猫の体を触ると怒る場合に考えられる原因と病気を獣医師が解説

猫の体を触ると怒る場合に考えられる原因と病気を獣医師が解説

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猫の体を触っていると怒るような仕草を見せることがあります。噛み付こうとしてきたり、口を開けて「シャー」といつも鳴かない声で鳴くことがある場合は、触られた場所が痛くて激しく反応しているかもしれません。症状によっては、かなり重い病気が隠れている可能性があるので、注意しましょう。なぜなら猫は痛みに強く、我慢する生き物のため、ちょっとしたことでは痛がらないからです。今回は体を触ったら猫が激怒した場合について、痛がる箇所別に考えられる原因・病気を白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。

猫が体を触ると怒るときに考えられる原因と病気



首を痛がる場合

首を痛がったり触るのを嫌がるようであれば、頸部ヘルニアになっている可能性から甲状腺や気管、食道の異常が考えられます。また、首の周辺に腫瘍ができているとその腫瘍が首を圧迫していることで首に痛みを感じていることもあります。他にも、口周りを痛がる場合は口腔内での歯周病が考えられます。異変を感じたら、動物病院に診てもらいましょう。

お腹を痛がる場合

お腹の痛みの原因は多岐にわたり、便秘や膀胱炎でもお腹は痛くなります。お腹の表面を触って痛がるようであれば、乳腺に腫瘍ができて炎症を起こしていることもあります。異変を感じたら、動物病院に診てもらいましょう。

胸を痛がる場合

胸の痛みの原因としては、肺などの呼吸器の問題や、心臓病、横隔膜ヘルニアなどが考えられます。胸に水や膿がたまり苦しいときやリンパ腫、胸腺腫などの腫瘍も原因となります。また肋骨にケガをすることもあるので、外傷による痛みの可能性もあります。異変を感じたら、動物病院に診てもらいましょう。

前足・後ろ足を痛がる場合

前足や後ろ足の痛みは、外傷以外にも靭帯損傷、骨折や脱臼、関節炎が考えられます。異変を感じたら、動物病院に診てもらいましょう。

全身を痛がる場合

まれにかかる、中枢神経型リンパ腫という病気の場合は、不全麻痺や完全麻痺以外にもてんかん発作、知覚過敏症を起こして触られること自体を痛がることがあります。また、部分的に痛みがある場合でも全身的に触られるのを嫌がることもあります。また、胸腰部のヘルニアなどでは背中を痛がることもあります。

猫が体を触ると怒る場合は異変を感じたらすぐに動物病院に



このようにどの箇所を痛がっていても重病が隠れている可能性が高いです。気がついたら早めに動物病院で診てもらいましょう。