猫を紐で遊ばせてはいけない!? 誤飲すると命の危険も

紐にじゃれることが好きな猫ちゃんは多いのではないでしょうか。しかし猫にとって紐で遊ぶことはとても危険なことです。猫は紐を誤飲してしまうことが多く、飲み込んだ紐を吐き出せないと手術しなければならないことになるなど、深刻な事態に陥ってしまうからです。猫はなぜ紐を好きなのか、万が一紐を飲み込んでしまったときにはどうすればよいかを解説します。

猫はどうして紐が好き?


猫は紐状のものにじゃれるのが好きですね。猫はどうして紐を見るとじゃれたくなってしまうのでしょうか。

猫の獲物に似ているから

猫の祖先であるリビアヤマネコは狩りをして暮らしていました。猫の獲物になるものは、ネズミなどの小動物やカエルなどの爬虫類、鳥類などです。これらの中で細長い形状の生き物といえば、ヘビやトカゲ類ですね。ヘビやトカゲなどの小型の爬虫類は細長い形状で、クネクネ動く紐はそれらに似ているので猫はじゃれたくなってしまいます。

猫は蛇を恐れるという説もあるようですが、蛇も猫の獲物に成り得ます。筆者は、放し飼いにされている猫が大きなアオダイショウを捕まえて帰ってきたのを見たことがあります。ヘビは攻撃力が高いので猫が蛇を怖がることも少なくないでしょうが、倒すことは不可能ではないでしょう。

また、猫の獲物になりやすいものとして爬虫類があげられます。トカゲの1種であるカナヘビは人間の家の周辺にも多く生息しており、猫の生息域と被っていますので獲物になりやすいでしょう。現在、ペットとして飼われている家猫はもちろん、たとえ野良猫であっても人間が住んでいる環境でしか暮らせませんから、その環境にいる小動物が最も獲物になりやすいのです。

カナヘビなどのトカゲ類は体型も細長く動きはチョロチョロしています。筆者の自宅周辺ではカナヘビなどのトカゲ類もよく見かけますが、これらを観察していると猫が紐を好きな理由が分かるような気がします。しっぽは体と同等もしくはそれ以上に長いことがありますし、チョロチョロと動く様は紐の動きにそっくりだからです。このように紐は猫の獲物になるものに似ているので、猫がじゃれてしまうのです。


猫が紐を誤飲する理由

猫が紐で戯れている
紐は猫にとって獲物に見立ててじゃれることが分かりましたが、猫を紐で遊ばせてはいけません。猫は紐を誤飲してしまう可能性が高いからです。そもそもどんな物でも、誤飲してしまうことは猫にとっては危険なので、異物を誤飲しないように注意が必要なのです。そして、特に紐の誤飲は発生しやすい事故です。

短い紐だけでなく50cm以上の長さの紐を誤飲してしまったという例もあるそうです。「そんな長さのものを食べ物でもないのに誤飲してしまうの?」と不思議に思うかもしれませんが、珍しい例ではありません。猫はなぜ紐を誤飲してしまうのでしょうか。


紐を獲物に見立てるため

紐は決して美味しいものではないのに猫が紐を誤飲してしまうのは、やはり獲物に見立てているからという可能性が高いでしょう。はじめはじゃれて遊んでいるだけだったのに、だんだんエキサイトして本物の獲物のように思ってしまうと考えられます。また猫の牙は鋭いので、紐を本物の獲物と同じように噛みちぎって飲み込んでしまうこともあります。

おもちゃに紐が使われることが多いため

猫じゃらしなどの猫のおもちゃには紐が使われていることが多いですね。猫のおもちゃは紐が主体なのではなく、大抵の場合、先端におもちゃが付いていて、それで猫を遊ばせるようになっています。しかし、おもちゃを追いかけているうちに紐にまで噛み付いてしまうことは少なくないでしょう。

また、猫じゃらしで遊ばせていると、先端のおもちゃよりも紐のほうに興味を持つ子もいます。紐状になっていても猫が噛み付いても簡単には切れない形状の猫じゃらしもありますが、大抵はゴム紐などで、猫にとっては簡単に噛みちぎれてしまう素材でできていることも少なくありません。

遊んでいるうちに紐がちぎれて、それを猫が飲み込んでしまう可能性はありますね。また、おもちゃに猫の興味を引くように紐状の飾りがついていることがありますが、そのようなものも猫が噛みちぎって飲み込んでしまうことも考えられます。


口に入りやすい大きさだから

猫が紐を飲み込んでしまう理由の一つに、猫が飲みやすい大きさだからということもあげられるでしょう。長い状態でズルズルと飲み込んでしまうのは難しいかもしれませんが、遊んでいるうちに丸まった紐を飲み込むことは簡単にできてしまいます。細くて丸まりやすい紐状のものは猫にとっては危険だということになりますね。

猫が誤飲しやすい紐状のもの

猫が誤飲しやすい紐状のものは日常生活の中にあふれています。猫が誤飲しやすい紐状のものをあげてみます。
  • 猫じゃらしなどについている紐
  • 輪ゴム・ヘアゴム
  • リボン
  • 裁縫用の糸
  • 毛糸
  • 靴紐
  • 洋服などに付いている飾り
  • 人間の髪の毛

