ペットは子どもの成長に良い影響を与える 英リヴァプール大が研究報告

ペットは子どもの成長に良い影響を与える 英リヴァプール大が研究報告

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ペットとの絆が他者を思いやる気持ちにつながる――英リヴァプール大学の研究チームが犬猫と子どもに関する過去の調査研究を精査し、子どもはペットを飼うことで情緒的に安定し、知的能力や社会的スキルを向上させることができる可能性を持つと発表しました。

研究チームが2月に発表した研究報告「伴侶動物と子どもや青年の発達:エビデンスに基づく報告」(Companion Animals and Child/Adolescent Development: A Systematic Review of the Evidence)では、1960年から2016年までに発表された約3000件のペット関連の文献の中から子どもや青年の発達に関連する文献を絞り、最終的に22の調査研究を精査。ペットの存在は子どもの心の支えとなり、自尊心を高め、良好な人間関係を築くための社会的スキルも身に付く可能性があると報告しています。
ハイハイをする子供のイラスト

子どもはペットの飼い主になることによって自尊心を持ち、ペットが精神的な支えになることで孤独感を減らし、怒りや悲しみの感情を和らげます。また、ペットとの愛情のこもった絆が他者を思いやる気持ちにつながり、人間関係を円滑に築くことができるようになります。

本研究のプロジェクトリーダーであるリヴァプール大学のカッリ・ウェストガース博士は、「ペットと共に成長した人は、誰もが本能的にペットとの交わりに価値を感じています。子どもや若者の成長への良い影響を調べる科学的証拠には見込みがありそうです。私たちは、それを知るために過去の研究を精査しました。将来的に、ペットがどうやって子どもに情緒的、教育的、そして社会的な成長をもたらすのか理解できるようになるでしょう」とコメントしています。
猫じゃらしで遊ぶ猫のイラスト

研究結果では、「ペットには子ども・青年の健康的な成長を促進する潜在的能力があるものの、なぜ成長を促進するのか、そのメカニズムは解明されていない」として、さらなる研究が必要であると結論付けています。さらにペットにする動物の違いについても触れ、相互作用が強い犬と人の関わりを調べることは特に有益であるとしています。