【獣医師執筆】猫はサバ(鯖)を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

佐藤貴紀

獣医師/循環器科担当/認定医

【獣医師執筆】猫はサバ(鯖)を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

猫はサバを食べても大丈夫です。サバの味噌煮、しめサバと日本にはたくさんのサバ料理があります。サバ缶だと通年で手に入りやすく、食卓に上がる機会が多いのではないでしょうか。私たちが食べていると、おいしそうな匂いに誘われて猫が寄ってくることも。今回はサバの栄養素や与える際の注意点などを紹介します。

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この記事のまとめ

  • 猫はサバを食べても大丈夫だが、骨は必ず取り除くこと
  • サバには豊富なビタミンB群やDHA、EPAなどが含まれる
  • 生のサバはヒスタミン食中毒やアニサキス寄生虫などのリスクがある

猫はサバを食べても大丈夫

鯖
猫にとってサバは健康的な食材のため、食べても大丈夫です。ただ、猫はよく噛むことができないので、サバの骨を抜いてあげないと喉や消化器に刺さってしまう可能性があります。また生で与える際は鮮度が良いもののみにしましょう。

サバはビタミン全13種類中、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、ビタミンB12、ビタミンDと5種類も含まれていて、とても栄養が豊富な魚です。別名「青魚の王様」とも呼ばれ、脳や神経の発達に不可欠なDHA(ドコサヘキサエン酸)や血中の中性脂肪を正常に保つ働きをするEPA(エイコサペンタエン酸)も含まれています。

ビタミンB2

糖質や脂質、タンパク質を活動するために必要なエネルギーに変換します。

ビタミンB6

タンパク質の代謝に重要な役割を果たします。免疫力アップにも必要なビタミンです。

ナイアシン

ビタミンB群の仲間で、全身の酵素を助ける役割をしています。例として、皮膚や粘膜の炎症、神経症状を防ぐことが挙げられます。

ビタミンB12

赤血球中のヘモグロビンの生成を助けたり、神経機能の正常化や睡眠リズムの正常化、そして鉄分と共に貧血を予防する働きがあります。

ビタミンD

小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、骨や歯を丈夫にするのを助けます。

猫に生のサバを与える際の注意点

鯖
「外見は新鮮なのに、中身は腐りかけている」という意味を表した「サバの生き腐れ」ということわざがあるくらい、サバは痛みやすい魚です。また、鮮度が良いサバの成分自体に問題がなかったとしても、生であげる際は以下の懸念点があります。

ヒスタミン食中毒

ヒスタミン食中毒はヒスタミンという物質を含有している魚を摂取することによって発症する中毒です。魚がもともと持っているヒスチジンというアミノ酸が、細菌の持つ脱炭酸酵素の働きよって魚肉内でヒスタミンを生成します。

魚を常温で放置することによって細菌が増殖するので、必然的にヒスタミンの生成される量も多くなり中毒を起こす確率が高くなります。ヒスタミンは熱にとても強いです。そのため、一度ヒスタミンが生成されてしまうと熱処理によって分解することは困難になります。

予防策として新鮮な魚を購入することを心掛け、放置などしないようにしましょう。ヒスタミン食中毒になると摂取後2〜3時間で以下のような症状が出るといわれています。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 舌や顔の腫れ
  • 蕁麻疹
  • めまい

アニサキス寄生虫

アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、サバやイワシ、カツオ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類の内臓に寄生します。鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動し、生の状態で食べることで、アニサキス寄生虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。

人間だと嘔吐や激しい痛みを伴い、犬や猫にも同様の症状を起こす可能性があります。アニサキスは熱に弱いので、煮たり焼いたりすればほぼ死滅すると考えて大丈夫です。

また、人間であればお刺身を食べる時によく噛むことで、生きたアニサキスが体内に入ることを防ぐことができます。しかし猫によく噛ませるのは難しいので、あらかじめ小さく切って与えてあげるとよいでしょう。

チアミン (ビタミンB1) 欠乏症

チアミンが不足して起こる病気です。普段良質のペットフードを食べていれば、基本的に問題もありません。しかし生の魚を与え過ぎるとサバに含まれているチアミナーゼという分解酵素がチアミンを破壊してしまい、チアミン欠乏症になってしまいます。

食べ過ぎによる「イエローファット」

猫に少量与える分には問題のないサバですが、与えすぎてしまうと黄色脂肪症(別名 イエローファット)になる可能性があります。

黄色脂肪症とは、主に青魚(まぐろ、カツオ、ぶり、サンマ等)にたくさん含まれている不飽和脂肪酸を過剰に摂取することで発症する病気です。

不飽和脂肪は少量ならコレステロールを下げて血液をさらさらにしてくれます。しかし食べすぎてしまうと脂肪を酸化させてしまいます。発症すると、以下の症状がでる可能性があります。

  • 毛のツヤがなくなってしまう。
  • お腹の下の方に、脂肪の固いしこりが出来る。
  • 突っ立ったようなぎこちない歩き方をする。
  • 痛みを伴うため、お腹を触られることを極度に嫌う。

黄色脂肪症はビタミンEが欠乏していることによって、脂肪の分解が不十分なことにより発症してしまいます。予防するためにも猫にサバに限らず、魚を与える場合は栄養バランスが整っている良質なキャットフードと合わせてあげるようにしましょう。

猫に鯖を与えていい量

サバを総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

猫と鯖に関するよくある質問

Q.
猫にサバを与えても大丈夫ですか?
A.
猫にサバを与えても大丈夫ですが、骨を取り除き鮮度に注意が必要です。
Q.
猫にサバを与えすぎるとどうなりますか?
A.
サバの与えすぎは黄色脂肪症を引き起こす可能性があるため適量を守ることが重要です。
Q.
猫に食べさせて良い魚は?
A.
サバの他に、加熱した鮭やタラ、タイなども猫に与えて大丈夫です。味付けはせず骨を取り除いて与えましょう。

愛猫と楽しい食生活を!!

猫
猫にとってサバは健康的な食材です。ただ、サバの小骨や鮮度には注意し、アレルギーの猫には食べさせないようにしましょう。基本的にサバだけだと、栄養に偏りが出てしまうので、キャットフードのトッピングやおやつとして与えてあげることをオススメします。

人間にとって美味しい食材でも、猫にとっては危険な食べ物もたくさんあります。注意点をきちんと理解した上で、楽しいペットとの食ライフを過ごしてくださいね!

なお、本稿は以下の情報を参照して執筆しています。

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