子猫は特に紐に注意

猫
紐の誤飲はどの年代の猫も起こる可能性はあるのですが、子猫~2歳くらいまでの子は特に危険です。まだ精神的にも成熟しておらず、遊び好きであるため子猫は他の年代の猫よりも誤飲の可能性が高いからです。

筆者は紐状のものは放置しないようにしていますが、生活の中でどうしても紐を使わなければならないときもあります。新聞紙などをゴミの日に出すときは紐で縛って出さなければならないのですが、その際、子猫たちは大興奮します。くねくね動く紐が大変楽しいらしく、激しくじゃれてくるのでいつも紐を結ぶのに一苦労します。このとき、あまり2歳以上の大人の猫たちは絡んできません。子猫の大興奮の様子に引いているという面もあるかもしれませんが、経験を積んだ大人猫たちにとって紐は大興奮するほどではないのかもしれません。

知り合いの獣医さんの話によるとヘアゴムなどの誤飲も多いようで、つい先日も飼い主さんのヘアゴムを飲み込んでしまった子猫の開腹手術を行ったとのことです。どの年代の猫でも異物を飲み込んでしまう可能性はあるので管理には気を配る必要がありますが、子猫はより紐を誤飲する危険性が高いでしょう。

猫が紐を誤飲したときの症状

猫は紐などを誤飲してしまったときは、次のような症状が見られることがあります。
  • 吐こうとするが、吐けない
  • 何回もオエッとする
  • 何回も口を開けるなど、口の中を気にする様子がある
  • 食欲がない
  • 元気がなくなる
  • 呼吸困難

誤飲したものが胃や腸まで達していると食欲がなくなり、ご飯を食べられず元気がなくなります。紐が喉に詰まるなど呼吸の妨げになってしまうと、呼吸困難を引き起こす場合もあります。どのような症状であれ、誤飲した紐は病院でなるべく早く対処してもらう必要があります。特に呼吸困難は危険な状態ですので、早急に獣医に診てもらうようにしてください。


誤飲が疑われたらすぐに病院へ

猫
ちぎれた紐が残っているなど、残骸があれば猫が誤飲したかもしれないと気がつきやすいですが、そうではない場合は飼い主さんが猫の誤飲になかなか気がつかない場合もあるでしょう。紐を誤飲した場合は猫が吐けない、うんちとして排出できない場合も少なくなく、元気がないなと思って病院に連れて行ったところ、胃に紐が入っていたということもあります。

猫の様子がおかしいと感じたら、できるだけ早く病院に連れていきましょう。誤飲したことが分かっているときは、そのこともあらかじめ電話で伝えておいてください。誤飲した物の残骸が残っているときはその残骸を持って行き、何をどのくらい、いつ頃飲んでしまったのかを獣医に伝えてください。

何をどのくらい飲んだかなどによって治療の方法も変わってきます。薬を使って嘔吐させることによって飲み込んでしまった異物を吐かせることもありますが、難しい場合は開腹手術をしなければならないこともあります。誤飲を放置すれば猫の命に関わりますし、時間が経てば猫の体力が奪われるなど、治療も難しくなってきてしまうでしょう。早く対処してあげることが重要ですね。

自己判断で対処すると重症化する可能性も

猫が紐などを飲み込んでしまったときに、飼い主さん自身で対処することはやめましょう。すっかり飲み込んでしまった場合は、もちろん飼い主さんが取り出すことはできません。紐を猫が吐き出したり、うんちと一緒に出したりしたことが分かっても全てをきちんと排出できたかは分かりませんね。きちんと獣医に診てもらいましょう。

またお尻から紐が出ていたとしても、それを引っ張り出すようなことは絶対にしてはいけません。紐を引っ張り出すようなことをすると内臓を傷つける可能性もあり、命に関わるような大事になってしまいます。

猫に紐を誤飲させないためには

猫に紐を誤飲させないようにするには、管理を徹底することが大切です。紐状のものは身の回りにあふれていて、しかも生活必需品であるので全くなくすることは難しいですが、猫ちゃんが勝手に取り出したり、いたずらしたりできないようにきちんと管理することが事故を防ぎます。猫じゃらしなど、紐がついているおもちゃも遊んだ後は放置せずに必ず片付けるようにするといいですね。

キャットタワーなどの補修を自分で行う飼い主さんもいると思います。その際に使う麻紐は細いものではなく、太いものを使うようにしましょう。口径が太い紐であれば、猫は飲み込むことができません。

すぐ異変に気づくには日ごろの様子を観察することが大切

紐が好きな猫ちゃんは多いですが、特定のものに対して執着を見せる子もいます。輪ゴムに執着する子もいますし、飼い主さんのヘアゴムが大好きという子もいます。筆者が現在面倒を見ている子は、紐状のものではないですが箸にご執心です。特定のものに執着を見せる子は、天才的にそれを見つけ出しますし、しまってある場所から根気よく取り出してしまうこともあります。愛猫にそういう面が見られるときは一層管理に注意が必要ですね。

しかし、どんなに管理に気をつけていても、飼い主さんが誤飲に気が付かないこともあるかもしれません。誤飲すると猫も体調に異変をきたし、いつもと違った様子が見られます。異変に気づきやすいように日ごろの様子を観察しておくことが大切ですね。

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