発達障がいの子どもたちにアニマルセラピーを 新しい教育の在り方とは

発達障がいの子どもたちにアニマルセラピーを 新しい教育の在り方とは

動物と触れ合うことで、心理的な安心や精神的な健康を回復させる手法の「アニマルセラピー」。運動障がいや自己認識の改善、ストレス軽減、癒やしなど、さまざまな効果があるとされています。日本ではまだあまり馴染みのないセラピー手法ですが、海外ではその効果が高く評価され、「これからの医療が変わるのではないか」と施設も充実してきています。

発達障がいの子どもたちに。米国グリーンチムニーズ

グリーンチムニーズは1947年にアメリカのニューヨーク郊外、コネチカット州に設立された非営利の団体です。虐待によるトラウマPTSD)、学習障がい、自閉症、アスペルガー症候群、多動症(ADHD)など、心に障がいのある子どもを受け入れる学校施設を運営しています。現在は100人近い子どもたちが寄宿、通学しており、ほとんどの子どもたちがこれらの障がいを合併しているといいます。

そして、グリーンチムニーズにいる動物の数は約400。犬や猫、馬、牛などの哺乳類から、観賞魚や鳥類、爬虫類まで、さまざまな種類が共存しています。その多くは、虐待や事故など心無い飼い方をされ、心や体に傷を負った動物たちなのだそう。障がいを抱える子どもと傷を負った動物が触れ合うことで、相互に助け合い、成長していく環境なのです。

科学に裏打ちされたグリーンチムニーズの哲学

グリーンチムニーズ
出典:USDAgov

グリーンチムニーズではいくつかの哲学を取り入れ、アメリカ政府からの援助を受けて活動しています。その中には、環境セラピーやグリーンケア、エコ心理学などの人間にとって優しい環境づくりが必要であるといった考え方から、他の生物との結びつきを求める本能があるとする「バイオフィリア説」を元に、野外活動を通して教育的要素を取り入れるなどの社会意義的要素まで包括しています。

介助犬育成プログラムで得られる学びとは

グリーンチムニーズの代表的なプロジェクトとして挙げられるのがECAD(East Coast Assistance Dogs)、つまり「介助犬育成プログラム」。子どもたちが介助犬を育てるというものです。犬のしつけは忍耐力を必要とするもの。子どもたちは、介助犬として犬を育てる一方で、忍耐力や達成感を得ることができるのです。介助犬として育てた後は、新しい飼い主に引き渡さなければなりません。その際、必ず訪れる「別れ」をも乗り越えることで、子どもたちもさらに成長していきます。

その他にも農場で動物を世話するプログラムやクラスでの動物飼育、乗馬療法など、さまざまなプログラムが用意されています。とても魅力的な施設ですが、そもそもの社会や福祉制度がアメリカと違う日本では、実現は難しいとされています。日本の制度や文化に沿った施設やサービスが増えることを祈っています!
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