してくる犬よりは難しくないとされていますが、より猫らしく描くためのコツを紹介します。猫の顔は目の位置・角度がポイント
猫の最大の特徴である目を描く際は、下の画像のような比率で描くとニュートラルに表現することができます。子猫と成猫を描き分けるコツ
目と鼻と口のパーツをセットにして描くことができるようになったら、それらのパーツを顔のどこに持ってくるかによってイメージを変えることができるようになります。右のイラストは、目が小さく、パーツの重心が顔の上の方にあります。額が狭く見えるため、大人な雰囲気を表現する際に適した配置です。