専門家に依頼してお家をリフォーム! 猫が飽きない工夫でみんなが集まるリビングに
ペットの家族化が進む中で「ペットとの暮らし方」も注目されるようになり、ペット可をウリにするマンションも増えてきました。ただ、ほとんどが「ペット可」というだけで、ペットのために工夫されたものはまだまだ多くありません。多くの飼い主さんがフロアーマットを敷いたり、キャットタワーを置いたりと愛猫にあった空間を工夫して作っていると思います。一方、最近人気なのがオーダーメイドのキャットステップやキャットウォークです。お部屋の雰囲気や壁の色などに合わせて、おしゃれで安全な猫の遊び場を作る方が増えています。今回は猫との共生住宅のコンサルタントやリフォーム、新製品開発などを手がけるネコアイ代表で一級建築士の清水満さんと、実際に愛猫のためにリフォームをした神田さんご夫妻に取材させていただきました。
神田さん家の愛猫たちを紹介
ずっと猫を飼いたくてお二人でペットショップやブリーダーなどいろいろなところを見て回っていました。そんな時、奥さまが一目で心を奪われたのが、「ももじろうくん」でした。同じ時期に、旦那さまが一目惚れしたのがなんと同い年で同じ猫種の「さくらたん」。2匹の誕生日が偶然にも一週間違いだったため、運命を感じ、「いい姉弟になれるのでは?」と2匹とも家族に迎え入れました。
マンチカンのももじろう(写真左・オス2歳)とさくらたん(写真右・メス2歳)
ずっと猫を飼いたくてお二人でペットショップやブリーダーなどいろいろなところを見て回っていました。そんな時、奥さまが一目で心を奪われたのが、「ももじろうくん」でした。同じ時期に、旦那さまが一目惚れしたのがなんと同い年で同じ猫種の「さくらたん」。2匹の誕生日が偶然にも一週間違いだったため、運命を感じ、「いい姉弟になれるのでは?」と2匹とも家族に迎え入れました。
2匹も大満足のキャットウォークが完成!
今回の取材は1日で終わるという取り付け工事から完成までお邪魔させていただきました。工事中は神田さんご夫妻も2匹の猫たちも別室へ避難。知らない人の出入りや工事の音に最初は怖がっていたという2匹も工事が終わり片付くと警戒しつつも、のそのそと完成されたリビングへやってきてくれました!回遊できるようにリビングにぐるりと一周取り付けられたキャットウォークに興味津々の2匹。猫は臆病な子が多く、まして知らない人がいたり、自分のにおいがついていない場所は警戒する動物です。しかし、ももじろうくんは奥さまに「ちゅ〜る」をもらいながら少しずつステップに乗り、取材を進めるうちにガラスのウォークもするする。あっという間にお気に入りの場所となってようで、何度も上っては下りてを繰り返していました。
ももじろうくんは早くも階段を利用! さくらたんはテレビ台をクンクン
あっという間にお部屋をぐるっと一周
ガラスウォークを歩くももじろうくん
そんな様子を一生懸命見ていたさくらたんも、恐る恐る上り始め、撮影会となったため取材は一時中止(笑)。奥さまと旦那さま、それから清水さんも一緒にカメラを構えて、みんなで楽しんでいました。
さくらたん(左)とももじろう
せっかく作っても使ってくれるかどうかは、完成してからでないとわからないので、清水さんも神田さんご夫妻もドキドキでしたが、楽しそうに満喫する姿に緊張が安心に変わり、大成功のリフォームとになりました。
リフォームのきっかけ
さて、大成功となったキャットウォークですが、今回のリフォームのきっかけは何だったのかを神田さんご夫妻に伺いました。完成後の様子
ストレスを軽減させてあげたかった
奥さま:1番は猫たちの運動不足、ストレスを感じたからです。共働きで12時間くらいずっとお留守番になってしまうので、一緒に遊んであげられる時間が少なく、大きくなって運動量も増えてきて猫じゃらしで遊んであげても全然満足してくれなくて……。毎日遊び足りないという感じで、遊び足りない日の翌朝4時とか5時とかに起きてギャーギャー鳴くんです。それでいっぱい遊んであげた翌日はゆっくり寝てるんですよ。ということはやっぱり運動不足でストレスなのかなと。旦那さま:いろいろ猫の建築なんかの本も読んだりして、猫の動線を作ってあげるとか高低差がいいとか……。とにかくちょっとでもストレスを減らしてあげたいという思いですね。
安全面を考えてプロに依頼
奥さま:最初は自分たちでDIYできないかとかネットで調べたんです。ポールを立てて、そこに台を付けてっていうのよく見るんですけど、なんか乗らなそうだねって。旦那さま:あとは「自分たちで作る」というのが、僕らが苦手っていうのもあったんですけど。見た目もこうスタイリッシュなものが意外と無くてネットなどで調べてたんです。
