猫の飼育費用はいくら? 初期費用から臨時でかかる費用まで紹介
猫を飼う前に知っておくべきことは多々ありますが、まずどのくらいの費用がかかるのかを知っておきたいですよね。食費や医療費、猫砂などの日用品など、「思ったよりもお金がかかる……」と後で気付くようでは責任ある飼い方とは言えません。猫と暮らすイメージをより具体的にするためにも、きちんとお金のことを考えておきましょう!
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猫の飼い始めにかかる費用
猫を飼い始めた時に必要となる初期費用は以下の通りです。医療費に関しては地方よりも都会の方が割高になります。※猫を迎える際にかかる費用は除外します。
混合ワクチン接種
混合ワクチンは任意です。接種が推奨されているコアワクチンと飼育環境に合わせて接種するノンコアワクチンの組み合わせで構成されています。コアワクチンとは、「死に至る怖い病気である」「広く流行している」「人獣共通感染症であり人の健康を脅かす」などの理由からすべてのペットに接種するよう推奨されているワクチンです。健康診断
健康診断は6歳くらいまでは年に1回の受診で結構ですが、7歳を過ぎると半年に1回は受診することをオススメします。その理由として、猫は痛みに強い動物のため、症状が悪化してから飼い主が気付くことがほとんどだからです。そのため、健康診断で早期発見できる可能性が高くなります。猫はストレスを溜め込みやすいため、外に出ることを嫌がる猫もいますが、年に1〜2回は受診しましょう。健康診断では体重検査から便の検査、尿検査、血液検査などを受けることができます。猫は特に腎・泌尿器の病気にかかりやすいため、こまめに尿検査をすることで早期発見につながります。費用の目安は、項目や地域によって異なりますので、病院に確認するようにしましょう。
猫を飼うのに必要な月間・年間費用とその内訳

一般社団法人ペットフード協会が猫を飼っている910の家庭に行った調査によると、1カ月にかかる平均支出金額(医療費等込み)は、1匹の猫を飼っている家庭で3808円、複数頭飼っている家庭で8199円かかるという結果が出ました。単純計算では、1匹を飼っている場合に年間4万5696円かかるということになります。
具体的には、猫を飼うときどんなことにお金がかかるのでしょうか。
- 食費(ペットフード、おやつなど)
- 医療費(ワクチン、診察費など)
- 日用品にかかる費用(猫砂、おもちゃ、ケーズなど)
- お出かけ費(ペットホテルなど)
この四つに分類することができます。具体的な内訳を考えると、意外とさまざまな場面で出費があることが分かります。
猫を飼うのに年間いくらかかるのか
アニコム損害保険は今年3月、2015年の1年間に猫にかけた費用について調査した結果を以下のように発表しています。項目 | 2014年 | 2015年 |
---|---|---|
病気やケガの治療費 | 4万9875円 | 3万5749円 |
フード・おやつ | 3万8936円 | 3万6309円 |
シャンプー・カット・トリミング料 | 8294円 | 7849円 |
ペット保険料 | 2万9067円 | 3万767円 |
ワクチン・健康診断等の予防費 | 1万2902円 | 1万898円 |
ペットホテル・ペットシッター | 1万5624円 | 1万7954円 |
日用品 | 1万7200円 | 1万6644円 |
洋服 | 4321円 | 5294円 |
首輪・リード | 2612円 | 2995円 |
防災用品 | 5964円 | 6757円 |
合計(円) | 18万4795円 | 17万1216円 |
年間20万円弱かかると考えたとき、「安い」「高い」の判断は人それぞれです。調査結果には「ペットホテル」や「洋服」など、全員に必要ではない項目もあります。またペットフードや日用品も安価なものから高価なものまでさまざまであるため、20万円弱はあくまで目安と言えます。
安い? 高い? 必要最低限なことだけ抑えよう

猫を飼うということは、命を預かるということ。近年は人と同じように猫の寿命も伸びており、20年弱生きる猫も珍しくありません。高齢期が長くなれば医療費もそれだけかかりますので、長い目で考える必要があります。
猫は犬と違って自治体に登録する義務はなく、狂犬病の予防接種も義務ではありません。必要なのは定期的な健康診断やワクチン接種です。猫は室内飼いであることから病院に連れていく飼い主さんが少ないのですが、健康診断や成猫期になる前のワクチン接種は欠かせません。
猫のワクチン接種は、生後2〜3カ月ごろに最初の接種を行い、より確実に免疫を作るために初回の接種から1カ月後に2回目の追加接種を行います。その後は数年に1度の追加接種が推奨されています。一般的な猫のワクチンは3種混合ワクチンで、こちらは平均で6000円ほど。4種、5種……とカバーする病気の数が増えていくごとに値段も上がっていきます。ただし動物病院によって価格設定は違うため、最寄りの動物病院に聞いてみましょう。
その他、臨時でかかる費用
毎年かかる費用の他にも臨時でかかるものもあります。トリミング・グルーミング費用
犬と同じく、猫もトリミングやグルーミングをすることもあります。日頃からブラッシングをこまめにすることで問題ないかと思います。ケガ・治療費
猫が外に出てしまった時、交通事故になるケースが多いです。また、高いところからジャンプをしてケガをしてしまうこともあります。その他にも、体にしこりが見つかったり、ケガや病気の可能性は歳を重ねるごとに増えていきます。できる限り室内飼いをしたり、こまめな体調管理をしたりすることでケガや病気のリスクを減らしてあげましょう。急な出費が発生し、お金が支払えなくなることも考えられますので、万が一のためにペット保険への加入もオススメしています。
不妊・去勢費用
繁殖の予定が無い場合は、不要な妊娠や生殖器系の疾患リスクを無くすためにも不妊去勢手術が推奨されています。猫は室内飼育が原則ですが、万が一、猫が外に逃げ出してしまった場合、不妊去勢手術を受けていないと自然繁殖してしまう可能性があります。野良猫の寿命は短く、保護猫として殺処分の対象になってしまう可能性もあります。飼い主である以上、命に責任を持つようにしましょう。猫を飼うにはお金がかかります
猫は犬と比べると「お金がじゃからない」と思われ、飼うハードルも高くないかもしれません。しかし猫を飼うということは、子猫からなら約20年は人生を共にするということ。タダでは済みません。「自分が養う家族が一人増えた」という覚悟を持って、迎える決断をしたいですね。その上で、素敵なキャットライフをお過ごしください。
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第2稿:2017年5月4日 公開
初稿:2016年10月6日 公開
初稿:2016年10月6日 公開