猫の体のどこからか出血している場合に考えられる原因と病気
猫の場合、寝床に血が付いていたという理由で出血が発覚するケースが多くあります。今回は猫の体から出血している場合に考えられる原因や病気、予防法について、白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
猫の体のどこからか出血している場合に考えられる原因と病気
爪からの出血
室内で飼っている猫は、屋外の猫よりも運動量が少なく、運動能力自体が低くなってしまっている場合がほとんど。家の中の高い場所から誤って落ちたときに、カーテンなどに爪を引っ掛けて体重を支えられずに爪がはがれてしまうと出血します。また切り忘れの狼爪が巻き爪になり、肉球に刺さってしまい出血している場合も少なくありません。ケガによる出血
体のどこかが怪我をしているケースが考えられます。全身をよく観察し、血が出ている部分を確認してください。肉球なども可能性があります。また全身のどこかに腫瘍があり、自潰している場合も同様の症状がみられます。出血が続いている場合は少量であれば、ティッシュやガーゼで数秒間圧迫止血をしてください。止血後は、動物用の消毒液、もしくは水を染み込ませたティッシュなどで拭い、傷口を清潔にするようにしてください。口からの出血
口から血が出ている場合は、口内炎による出血が考えられます。出血部分を口腔内用の消毒液を染み込ませた綿棒などで圧迫止血してください。陰部からの出血
膀胱炎になっていると、陰部から出血がみられます。陰部からの出血は寝床に血が付いているケース以外に、ペットシーツに排泄されたおしっこから発見することも多いです。患部をガーゼなどで拭いて、清潔にしてあげましょう。肛門嚢炎からの出血
とくに興奮しやすい猫に多く見られます。肛門周囲を確認してあげてください。ひたすら舐めているケースが多いので、エリザベスカラーを使用し舐めないようにしましょう。早期発見は日頃の確認が大切!
猫は痛みに強い動物のため、飼い主が気付いた時には重症化しているケースが多いです。そのため、早期発見には日頃から体を触ったり、おしっこの色や頻度、匂いを確認したり、飲む水の量や頻度を確認してあげることが大切です。異変に気付いたらすぐに動物病院に相談するようにしましょう。