【トレーナー解説】犬が雷を怖がる4つの理由!パニックにならない対策や落ち着かせる方法を解説

【トレーナー解説】犬が雷を怖がる4つの理由!パニックにならない対策や落ち着かせる方法を解説

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犬によって雷が原因で震えたり、パニックを引き起こしたりすることがあります。愛犬が雷を怖がる場合、対策をとってあげましょう。今回は、犬が雷を怖がる理由や、雷対策としての服タイプのグッズや細長いタオルを使った対策などを紹介します。

犬が雷を怖がる理由

雷を怖がる犬

犬が雷を怖がるのは音に恐怖心を抱いているからだと思われがちですが、主に以下の4つの要因が考えられます。

  • 雷の音や光
  • 静電気による不快感
  • 気圧の変化
  • 雷雨によるオゾンの匂い

犬によって何に恐怖心を抱いているかは異なるため、飼い主さんは愛犬の様子をよく観察し、不安材料を取り除いてあげるようにしましょう。

犬の雷恐怖症とは

犬をあやす少年

雷恐怖症とは、雷の発生によって犬が異常なまでに恐怖反応を示してしまう状態を指します。

恐怖反応の度合いは人間と同じように個体差があり、症状もさまざまです。

飼い主さんが雷恐怖症の犬に対し怒ったり、過剰に構う行為は犬の恐怖反応を助長することにつながります。

雷恐怖症の症状を理解し、気長に対応してあげましょう。

雷恐怖症の症状

ただ落ち着きがなくなってしまう犬もいれば、恐怖心から「嘔吐」や「下痢」「過呼吸」まで引き起こす犬もいます。

症状の度合いによっては個人での対策では限界があるので、動物病院で相談するようにしましょう。

  • 落ち着きがなくなる
  • 吠える
  • 小刻みに震える
  • 息が荒くなる
  • ご飯や水に口をつけない
  • 嘔吐や下痢
  • お風呂場などの水場に逃げる
  • 逃避、破壊行動
  • 最悪の場合ショック死

犬を雷から落ち着かせるための対策・対応

ブランケットにくるまる犬

個人で対応できるか判断する

まずは犬の恐怖心が個人で対処できるものなのかを判断する必要があります。

雷が鳴っている間はいくら呼びかけても耳に入っていない様子の犬もいます。恐怖心が嘔吐や過呼吸にまで発展するようだったら、個人で対処しようとせず、獣医師さんに相談しましょう。

安心できる場所をつくる

犬が恐怖を感じている時は、犬自身が安心できるよう自由に逃げ込める環境を作ってあげましょう。

飼い主さんのベッドの隙間や、普段から使っているケージにブランケットをかけておくなど工夫してあげると犬も安心して身を隠すことができます。

ただ、雷が鳴って犬がケージをなどに逃げ込んだ時はケージの扉を閉めずに、いつでも移動できるようにしておく必要があります。



飼い主さんは平然とする

犬は飼い主さんの様子に非常に敏感です。飼い主さんが雷に怖がっていると「やっぱり怖いものなんだ」と余計に恐怖心を煽る恐れがあります。

安心させようと必死に抱っこしたり、かまったりするのも「いつもと違う!」と思わせてしまうようです。飼い主さんはなるべく平然とし、優しく声をかけるようにしてあげてください。

雷を怖がって落ち着きなく走ったり吠えたりする犬もいますが、間違っても叱ってはいけません

細長い布を使う

サンダーシャツがない場合、細長い布でも同様の効果が得られる可能性があります。

フィリピンの動物愛護団体「Philippine Animal Welfare Society」が2015年に考案した方法で、細長い布を愛犬の体に以下のように結ぶだけです。

  1. 犬の首元に布の真ん中を当て、首の後ろでクロスさせる
  2. お腹の部分に布を持ってきて、再度クロスする
  3. 布を背中に持ってきて、キツくしすぎないように結ぶ

弾性包帯がベストですが、お手元にない場合は伸縮性のある布を使いましょう。サンダーシャツ同様、適度な圧力をかけることで安心感を持たせることができます。

犬の雷恐怖心の克服・緩和方法

抱っこされる犬

系統的脱感作と逆条件付け

雷恐怖症以外でも、何か苦手なものを怖がらないようにするためのトレーニングとして有効なのが「系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)」と「逆条件付け」という行動療法があります。

2つの療法を組み合わせて少しずつ苦手克服を目指します。

<系統的脱感作>

系統的脱感作とは、犬が苦手なものの最小限の刺激から与えて徐々に慣らしていく方法です。

雷が苦手な犬に対して系統的脱感作を行う場合、雷の音を小さく流し少しずつ音量を上げるなどして行うことができます。

<逆条件付け>

逆条件付けとは、苦手なことが起こっている時に犬にとって嬉しいことをすることで、苦手意識を払拭する方法です。

雷が鳴っている間はおやつがもらえたり、おもちゃで遊んでもらえたり嬉しいことが起こることを教えると雷へのイメージが変わります。

系統的脱感作と逆条件付けは同時に行うことで効果が出ます。

例えば雷の音が苦手な犬の場合、CDなどで雷の音を消音で流しておやつを与えたり優しくなでてあげたりします。少しずつ音量を上げながら繰り返すことで、雷の反応が変わってくるでしょう。

これはあくまで雷の音に対してのイメージに限るので、静電気や気圧の変化による不快感が主な原因の場合は効果的とはいえません。

薬事療法

犬によっては、飼い主さんができる範囲の対策では恐怖心を改善できないほどの症状を抱える場合もあります。

そのような時は獣医師さんに相談してアドバイスをもらいましょう。トレーニングで改善できる範囲なのか、薬によって不安症状を軽くするのがよいのかを判断することが大切です。

まとめ

外を見つめる犬

犬が雷を怖がる理由は音だけでなく、犬によって異なります
犬が雷を怖がる場合、個人で対応できるのかどうか判断しましょう
犬が雷で怖がっていても、決して叱らず平然としましょう
犬が雷を怖がる場合は、犬に応じて対策を取りましょう
個人で対応できない場合は、獣医師さんに相談を

雷を怖がる犬は実際に多く、パニックに陥った犬が散歩中に飼い主さんを振り切って逃げてしまったり、家を飛び出したりしてしまうことがあります。

実際、雷雨だった日は普段よりも迷子の犬が増えるそうです。

愛犬がパニックになっても迷子にならないよう、戸締りはしっかりとし、万が一に備えて迷子札やマイクロチップを着けておくことをおすすめします。

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