ワイヤーフォックステリアのカットスタイルをトリマーが解説 | 頻度や料金、自宅カットの方法も

ワイヤーフォックステリアのカットスタイルをトリマーが解説 | 頻度や料金、自宅カットの方法も

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ワイヤーフォックステリアはワイヤーのような硬い形質が特徴的ですが、カットの方法で毛質や毛色などにも違いが出てきます。今回はワイヤーフォックステリアの基本スタイルから、お家でできるカットについて、テリア・シュナウザーの為のECショップ「mmsu-ha」代表でテリア専門トリマーの前野が解説します。

ワイヤーフォックステリアの毛質

ワイヤーフォックステリア

ワイヤーフォックステリアの毛質は元々硬いワイヤー状で、密生しています。街中で見るワイヤーフォックステリアは、毛色の濃淡に差があったり、柔らかい毛質の子がいると思います。それはどちらもトリミングの仕方によって毛質が変わることを意味しています。

毛質が変わる理由

バリカンやハサミでカットすると皮膚に対しての刺激がないので、身体を守らなくても良いため毛は細く柔らかく、抜けにくい毛質になります。

色が薄く見える子がバリカンやハサミでカットしているワンちゃんになります。反対にプラッキングをしているワンちゃんは、皮膚に対して刺激があるので身体を守ろうとする為、毛は太く硬くなり、抜けやすい毛質になります。

色が濃く見えるワンちゃんはプラッキングをしていることにより元々のワイヤーフォックステリアの毛質を維持し、色も濃く、硬いワイヤー状の毛が生えてきます。

定期的(最低でも4週間に1度)にプラッキングをすることにより毛の層が出来て、厚みも出るので身体がしっかりした印象になります。

ドッグショーに出る条件としてこのプラッキングが必要になります。もちろんドッグショーに出なくてもワイア―フォックステリアのカッコよさを求める方は是非プラッキングをオススメします。

ワイヤーフォックステリアのお手入れ方法

ワイヤーフォックステリア
Photo by mmmaenoさん Thanks!

一般的にはバリカンやハサミでカットしますが、プラッキングというトリミングナイフで毛を取り除く方法もあります。ご自宅でされる場合は比較的、プラッキングの方が毎日少しずつできるのでオススメです。もちろんハサミとバリカンでのお手入れもご自宅でできます。

ワイヤーフォックステリアのカット料金と時間

地域によってさまざまですが、バリカンカット仕上げの場合は7000~1万円前後(2~3時間)、プラッキング仕上げの場合は1万3000~2万円前後(3~4時間)になります。

パピー(子犬)のカットについて

ワクチンプログラムが終了して2週間〜1カ月後から、シャンプーやカットのトリミングを始めることができます。免疫力や体力の点で、安全にトリミングができる状態にするためです。ワクチンプログラムが終了するまでは、ブラッシングや爪切りなど、簡単にできるお手入れをして清潔に保つことが大切です。

プラッキングについては、子犬の時(初めて)からをオススメします。一度、バリカンやハサミでカットしてしまうとなかなか硬いコートにならないので、初めからプラッキングをしておくとコートの硬さを維持しやすくなります。

シニア犬(老犬)のカットについて

シニアになるとトリミングに預けるのも大変になってきます。ご自宅で目頭や顔回り、足裏、足周りのカット、爪切りの5点ができればワンちゃんにとっての負担も少し軽減されます。

プラッキングをされているワンちゃんは、シニアになる9~10歳くらいでプラッキングをやめて、プラッキングよりも負担の少ないバリカンやカットにすることをオススメします。

ワイヤーフォックステリアのカットスタイル

ワイヤーフォックステリアのカット
プラッキング、口周り丸く、耳の表だけボリューム残し

基本的なカットスタイルについて、顔も身体も四角い形を意識して作ることです。

ポイントは、顔は正面から見て、「縦長の長方形」、身体は横から見て、「横長の長方形」となるのが基本の形になります。基本の形をベースに、伸ばしたいところを伸ばすとバランスの良い形になります。

カットスタイルの種類が限られているので口周りを丸くしたり、耳を伸ばしたり、尻尾を伸ばしたりし、お好みのスタイルにしてください。

自宅で簡単にできるワイヤーフォックステリアのカットのコツ

普段からひたすら全身を触って、どこを触られても大丈夫なようにしておくと、お手入れが楽になります。足の持ち上げ方などは関節が無理のないところまで上げ、ワンちゃんが「痛くない」と思ってもらえることが簡単にできるコツです。

身体(ボディ)のお手入れ

バリカンの場合、身体は3mm前後の刃で並剃りをすると自然なラインを出すことができます。プラッキングの場合、トリミングナイフで下毛を取り除き、上毛を摘まんで間引いて整えます。首から肩、お尻を短めにするとラインがスッキリ見えるのでテリアらしい形になります。

足(パッド)のお手入れ

足裏は1mm以下のバリカンで肉球からはみ出た毛を剃ります。足周りをスキバサミで整えるだけでキレイに見えます。

失敗しないカットの仕方

毛先だけを切ることです。毛の根元部分を切ってしまうとガタガタになりやすいので注意しましょう。失敗しても毛は伸びてくるので、失敗して同じことをしないことが究極の失敗しない方法です。

注意すること

一番大切なことは、「ワンちゃんが嫌がることをしない」ことです。

  • 爪切りは血を出さない
  • 耳の中の皮膚をつままない
  • 全身を優しく持つ

この三つができれば、ほぼ嫌がらないようになるかと思います。

まとめ

ワイヤーフォックステリア
Photo by mmmaenoさん Thanks!

ワイヤーフォックステリアは本能のままに動く子が多いですが、それを理解してカットをすることが重要です。痛いことをすればトリミングが嫌いになります。テリアは抑えつけても逆効果でさらにトリミングが嫌になります。嫌がることを良く確認して、意識してそれをしないようにしましょう。

ワンちゃんが気持ちの良くなるカットをしてあげましょう。「嫌なことは嫌。良いことは良い。」それだけを意識すればワンちゃんのお手入れは楽になります。