【獣医師執筆】猫が梅を食べるのはNG!理由や食べた場合の対処法を解説

【獣医師執筆】猫が梅を食べるのはNG!理由や食べた場合の対処法を解説

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梅は猫が食べても大丈夫な食材でしょうか?日本で昔から愛されている食材の梅は、梅干しにしたり、梅酒や梅シロップにしたりと加工すれば保存が利くため、一年を通して楽しむことができます。そんな梅の実が実るのは6月頃。梅の木が庭にあるおうちでは、梅の実が転がっていることもあるのではないでしょうか。そんな梅に飼い猫が興味を示すこともあるかもしれません。しかし猫にとって梅は注意が必要な食べ物です。その理由を紹介します。

猫に梅を与えるのはNG

梅

梅は日本の食文化に深く馴染みがあるもので、口にする機会が多い食べ物ですが、猫には与えないほうが良い食材の一つです。特に生梅や梅の種は絶対にNG。もし、好奇心旺盛な飼い猫が誤って梅を食べてしまったら、かかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

梅の成分

梅

梅はバラ科サクラ属の植物で、2月から春先にかけて、香り良い花を咲かせます。私たちが口にするのは、その後になった「実」の部分です。梅の実に含まれる成分を詳しくみていきましょう。

梅の成分(生、100gあたり)
エネルギー(kcal) 28
水分(g) 90.4
たんぱく質(g) 0.7
脂質(g) 0.5
炭水化物(g) 7.9
カリウム(mg) 240
βカロテン(μg) 220

カリウム

カリウムはミネラルの一つで、細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があり、体内の不要なナトリウムを輩出してくれます。疲労回復にも良い効果を与えてくれ、欠乏すると「低カリウム血症」を発症することも。

とても大事な成分であることに間違いはないのですが、過剰に摂取すること「高カリウム血症」の原因にもなるので、注意しましょう。

βカロテン

βカロテンは抗酸化作用がある栄養素です。免疫力を高めてくれるので、ガンや心臓病の予防などにも効果的といわれています。

有機酸

梅には、クエン酸やリンゴ酸、コハク酸など多くの有機酸が含まれています。これらには、疲労回復や殺菌作用などさまざまな効果があります。

猫に生梅や種も危険

梅

一見、体に良さそうな成分がたっぷりの梅ですが、注意が必要です。熟成前の生梅や梅の種には、「アミグダリン」という成分が含まれています。これは、青酸中毒の原因にもなる恐ろしい成分です。 少量であれば問題ないという声もありますが、万が一のことを考えて、猫に与えないようにしてください。わずかな毒が猫の体に影響する可能性はあります。

また、種を飲みこんだことで、喉に詰まらせたり、腸閉塞の原因になったりすることもあります。生梅や種は猫に与えないでください。

猫は梅干しを食べても大丈夫?

生梅ではなく、食卓によく登場する梅干しであれば、種を除けば猫でも食べることができます。ただし、梅干しには塩分が多く含まれていますので与え過ぎはNGです。梅干しに含まれる塩分は、100g中に22.1gほど。梅干し1粒の可食部が12gほどですので、1粒の塩分量は3g弱です。

猫に梅干しをあげる場合、味見程度にしておくのが良いでしょう。香りや強い酸味を嫌がって食べない場合もありますので、無理に与えないようにしてください。


猫に梅酒は絶対に与えないで

自宅で梅酒を作る人もいると思います。とろりと甘い梅酒は、特に女性に人気のお酒です。とはいえ、猫に梅酒は絶対に与えてはいけません。

アルコールは猫にとって非常に危険で、最悪の場合、意識を失って命を落とすことも珍しくありません。


猫に梅は与えないようにしましょう

ねこ

人間にとっては美味しい食べ物であっても、猫にとってはそうではない場合があります。梅もその中の一つです。生の梅はもちろん、梅干しであっても、なるべくなら与えないほうが良い食材です。猫が興味を持ったとしても、食べさせないようにしましょう。

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