
犬の心房中隔欠損症 | 症状や原因、治療・予防法など認定医が解説
犬の心房中隔欠損症(しんぼうちゅうかくけっそんしょう)は、心臓の中隔に穴が開き、左心房と右心房がつながってしまう心臓病です。今回は、犬の心房中隔欠損症の原因や症状、検査・診断、治療法などについて、獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
犬の心房中隔欠損症の基礎知識
先天性心疾患の一つであり、左右短絡性疾患でもあります。心臓の中隔(左心房と右心房の間にある壁)に欠損孔(穴)が開き、左心房と右心房がつながってしまう心臓病のことを指します。欠損孔は3型に分かれ、一次口欠損型、二次口欠損型、静脈洞型に分かれ、犬では二次口欠損型です。かかりやすい犬種
- 犬の先天性心疾患の中では0.7-3%の割合で存在し、好発犬種はサモエドがあげられる
かかりやすい年代
- なし
症状
- 短絡血流が少なければ無治療
- 運動不耐性
- 呼吸促迫
- 疲れやすい
- 皮膚や粘膜が青白くなる(チアノーゼ)
- 意識がなくなる
原因
- 先天性心疾患
検査・診断
- 身体検査による聴診
- 心電図検査
- レントゲン検査
- 心臓超音波検査
治療
- 症状がある場合:外科手術
- 症状がない場合:経過観察
- 血管拡張薬
- 強心剤
- 利尿剤
- 肺高血圧症治療薬
予後
- 無症状であれば予後は良い
- あとは外科手術により成功すれば予後は良い
予防
- 早期発見・早期治療が重要
- フィラリア症との併発で深刻な事態にならないように、フィラリア症の予防をしっかりと行う
対処法・応急処置
- なし