奥さま:そしたら主人がネコアイさんを見つけてくれて。サイトを見たときに写真が載っていたのでイメージもしやすかったですし、何より、自分たちで作ったときに猫たちの重さに耐えられるかどうかがわからなかったので、安全性も考えるとやっぱりプロにやってもらった方がいいねということでお願いしました。
猫のために考えること
ここから先は、猫のための部屋作りのポイントを数多くの猫住宅リフォームを手がけてきた清水さんに伺いました。工事の様子も一緒にご紹介します。憩いの場は家族が見えるリビングに作る
清水さん:キャットウォークを作るのは大体リビングしかしないですね。「猫の部屋があるからそこをやりたい」と言われても、猫がその部屋だけでなくリビングなどにも自由に行くのであれば、やらない方がいいってことはあります。猫がそこの部屋から出ないというのであればそこにつけますけど。というのも、基本的に猫ちゃんも飼い主さんを家族と思っていて、家族のいるところにいたいんです。猫ってみんな孤独が平気とか言うけど平気じゃないんですよ。
リビングは家族が集まる場所で特に、飼い主さんがソファに座ってたりするじゃないですか。猫はソファに座ってテレビを見ている飼い主さんを上から見たがるんです。 だからキャットウォークやリラックススペースをいっぱい作っても決まった場所にいたりすることが多いんです。
工事風景
猫の行動習性を生かした設計
清水さん:よく、「猫は上下運動させなさい」って聞くと思うんですけど、あれ床にキャットタワーみたいなものを置いたって正直全然運動にならないんですよ(笑)。猫は高いところ上るって言ったって、猫は馬鹿でも煙でもないんで、高いところを作れば上るってわけじゃないんです。高いところに上りたがるっていうのはそこに行けば猫にとってなんらかのメリットがあるからなんです。なので、お家でキャットウォークなんかを作るときは「上に楽しいことがある」「刺激がある」「安らぎがある」というところを作らないと猫は行かなくなるんですよ。
だからウォークの途中にボックスを作ってるのも、猫がちょっと隠れながら飼い主さんを観察できるっていうポイントの場所なんです。それが窓際になると外も見られるじゃないですか、網戸にして窓を開ければ風の匂いを感じられますよね。
キャットウォークだけを作っても、最初は好奇心で行くけど刺激や安らぎがないと飽きちゃうので、必ずそういうポイントを作らないといけないんです。
その場で高さなどを微調整します
配置はプロにおまかせ
「愛猫のために」と夢を持つ飼い主さんから、デザインや配置の要望などは多いと思っていましたが、実はおまかせが多いのだそうです。清水さんの話を聞くと、その理由が確かに納得できるものでした。清水:結構おまかせの人多いんですよ。あんまり飼い主さんの希望を頂いても、それが猫に対して良くないこともあるので。もちろんすごく猫に対して勉強してる人はいいんですけど、猫に対してあんまり勉強してない人が言っても、「それはしない方がいいですよ」とかってなってきてしまうので。
それでも中には「こういうのやりたい」っていうこともあるですけど、お客さんの家によっては家具なんかが置いてあって壁が使えなかったり、そもそもビス打ちしてはいけない壁だったりということもあるんです。
普通マンションってコンクリートがあってその次にプラスターボードっていうのが貼ってあるんですけど、それを貼っちゃうとコンクリートとボードの間に空間ができて音を増幅して隣に伝えちゃうんですよ。なので、 生活音が隣に響かないように戸境壁(こさかいかべ)はコンクリートのままクロスを貼っているんです。ですが、コンクリートは共用部分なのでビスを打ったらいけないんです。
普通の一戸建てだとそういうことを考えなくていいんですけど、集合住宅であるマンションはいろんな人と住んでいてルールがあり、それを守りながら作らなきゃいけないので、安易に「この壁使えますね」なんて簡単には言えないのです。
そういうこともあっておまかせが基本ですね。どうしても難しい場合は既成品のキャットタワーや家具を使ってステップにしたりすることもあります。猫にデザインは関係ないですからね(笑)。
猫ちゃんの年齢や性格など飼い主さんだからわかることと、プロだからわかることって違うので、事前にカウンセリングをしてその子にあったものを作るようにしています。
キャットタワーを利用してキャットウォークを利用します
ーありがとうございましたー
後日、神田さんよりすっかり安心して楽しむ2匹の写真と動画を頂きました♪
キャットウォーク途中のボックスで寝てしまったももじろうくん
ボックスの覗き窓からすっぽり顔を出すさくらたん
可愛いさくらたんとももじろうくんの様子はこちらのInstagram(@sakura_momoji)からも見ることができますよ!