【獣医師執筆】猫はいちごを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説
甘酸っぱさがなんとも美味しいいちごは、ビタミンCや食物繊維、カリウムが豊富で、猫が食べても大丈夫な果物です。今回は、いちごの栄養素や葉っぱやヘタ、キシリトールなど与え方の注意点について解説します。
猫はいちごを食べても大丈夫
いちごはビタミンCや食物繊維、カリウムを含み、猫が食べても大丈夫な食材です。食欲促進の効果があるため、梅雨から初夏にかけて夏バテ防止に最適です。いちごは一般的に果物として扱われていますが、バラ科の多年生果菜で野菜に分類されることもあります。
ビタミンCは体を若々しく保ち、ガンの抑制や免疫機能を促進する働きが期待できます。犬は体内でビタミンCを作ることができますが、年齢や体質によっては不足してしまうこともあります。
カリウムはミネラルの一つで、体内の不要なナトリウムを輩出してくれます。疲労回復にも良い効果を与えてくれ、欠乏すると「低カリウム血症」を発症することも。逆に過剰に摂取すると「高カリウム血症」の原因にもなります。
また、いちごにはポリフェノールの一種「アントシアニン」も含まれ、目の働きをサポートしてくれるとされています。
※参照:「果樹とは」(農林水産省)
猫にいちごの葉(ヘタ)やツブツブを与えても大丈夫?
いちごの葉やヘタは猫が食べても大丈夫ですが、アレルギー反応を起こす可能性があるためあえて与える必要はありません。私たちが食べる際に葉やヘタを取り除くように、ネコちゃんに食べさせる際も取ってあげるといいでしょう。
いちごのツブツブは種だと思っている方も多いと思いますが、実はツブツブが果実なのです。果実だと思って食べている部分は花床(かしょう)と呼ばれ、文字通り花の根元部分です。ツブツブも花床も、猫が食べても大丈夫です。
※参照:「いちごのあれこれ豆知識」(農林水産省)
猫へのいちごの与え方
猫にいちごを与える際は、どのようにしてあげるのが良いのでしょうか。
与えていい量
前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
生
いちごに含まれるビタミンCは水溶性のため、へたを取った状態で洗うと流出してしまいます。へたはつけたまま水洗いし、へたを取ってから食べさせてあげましょう。へたに害はないですが、農薬残留の可能性もあるため、基本的には与えない方が良いです。大きないちごの場合、猫が食べづらいため、消化しやすいように細かくカットして与えてあげるようにしましょう。潰して与えてあげることもおすすめです。
いちごヨーグルト
市販のいちごヨーグルトは、大量の砂糖が含まれている可能性があるため、無糖のヨーグルトにいちごをトッピングして与えてあげると良いでしょう。いちごジャム
市販のいちごジャムは、大量の砂糖が含まれている可能性があります。そのため、ジャムを与えたい場合は無糖のジャムを手作りしてあげましょう。ただし、加熱することでビタミンCが消失してしまう可能性があるため、生で食べさせてあげることをオススメします。猫にいちごを与える際の注意点
キシリトール
いちごには、犬が摂取してしまうと重い中毒症状を引き起こすキシリトールが含まれます。これまで猫での中毒症状は報告されていなかったものの、安全性が確認できておらず注意が必要とされてきました。しかし、2018年にベルギーの研究チームが6匹の成猫を対象に毒性の確認をしたところ、猫はキシリトールを摂取しても問題ないことがわかりました(※)。対象数が少ないためすべての猫に安全と言い切ることはできませんが、犬のように警戒する必要はないでしょう。
アレルギー
いちごでアレルギー症状が出る場合もあります。最初の数回は少量にして、変化がないか様子を見られるようにしてください。食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。
初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。
猫にいちごはおやつ程度に
最終的には愛猫の健康は飼い主さん次第です。そのため、きちんと正しい情報を理解した上で、愛猫がずっと健康で長生きできるように大切に育ててあげてくださいね!
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