【獣医師監修】猫は鱈を食べても大丈夫!栄養や食べる際の注意点などを紹介
漢字の通り、冬は鱈を美味しく食べることのできる季節。猫も鱈を食べて大丈夫です。お鍋の具材に使われることも多い鱈。今回は鱈に含まれている栄養素や与える際の注意点を紹介します。
この記事を執筆している専門家
佐藤貴紀獣医師
獣医循環器学会認定医・PETOKOTO取締役獣医師獣医師(東京都獣医師会理事・南麻布動物病院・VETICAL動物病院)。獣医循環器学会認定医。株式会社PETOKOTO取締役CVO(Chief veterinary officer)兼 獣医師。麻布大学獣医学部卒業後、2007年dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長に就任。2008年FORPETS 代表取締役 兼 白金高輪動物病院院長に就任。2010年獣医循環器学会認定医取得。2011年中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任。2017年JVCCに参画し、取締役に就任。子会社JVCC動物病院グループ株式会社代表取締役を兼任。2019年WOLVES Hand 取締役 兼 目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC院長に就任。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。
猫は鱈を食べても大丈夫?
猫は鱈を食べても大丈夫です。ただし、あげる際にいくつかの注意点があります。
小骨
鱈には細かい骨があるため、骨が器官や胃腸に刺さってしまう可能性があります。そのため、細かな骨もきちんと取り除いてから与えてあげましょう。アニサキス寄生虫
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、サバやイワシ、カツオ、イカ、サンマ、アジ、タラなどの魚介類の内臓に寄生します。鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動し、生の状態で食べることで、アニサキス寄生虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
人間だと嘔吐や激しい痛みを伴い、犬や猫にも同様の症状を起こす可能性があります。アニサキスは熱に弱いので、煮たり焼いたりすればほぼ死滅すると考えて大丈夫です。
また、人間であればお刺身を食べる時によく噛むことで、生きたアニサキスが体内に入ることを防ぐことができます。しかし猫によく噛ませるのは難しいので、あらかじめ小さく切って与えてあげるとよいでしょう。
鍋に入っている鱈
鍋の中には、ネギやニラなどの猫が食べてはいけない食材が入っている可能性があります。万が一の恐れがありますので、鍋の食材とは別に茹でてあげた鱈を与えるようにしましょう。猫が食べて良い鱈の栄養素
鱈には水溶性ビタミンのビタミン12やカルシウムのバランスを整えるビタミンDが含まれています。
ビタミンB12
ビタミンB12には赤血球のヘモグロビン生成を促進する働きや動脈硬化のリスクを下げる作用があります。動物はビタミンB12を生合成することができず、植物にはほとんど含まれないため肉製品や魚介類から摂取する必要があります。過剰摂取の心配はありませんが、野菜中心の食生活をしているとまれに足りなくなる場合があり、成長抑制や神経障害を引き起こす可能性があります。
ビタミンD
小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、骨や歯を丈夫にするのを助けます。猫が与えていい鱈の量
鱈を総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。猫は鱈を食べても大丈夫
鱈は猫にとって健康的な食材です。骨や生には注意してあげるといいでしょう。キャットフードのトッピングやおやつとして与えてあげることをオススメします。
人間にとって美味しい食材でも、猫にとっては危険な食べ物もたくさんあります。鱈に限らず「この魚を猫は食べていいのかな?」と疑問に思った場合は、すぐに調べるようにしましょう。
なお、本稿は以下を参照して執筆しています。
- 参照:日本ペット栄養学会(2014)『ペット栄養管理学テキストブック』
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