【獣医師執筆】猫は生姜を食べて大丈夫?栄養成分や与える際の注意点を解説
生姜は香辛料としても人気で、和食の友としてよく使われています。猫に与える機会はあまりないと思いますが、実際に食べてしまっても問題はないのでしょうか?生姜から作られるガリは成分上マタタビとは似ていませんが、同じような興奮作用をもたらすことがあるようです。栄養素や詳しい成分、効果、与える際の注意点を紹介しています。
前提として、猫は総合栄養食のキャットフードを食べていれば、それ以外の食べ物は必要ありません。あくまでトッピングやおやつとして与えるようにしましょう。
生姜は体の血行を良くし、抗酸化作用も期待できる食材です。猫も少量であれば食べて大丈夫ですが、辛味成分が含まれているので胃腸の負担にならないように注意してあげることが大切です。猫によっては胃腸の刺激になり下痢や嘔吐を引き起こすきっかけになってしまうかもしれません。
猫は生姜を食べられない?
生姜は体の血行を良くし、抗酸化作用も期待できる食材です。猫も少量であれば食べて大丈夫ですが、辛味成分が含まれているので胃腸の負担にならないように注意してあげることが大切です。猫によっては胃腸の刺激になり下痢や嘔吐を引き起こすきっかけになってしまうかもしれません。
生姜の成分
生姜の90%は水分でできています。その他の主な成分は炭水化物やタンパク質ですが、生姜には三種類の辛味成分も含まれています。- ジンゲロール 生姜の辛み成分で最も多く含まれています。血流を促進する作用があり、冷えを改善する効果や、免疫力を向上させる効果が期待されています。ジンゲロールは加熱や乾燥によってショウガオールに変化する性質を持っています。
- ショウガオール ジンゲロールが加熱や乾燥によってショウガオールに変化します。血行を促進し体を温めてくれます。抗酸化作用も期待できます。
- ジンゲロン ジンゲロールが分解することで生成されます。ジンゲロンには発汗作用があり、老廃物や滞留している水分を排出する作用があります。他の辛味成分と同じく血行を良くし体を温めてくれます。
生姜がマタタビの代わりに?
猫にマタタビを与えると酔っ払ったような状態になることは有名ですが、ネット上でお寿司のガリにも同じような反応を示す猫の様子が見受けられます。一方ではガリの匂いを嗅いですぐに避け始める子もいるので、猫によるところが大きいでしょう。ガリは人間用に味付けされているので、誤って猫に食べさせないようにしましょう。
3種類の生姜
はじかみ生姜
日本には大生姜、中生姜、小生姜の三種類があります。一般的によくスーパーで売っているのは大生姜で、年間を通して生鮮用や漬物などに使用されています。中生姜は大生姜よりも辛味が強く、漬物や加工品に使用されています。比較的収穫が多い小生姜は早掘りして、葉生姜やはじかみ生姜などにされることが多いです。
猫に生姜を与える際の注意点
生姜はペット向けの薬膳食材としても使用されることがあり、少量であれば猫に与えても大丈夫です。ただし刺激が強いものでもありますので、リスクを十分に理解してから与えるようにしてください。
食物アレルギー
猫によってはアレルギー反応を起こしてしまう子がいます。初期症状として皮膚の疾患が現れる可能性が高いので、フケが出たりずっと肌をかゆがっていたりしていたら、早めに病院に相談してあげましょう。食物性のアレルギーの場合、原因となるものを取り除いてあげれば問題はありません。- 下痢や嘔吐
- 皮膚をかゆがる
- 元気がなくなる
- 目の充血
アレルギーは摂取後すぐに症状が現れる訳ではないため何の食材が原因か分かりづらいことが多いです。アレルギー症状が疑われる場合は獣医師に相談するようにしてください。
与える時は少量から
生姜は人間にとっても特有の香りと辛味の刺激がある食材です。血行を促進し体を温めてくれる効果が期待できるものですが、猫によっては少量でも下痢や嘔吐の原因になってしまうかもしれません。もし手作りご飯などで混ぜたい場合はほんの少量からスタートさせましょう。猫に生姜は積極的に与える必要はない
多くの猫は自分から生姜を食べたがることはありません。しかし目を離した隙に台所に登って口に入れてしまうこともあるかもしれません。猫にとってとても害のある食べ物ではないので、すぐに動物病院に駆け込む必要はありません。しばらく様子を見て、行動に異変がないかを注意しましょう。もし気になる点があったら動物病院に連絡を取り、獣医師にいつ、どのくらい食べたのかを伝えて指示を仰ぎましょう。
なお、本稿は以下の情報を参照して執筆しています。
- 永谷園「永谷園生姜部 生姜の基礎知識」
- 文部科学省「食品成分データベース」
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