
猫はハムやベーコンを食べても大丈夫?気になる塩分や腎臓病や肥満のリスクを紹介
たんぱく質が多くを締めている、ハムやベーコン。猫用のものなら与えても大丈夫ですが、人間用の市販品は塩分や調味料が多いため、猫の健康に良いとは言えません。そのため、人間用は与えないほうが良いでしょう。今回は、ハムやベーコンの栄養素、与える際の注意点を説明します。
人用のハムやベーコンは猫に与えない

ハムやベーコン、ソーセージは豚肉などの加工品で、主にたんぱく質で構成されています。三大栄養素の一つでもあるたんぱく質の摂取に問題はありませんが、人用の加工食品であるため猫の健康に良くない塩分や調味料が多く含まれています。そのため、人用のハムは猫には与えないでください。
代わりに猫用、もしくは味付けされていない豚肉や牛肉、鶏肉、レバーなどを与えてあげましょう。
ハムの成分
たん白質
100gあたり19gほどが含まれています。脂質
100gあたり4gほどが含まれています。塩分
ロースハム2枚で1.0g、ベーコン2枚で1.0g、生ハム2枚で1.1g、熟成生ハム2枚で2.2gの量と言われています。人間の場合、厚生労働省が推奨する食塩の1日摂取量は男性で8g未満、女性で7g未満です。塩分中に含まれるナトリウムや塩素は、猫の高血圧症の原因となり、腎臓病や甲状腺機能亢進症、心臓病、肥満と関連します。また慢性腎臓病の猫に与える場合、疾患が加速すると言われています。そのため、過剰な塩分摂取は避けるべきで、特に老猫や疾患がある猫には与えないことを推奨します。
ハムなどの加工肉を与える際に気を付けたい注意点

ハムなどの加工肉を与える際にアレルギーや肥満など、注意したい点があります。
アレルギー
もしおやつ程度にハムなどを与える場合、豚肉アレルギーがないか注意しましょう。健康面やアレルギーリスクからも少量だけ食べさせるようにしましょう。アレルギー症状の中には下痢なども含まれていますが、必ずしもアレルギーが原因ではない場合もあります。アレルギーの有無は動物病院で診てもらうことができますので、事前に検査しておくことをオススメします。
アレルギー食品を摂取した場合に起こる症状
- 下痢や嘔吐
- 皮膚をかゆがる
- 元気がなくなる
- 目の充血
ハムなどの食肉加工品に限らず、猫にとって初めての食べ物を与える際は、摂取後しばらく様子を見られる時にしましょう。食べさせた後に一緒にいられない場合は、その後の様子を観察することができないので試す機会をずらした方が適当です。
もし、ハムを食べて体調を崩した場合は、早めに動物病院に連絡をしてください。「いつ・どの程度」食べたかをきちんと説明するようにしましょう。
肥満
ハムなどの加工肉は牛肉や豚肉に比べて脂質が非常に高いため、与えすぎは肥満につながります。猫はとてもおいしいと思うでしょうが、健康のためを思って与えすぎないようにしましょう。ハムなどの加工肉はがんになりやすいって本当?

2015年10月に世界保健機関(WHO)の傘下である国際がん研究機関(IARC)が発表した、「赤肉・加工肉のがんリスク」の調査結果で、毎日50gのベーコンなどの加工食品を摂取すると大腸ガンになる確率が18%まで増加することを発表しました。
この発表は10カ国22人の専門家が約800本の論文を評価した結果で、「飲酒はガンのリスクを高める可能性が高い」とされるほど確かな結論にはなっていません。猫にとってもガンのリスクがあるかは定かではありませんが、愛猫のためにリスクを取らないことも選択肢の一つでしょう。
加工肉の定義について
加工肉は燻製や熟成などの方法で保存用に加工された肉で、ハムやベーコン、ソーセージが代表的です。猫のおやつにもハムやベーコン、ジャーキーなどはありますが、猫用に加工されたものであればおやつ程度に与えるのは問題ないでしょう。ただし、与え過ぎは肥満などの健康トラブルの原因になります。猫用のハムやベーコンの選び方

愛猫のおやつにハムやベーコンを与える場合、無添加で国産の原料を選んであげると良いでしょう。与える量はサイズによっても異なるため、きちんと与える量の目安を読んでから与えるようにしてください。与え過ぎは肥満の原因になってしまい、肥満からさまざまな疾患につながってしまいます。
愛猫の健康管理は飼い主さんの責任です!

猫の健康は、飼い主さんの食事の与え方が非常に大切になってきます。ボテボテしていてかわいいと思っていても、腎臓病や肥満は寿命を縮める原因になっています。きちんと栄養のことを理解して、愛猫と楽しい食生活を過ごしてくださいね!
なお、本稿は以下の情報などを参照して執筆しています。
- ロイヤルカナン「犬と猫の栄養成分辞典」
気になることがあれば専門家に聞いてみよう!

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