【トリマー実践】犬の耳掃除の正しいやり方や頻度・注意点・グッズを解説

【トリマー実践】犬の耳掃除の正しいやり方や頻度・注意点・グッズを解説

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「愛犬が耳掃除を嫌がるので難しい」と悩む飼い主さん必見!犬の耳掃除をしないと汚れがたまり、臭いや痒み、外耳炎など病気の原因になる可能性があります。犬の耳掃除は、ペットサロンや動物病院でもやってもらえますが、自宅でも行うことが可能です。今回は犬の耳掃除の頻度や洗浄液や綿棒を使ったやり方、嫌がる場合の注意点などを国内海外で15年以上の現役トリマーの大森先生が動画で解説します。

愛犬に耳掃除をすることは大切

犬の耳の構造
人の耳は入り口から鼓膜や奥の内耳、中耳まで一直線ですが、犬の耳は鼓膜まで続く外耳道がL字型に折れています。

その構造上、人より通気性が悪く湿度が高くなり、汚れもたまりやすいといえます。

犬の耳の形のタイプ

犬の耳の形は大きく分けて「立ち耳」と「垂れ耳」の2つのタイプがあります。

垂れ耳の方が通気性が悪く、菌が繁殖しやすいため、耳の病気になりやすい傾向があります。

犬に耳掃除が必要な理由

犬の耳掃除が必要な理由
犬の耳を清潔に保つことで外耳炎などの病気を予防することができるだけでなく、異常があった場合の早期発見につながります。

また、愛犬の体を触ることはスキンシップにもなります。

犬の耳掃除に限らず、爪切りやブラッシングなどを楽しみながらコミニケーションを取ることで、飼い主と愛犬の関係性もより良いものにしていきましょう。



犬の耳掃除の頻度

足の間で伏せする犬

高頻度で犬に耳掃除をすることで、かえって傷付ける場合があるため、やり過ぎに注意してください。

犬の耳掃除の頻度は、週1回から2週間に1回程度でかまいません。汚れていない場合は月に1回ぐらいで良いでしょう。

犬の耳掃除の前準備

犬
犬の耳掃除の前に耳の毛を抜きましょう。犬種によって耳の中の毛を抜くかどうかは異なります。

耳毛を抜く犬種は基本的に毛が伸びていくトリミング犬種で、代表的なのが「プードル」「ミニチュアシュナウザー」「マルチーズ」「ヨークシャーテリア」「シーズー」などです。

