【獣医師執筆】猫はレタスを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説
レタスが好きな猫もいると思いますが、猫はレタスを食べても大丈夫なのでしょうか? 季節によって産地が変わり一年中食べることができる野菜なので、食卓に上る機会も多いと思います。今回はレタスに含まれている栄養素や効果、注意点を紹介します。
猫はレタスを食べても大丈夫
レタスはカリウムやカルシウム、βカロテン、葉酸、ビタミンCなどを多く含み、猫が食べても大丈夫な野菜です。レタスは種類が多く、日本では「玉レタス」や「サニーレタス」が一般的ですが、近年は焼き肉をはさむために使われる「サンチュ」の消費も伸びています。
レタスに含まれる栄養素
玉レタス | サニーレタス | サンチュ | |
---|---|---|---|
エネルギー | 13kcal | 15kcal | 14kcal |
カリウム | 260mg | 410mg | 470mg |
カルシウム | 34mg | 66mg | 62mg |
葉酸 | 44μg | 120μg | 91μg |
ビタミンC | 5mg | 17mg | 13mg |
※各100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)
カリウム | 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。 |
カルシウム | カルシウムは骨や歯の材料になるだけでなく、神経の情報伝達にも重要な役割を持ちます。カルシウムは不足したときだけでなく、過剰摂取でも整形外科疾患のリスクを高めます。 |
葉酸 | 体の細胞の生まれ変わりや成長をサポートするという大切な役割を持ち、「造血のビタミン」と呼ばれます。不足すると貧血や免疫力の低下につながります。 |
ビタミンC | 強い抗酸化作用を持ち、がん予防やアンチエイジングの効果が期待されます。生体内の異物を解毒する作用や、免疫機能を向上させる作用もあります。猫は体内で合成することが可能です。 |
ラクチュコピクリン
レタス(Lettuce)はラテン語で牛乳を意味する「Lac」が語源とされ、日本でも「乳草」(ちちくさ)と呼ばれることがあり、和名「チシャ」の語源となっています。それらはレタスの芯をカットすると白い液体が出てくることから名付けられました。白い液体は「ラクチュコピクリン」(lactucopicrin)という鎮静作用のある苦味成分で、催眠効果があり、食べると眠くなると言われることもあります。ワイルドレタスという種類に多く含まれますが、日本で流通する一般的なレタスには体に影響を与えるほど含まれていません。
※参照:「Effectiveness of the Sleep Enhancement by Green Romaine Lettuce (Lactuca sativa) in a Rodent Model」(Biological and Pharmaceutical Bulletin)
レタスとキャベツの違いは?
レタスとキャベツはとても見た目が似ていますが、キャベツも猫に与えていいのでしょうか? レタスはキク科の野菜なのに対して、キャベツはアブラナ科と全く違う野菜です。キャベツは結石だけでなく、甲状腺腫にも注意が必要です。詳細は以下の記事をご確認ください。猫にレタスを与える際の注意点
レタスの中でも、サニーレタスにはカリウムやカルシウム等のミネラルが豊富に含まれています。カルシウムをはじめ各種ミネラル、シュウ酸が多い食品などを多く食べ過ぎると、それが結晶化して腎臓、尿管、膀胱、尿道の中で結石となってしまいます。腎臓に問題がある猫にはあげないようにしましょう。
前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。
おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
猫へのレタスの与え方
生のレタス
生のレタスは加熱等により栄養価が失われていないため、とても健康的です。ただ生野菜は消化されにくいので、細かく切ってあげるとよいでしょう。茹でたレタス
加熱してしまうとサニーレタスに含まれているビタミンのほとんどを失っていまいます。サニーレタスを加熱する場合は短時間で行うことをおすすめします。レタスの芯
芯は根の一部なので、土から吸い上げた農薬が凝縮されやすい場所です。加熱しても完全に農薬が除去できるわけではないので、猫にキャベツの芯はあげないようにしましょう。獣医師相談のインスタライブ開催中!
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