ペット服の概念を変えた裏原系「アルナバ」 市場開拓の秘訣を西社長に聞く | PET TECH TAL

ペット服の概念を変えた裏原系「アルナバ」 市場開拓の秘訣を西社長に聞く | PET TECH TAL

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ペット業界で活躍するトップランナーとシロップ代表の大久保が対談していく連載「Pet Tech Talk」がスタートします! この連載ではペット業界で活躍されている方に、「人とペットとの暮らしの未来」について語っていただきます。

第1回は、裏原宿系オリジナルドッグウェア・ブランド「ULTIMATE NERVOUS(通称アルナバ)」を展開するアスタリスク代表の西 真さんとの対談です。ファッション業界からIT業界への転職を経て、ペット服ブランドを立ち上げた西さんに、アルナバやペット業界の未来について伺いました。

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ファッション業界からIT業界へ


大久保:ペット業界は多くの業種があり、さまざまなバックグラウンドを持った方がいらっしゃいます。西さんはファッション業界からIT業界へと移ってこられたんですよね?

西:実家がブティックを営んでいることもあり、もともと服が好きだったんです。ファッションの世界で育ってきたこともあって、大学卒業後は自然とアパレル会社に進みました。

大久保:アパレル会社では百貨店営業をされていたと伺っています。

西:そうです。都内店を中心に10年ほど担当しましたが、商品企画にも積極的に携わり、幅広く営業の仕事を経験しました。

大久保:予算24カ月連続達成を成し遂げられたそうですが、何か成功の秘訣はあったのでしょうか?

西:スタッフ間のコミュニケーションを大事にしていました。疑問に感じた点は、要所要所で的確なアドバイスを伝えるようにしていましたね。

大久保:そんな中、IT業界へ突然の転職ですね。

西:はい。当時ITバブル崩壊のタイミングで不安もありましたが、逆に将来的にはチャンスと感じました。そこで設立2期目のベンチャー企業からお誘いを受け、転職しました。

大久保:全く違った業種で戸惑いはなかったんですか?

西:初め3カ月は鍛錬の期間でした。専門用語だらけでさっぱりでしたからね(笑)。でも営業職という点では変わりなかったので、ある程度理解できるようになると面白いように仕事をこなすことができました。

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カッコいいわんこ服がなかったから、自分で作った


大久保:それから4年ほどで独立されたそうですね。

西:IT市場が拡大するタイミングだったので、自分でも何か立ち上げてやろうと。今もメイン事業として運営していますが、システム開発などのIT事業でスタートしました。

大久保:そこからなぜ突然、ペット服のビジネスを始めようと思ったんですか?

西:先住犬であるミニチュア・ダックスフンドの洋服を買いに行った時、好きなデザインの服がなかったんです。僕はどちらかというと裏原系で男っぽい服が好き。でも、フェミニンで可愛い服しか売ってなかったんですよ。じゃあ自分で作ろうと。

大久保:僕もそうですが、男性の飼い主の方は、男の子に可愛い服よりカッコいい服を着せたいですもんね。

西:そうなんです。デザインだけでなく、洗濯したら着られないくらい縮んでしまうほど素材も悪かったんですよ。じゃあ自分のブランドでは高品質、高機能でデザインも優れているものを作ろうと決めました。

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大久保:今もそうですが、わんこ服は競合も競争が激しい世界だと思います。どのようにしてお客さんを増やしてこられたのですか?

西:初めは知り合いの飼い主の方に協力していただき、無料でフルオーダードメイドの服を作ってモニタリングしました。生地やデザインだけでなく、「胸がきつい」とか「おしっこがかかる」とか、細かいニーズもつかめるように良い情報と悪い情報を徹底的にリサーチしました。

大久保:そうすることで、コンセプトが決まって、飼い主の方が望んでいる商品を提案することができたんですね。

西:そうです。デザインに関しては、子ども服をリサーチして流行を取り入れました。そのうちにだんだん口コミが広がり、お客さまが集まるようになりました。

大久保:今後は海外展開も考えているのでしょうか?

西:我々はメイドインジャパンにこだわっているのですが、海外からのお客さまにも好評いただいています。日本に限らず、ファッションにこだわりを持った世界中の方に満足していただけるようなドッグウェアを製作していきたいです。ゆくゆくはレザージャケットやハリウッドスターから好まれるセレブ服なども手掛けてみたいですね。

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日本が、もっとペットと共存できる社会になれば良い


大久保:最後になりますが、西さんはペットの事業を通して実現したいことはありますか?

西:日本をもっとペットと共存できる社会にしていきたいです。イギリスやアメリカでは、ケージに入れなくても電車に乗れたり、公園ではノーリードだったりしますよね。マナーの問題もあると思いますが、渋谷に行ってもペットと落ち着いて過ごせるような、暮らしやすい街になっていけば良いと思います。ITだけでなく、服の技術も進化しています。技術の進歩によってペットとの暮らしが豊かになれば嬉しいですね。

大久保:ありがとうございました!

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