【獣医師執筆】猫はカニを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はカニを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

Share!

猫は加熱されたカニであれば食べても大丈夫です。生の状態だったり、味付けをされた状態だったりすると危険です。今回は猫にカニを与える際の注意点や対処法などを解説します。

猫はカニを食べても大丈夫

カニ

加熱してあれば猫もカニを食べることはできます。ただし、カニを含むイカやエビ、魚などの海産物は、生のまま食べさせるとビタミンB1欠乏症になってしまいますので注意してください。

カニの成分

カニは日本だけでも1000種類以上確認されています。たとえばズワイガニを例に成分の特徴をみてみましょう。ズワイガニはビタミンB12やカリウムを豊富に含んでいて、抗酸化作用も期待することができます。

  • タンパク質
  • 良質なタンパク質を摂ることは代謝と免疫力を保つためにとても大切なことです。カニ身の部分は筋肉のため、高タンパクかつ脂肪がほぼないことが特徴です。

  • ビタミンB12
  • 赤血球中のヘモグロビンの生成を助けたり、神経機能の正常化や睡眠リズムの正常化、そして鉄分と共に貧血を予防する働きがあります。

  • カリウム
  • カリウムは塩分を排出する働きがあるので、血圧を維持してくれます。利尿作用が体内の水分量を調整してくれるので代謝が良くなります。

  • アスタキサンチン
  • ビタミンCやビタミンEと同じような働きをし、ビタミンEの1000倍の抗酸化力があります。目や皮膚、細胞の健康を維持するのに欠かせない成分の一つです。アスタキサンチンはサプリメントで摂取することにも人気があります。

アスタキサンチンPlus
Amazonで見る

カニカマは食べて大丈b?

カニカマとは色や食感をカニに似せたかまぼこで、主にスケトウダラを原料としています。カニは入っていません。成分的には特別猫にとって悪いものはありませんが、人間用に加工されているため猫にとっては塩分過多になりやすいです。与える場合は猫用のものをあげるようにしてください。

猫にカニを与える際の注意点

カニ

カニは加熱をすれば猫に食べさせても大丈夫ですが、与える際はいくつか注意点があります。もし「愛猫にもカニをおすそ分けしたいな」と思ったら、注意点をしっかりと理解した上で与えるようにしましょう。

生では与えない!ビタミンB1欠乏症

生のカニに含まれているチアミナーゼという酵素は、ビタミンB1を分解してしまいます。ビタミンB1が不足してしまうと、後ろ足のふらつきなど神経症状を起こしてしまいます。

この症状は人間でいう脚気(かっけ)と同じで、江戸時代には多くの死者を出しました。猫は犬よりもビタミンB1要求量が多いため、欠乏症になりやすいです。生のカニは与えないようにしましょう。

甲羅や脚に注意

カニの甲羅や脚、腱を猫が食べてしまうと口内を傷つけてしまったり、胃腸内で消化不良を起こし嘔吐を引き起こしたりしてしまう可能性があります。基本的に硬いところは最初に取り除いてから与えるようにしましょう。

甲殻類アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

愛猫のカロリー計算をする

猫が生のカニを食べてしまった時の対処法

カニ

生のカニやイカ、エビなどを食べてしまった時は、食べた時間、量などをしっかりと把握して動物病院で相談しましょう。ビタミンB1欠乏症を発症した場合早めの措置が必要になります。まずは電話などで獣医師の指示聞いて従うようにしましょう。決して自己流で吐かせようとしたり、楽観視したりしてはいけません。

愛猫にカニを積極的に食べさせる必要はありません

ねこ

おいしいものを食べている時、愛猫にもおすそ分けしたくなる時もあるとは思います。しかし猫と人間の体は異なるので、与える前に食べていいもの、食べてはいけないものはしっかりと把握しておくようにしましょう。

獣医師相談のインスタライブ開催中!

食のお悩み相談会

ペトコトフーズのInstagramアカウント(@petokotofoods)では、獣医師やペット栄養管理士が出演する「食のお悩み相談会」を定期開催しています。愛猫 のごはんについて気になることがある方は、ぜひご参加ください。

アカウントをフォローする