L字型をした犬の耳は通気性が悪く、トリミング犬種は耳毛が伸びることでさらに通気性が悪くなってしまいます。

トリミングサロンでは「鉗子(かんし)」という専用の道具などで抜きますが、飼い主さんが家で耳毛を抜く場合は指で耳の中の毛をつまんで抜くことをオススメします。

耳毛を抜くことは犬が痛くないか気になる方もいると思いますが、個人的には皆さんが眉毛のお手入れをしてチクッとする程度です。

ただ反応は個体によって異なるため、愛犬が痛がる場合は耳毛を無理に抜かないようにしてください。

犬の耳掃除の正しいやり方

\動画を見てチャレンジ!/

愛犬が耳掃除をする際に、どうしても嫌がって暴れたり、噛みついてしまう場合は怪我をさせる危険もあるので、無理には行わず、基本はプロのトリマーに任せましょう。

その上で、自宅でできる正しい愛犬への耳掃除のやり方を説明します。

用意するグッズ

  • コットンやガーゼ
  • 綿棒
  • 必要であればイヤーローション

Step1. 耳の汚れをチェック

まずは愛犬の耳の中がどのくらい汚れているかチェックします。臭いがきつくないか、皮膚に赤みはないかなど確認をしましょう。

Step2. 体を保定する

基本的にはリラックスした状態でやってあげるのが良いでしょう。嫌がって暴れてしまったり、噛んだりする場合は口を軽く押さえてあげます。

膝の上に座らせ、マズル(口周り)を軽く持ち顔を包むように保定します。

Step3. 耳の中の毛を抜く

犬の耳掃除の方法

トリミング犬種の場合は、耳の中の毛を抜いてあげます。サロンでは専用の器具を使いますが、おうちでは指で抜いて大丈夫です。

入り口付近に見えている毛をつまんで抜いていきます。

Step4. 耳の中を丁寧に拭く

犬の耳掃除の方法
コットンやガーゼを水で湿らせ、指でやさしく拭いていきます。耳の中の皮膚はデリケートなので力を入れすぎないように気をつけましょう。

細かいところは綿棒を使うとやりやすいです。綿棒の先は固いことが多いので、指でコットン部分をほぐしてから使うと良いでしょう。

どこまでやるか悩む方も多いですが、奥までやりすぎず目視で見えるくらいの箇所までしてあげるようにしましょう。

人間用のウェットティッシュはアルコールが含まれることが多く、刺激が強いのでやめましょう。

\One Point!/
イヤーローションやオイルを使ってもOKです。耳掃除専用液であるイヤーローションを水の代わりに使っても良いでしょう。揮発性があるのでオススメです。

アトピーやアレルギーのある子はオリーブオイルも使用可能ですが、ベタベタしやすいのでつける量に気をつけましょう。

犬が耳掃除を嫌がる場合の対処法

動物病院を受診する犬

愛犬が耳掃除を嫌がる場合は、まずは「耳を触られることに慣らす」ことから始めましょう

初めのうちは耳に触れる時間は短く、徐々に触れる時間を伸ばしていきます。問題なく触れたら、おやつなどのご褒美は忘れずに。

優しく声をかけながら「耳を触られることはポジティブなこと」と教えていきましょう。

どうしても難しい場合は定期的に動物病院やトリミングサロンにお願いすることをおすすめします。

また、耳周辺に痛みがあると触られるのを嫌がるため、耳に触れない場合は病気の可能性がないか、獣医師さんに確認してもらうといいでしょう。

犬の耳掃除のよくある質問

犬

Q. 子犬はいつから耳掃除をすれば良い?

特に時期を気にする必要はありません。耳を痒がっていたり、耳を振ったりしていたら、耳の中が汚れていないか確認してください。

汚れていたり、臭いがあったりしたら耳掃除をしてあげましょう。

Q. 臭いで汚れがわかる?

耳の中を嗅いでいつもと違う臭いだったり、不快な臭いを感じるようなら耳の中の汚れがたまっています。

何らかの異変(病気)が起こっている可能性もありますので、少しでもおかしいと感じる場合は病院で診てもらってください。

Q. サロンでの犬の耳掃除の価格目安

ペットサロンで耳掃除をした場合、料金は小型犬が500円〜、大型犬だと800円〜が目安です。

愛犬の耳掃除はこまめなケアが大切!

犬の耳掃除
犬の耳は通気性が悪く湿度が高くなり、汚れもたまりやすい
垂れ耳は特に蒸れやすく菌が繁殖しやすいのこまめなケアが大切
耳掃除は週1回から2週間に1回程度が理想。汚れていなければ月1回でもOK
日々の生活の中で耳の臭いや汚れなどに気付いた場合はこまめにお手入れしてあげましょう。

定期的な耳チェックは犬との大切なコミュニケーションにもなります。いつまでも健康な犬と一緒に暮らせるように、日頃から飼い主のチェックがとても大切です。

この記事を監修している専門家

佐藤貴紀獣医師

獣医循環器学会認定医・PETOKOTO取締役獣医師

佐藤貴紀獣医師

獣医師(東京都獣医師会理事・南麻布動物病院・VETICAL動物病院)。獣医循環器学会認定医。株式会社PETOKOTO取締役CVO(Chief veterinary officer)兼 獣医師。麻布大学獣医学部卒業後、2007年dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長に就任。2008年FORPETS 代表取締役 兼 白金高輪動物病院院長に就任。2010年獣医循環器学会認定医取得。2011年中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任。2017年JVCCに参画し、取締役に就任。子会社JVCC動物病院グループ株式会社代表取締役を兼任。2019年WOLVES Hand 取締役 兼 目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC院長に就任。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。