チワワにトリミングは必要?チワワのカットスタイルや頻度、自宅でのケア方法をトリマーが解説
本来チワワはカットしなくてもいい犬種ですが「暑い時期にはサマーカットをして毛を短くしてあげたい」「汚れやすいおしりの毛はカットしたい」など、それぞれの理由でカットをする方もいます。今回は、チワワの特徴別カットスタイル、年齢に合わせたトリミングの頻度などを国内海外で15年以上の経験を持つ現役トリマーの大森先生が紹介します。
目次
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チワワにトリミングは必要?
チワワはトリミング犬種ではないので、基本的には毎日のブラッシングが大切です。その上で、カットをお好みでしてみてもいいでしょう。
チワワの被毛について
チワワはダブルコートといって2層の毛(上毛と下毛)で覆われています。アンダーコートとオーバーコート(トップコート)ともいいます。上毛は、太く硬い毛で一年中生えている被毛で、上毛には換毛期(被毛が生え変わる時期)というものはなく、自然に抜け落ちる毛です。
また、一定の長さまで伸びたらそれ以上は伸びません。毛が伸びない代わりに毛が抜け、新しい毛に生え変わるのです。
チワワのカットのタイミング・頻度
本来チワワはトリミング犬種ではなく、グルーミング犬種と呼ばれ、足先周りを整える程度でカットをしなくても良い犬種です。
そのため、カットの頻度としては、月に一度程度、シャンプーに合わせて行ってあげると良いでしょう。
また、ヒゲは基本的にカットしませんが、目にかかっている場合はカットすることもあります。
一度ヒゲをカットすると、伸びきるまでにカットしたヒゲの毛先がチクチクしたり、生えそろうまでヒゲがバラバラに伸びるため、見た目が気になる飼い主さんもいます。以上を踏まえた上でヒゲカットするか、トリマーさんへ相談してみてください。
子犬のチワワのカットの開始時期
トリミングサロンの場合、すべてのワクチンプログラム終了後、2週間〜1カ月後にシャンプーができます。免疫力や抗体ができていない状態で多数の犬がいる環境に連れて行くのは危険です。また、子犬は体調の変化も多く、体力も充分でないため体に負担がかかってしまいます。
シャンプーができるようになるまでは、ブラッシングや爪切りなど、簡単なお手入れをして清潔を保ちましょう。
老犬のチワワのカットの頻度
お手入れや汚れやすい箇所があれば、毛を短くして清潔に保つようにしましょう。シニア犬はトリミングをすることが負担になるため、こまめにはせず、普段からブラッシングをしたりグルーミングスプレーなどで拭いたりしましょう。
もしシャンプーをする場合は、ぬるま湯で洗ってあげてください。
チワワのカット料金とかかる時間
地域によってさまざまですが、料金は約3500円〜、時間は1〜2時間が目安です。シャンプーだけか、トリミングも行うかで、料金は大きく変わるでしょう。
チワワのトリミングカットスタイル(種類)
サマーカット
全身の飾り毛を短くしてスムースチワワのような仕上がりに。
夏の暑い時期やお洋服を着せる時にお薦めです。バリカンで全身カットする場合もありますが、バリカンを入れることにより毛が生えなくなったり、被毛がスカスカになる「バリカン後脱毛症」になる恐れも。
「バリカン後脱毛症」は、バリカン後に脱毛を起こす疾患群を総称していいますが、実際のところ、基礎疾患となる別の病気が関連している場合があります。
年齢や既往歴、検査データなどなどを元に原因や治療を考えます。体にバリカンを入れてカットする場合はトリマーに相談の上、バリカンを入れてください。
※短すぎると、夏は紫外線で皮膚が刺激されてしまい炎症を起こすこともあります。また熱中症にもなりやすいので注意してください。
ライオンカット
正面から見るとわかりづらいですが、サイドから見るとスッキリと短くした体で首回りの飾り毛が残っていることによりライオンのタテガミのような仕上がりに。
しっぽの先もライオンのように尾の先だけ毛を残すことにより、よりライオンに近くなります。
桃尻カット
全身のカットはしたくないけど部分的に短くしたい、汚れやすい部分のお尻だけを短くするカットもあります。それが桃尻カット。
歩いた時のプリプリしたお尻が可愛らしいカットスタイルです。
デザインカット
全身ではなく、おしりなど部分的に気になるところだけの飾り毛をカットすることもできます。それを「部分カット」と呼ぶことが多いです。お尻、しっぽの毛を部分的にカットする方も多いです。
自宅でできるチワワのトリミングカットの方法
自宅でのトリミングは怪我をさせやすかったり、綺麗にカットができなくて失敗してしまうケースもあるため、基本はトリミングサロンでカットをすることをおすすめします。
その上で、最低限の家での簡単なお手入れを紹介します。
用意するもの
- コーム
- スキバサミ
- バリカン
チワワはダブルコートで構成されている被毛なので毛量が多く、アンダーコートと呼ばれる下毛がよく抜けるため、毛をかき分けて皮膚から毛先に向かってブラッシングしてあげてください。
表面だけだと毛のもつれが取れず溜まってしまいます。
足裏(パット)
足裏のカットは、バリカンを使うようにしましょう。ハサミは足が動きやすく危ないため、バリカンを使うことをオススメします。バリカンの刃の短いミリ数で足裏に対して平行に小さい肉球から大きい肉球に向かって、ゆっくりと足裏から出ている毛を刈っていきます。
バリカンを常にONにしたままだと怪我をさせてしまう可能性があるため、バリカンを使う時のみスイッチをONにしてあげましょう。
失敗しないカットの仕方
お家で少しだけ気になるところをカットしたい時の失敗しない方法は、できるだけスキバサミを使用するといいでしょう。毛並みの方向にハサミを向けてカットすることによって、カットした時にハサミの跡がつきづらいです。
自宅でのカットで注意すること
必ず皮膚を確認しましょう。ハサミは刃物です。少し刃先が皮膚に当たっただけで怪我をしてしまうので、注意しましょう。被毛をかき分け皮膚を確認してから気になるところをカットしてください。
まとめ
チワワはカットしなくても良い犬種
毎日のブラッシングが大事
目にかかるヒゲはトリマーへ相談してカットしよう