猫の喘息 | かかりやすい種類や時期は? 症状や原因、治療・予防法【循環器認定医が解説】
猫の喘息はアレルゲン吸入によるⅠ型過敏性反応と考えられている呼吸器疾患です。緊急性があり、早めに動物病院に行くことをおすすめします。今回は猫の喘息にかかりやすい種類、かかりやすい時期、症状、原因、治療法、予後、予防法、対処法に至るまで循環器認定医の深井先生が紹介します。
猫の喘息のサマリー
猫の喘息は、アレルゲン吸入によるⅠ型過敏性反応と考えられている呼吸器疾患です。緊急性があります。猫の喘息とは
猫の喘息は、様々なアレルゲンを吸入することによるⅠ型過敏性反応と考えられていて、主に喘鳴(ゼーゼーいうこと)や咳を症状とする呼吸器疾患です。ヒトの喘息と同様に考えられていますが、完全な病態は分かっていません。かかりやすい種類
特になしとされていますが、シャムに発生が多いとする報告もあります 1)。かかりやすい時期
あらゆる年齢で症状を起こします。平均年齢は4歳齢とされていて若齢での発症が多いです。症状
以下の症状を起こします。- 発咳
- 喘鳴
- 呼吸困難
- 異常呼吸
- 運動不耐性
- チアノーゼ
原因
様々なアレルゲンや刺激物の吸入によるⅠ型過敏症と考えられています。検査、診断
臨床症状や検査結果からの総合診断となり、診断的治療を行う場合もあります。- 胸部レントゲン検査
- SpO2検査
- 血液検査
- 気管支肺胞洗浄、気管支鏡検査(侵襲度が高いため、実施しないことも多い)
- CT検査(無麻酔下で可能な場合は考慮する)
治療
早期の治療が重要となるります。- 酸素吸入
- コルチコステロイド
- 気管支拡張薬
- 抗生物質(感染が疑われる場合は併用)
- ネブライザー療法
予後
治療反応により予後は数週間から数年と様々です。多くは初期治療に良好に反応しますが、生涯の管理および治療が必要となります。予防法
可能な限りのアレルゲン、刺激物(タバコの煙やカーペットなどの塵埃など)の除去を行い、空気清浄機の使用なども推奨されます。対処方法・応急処置
重度の場合は呼吸の悪化が見られます。呼吸状態の悪化があれば、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。 ※引用文献- 1) Venema CM, et al. J Feline Med Surg. 2010. Sep;12(9):681-92.