猫がすりすりしてくるのはなぜ?噛む理由や帰宅時・お風呂上がりの意味を解説
猫の飼い主さんは、家に帰ったとき「愛猫が寄って来て顔や体を足にすりすりしてきた!」という経験がありますよね。野良猫が鳴きながら寄って来て足にすりすりしてきた経験がある方もいると思います。「甘えてきてかわいいなあ」という光景ですが、実は猫の「すりすり」という行動には、さまざまな意味が隠されていたということを知っていましたか? 今回は猫の「すりすり」が持つ意味や悶絶してしまいそうになるカワイイ「すりすり」動画を紹介します。
目次 [開く]
猫が「すりすり」する意味
猫が人に対してすりすりする一番の理由は、「マーキング」です。もちろん- 甘えている
- ご飯をおねだりしている
- あいさつ
猫がすりすりしている場所
猫の体には、猫自身の臭いを分泌する「臭腺(しゅうせん)」と呼ばれる場所があります。猫はその臭腺をすりすりすることで、マーキングしているのです。臭腺の場所は複数あり、- 顔
- わき腹
- 肉球
- 尻尾

猫の臭腺の場所を示した図
猫の「すりすり」が「頭突き」になる場合もありますが、これは猫の臭腺のほとんどが顔に集中しているためです。猫の顔には
- おでこ
- こめかみ腺
- 周口腺(上唇のあたり)
- おとがい腺(下顎のあたり)
- 側頭腺(耳の後ろ)
帰宅時やお風呂上がりに猫がすりすりするのはなぜ?
飼い主さんが家に帰るとと愛猫が寄って来てすりすりしたり、お風呂上がりに寄って来てすりすりしたりすることがあると思います。これもマーキングの意味があります。人間にはなかなか分かりませんが、外にいることでさまざまな匂いが体や服に付きます。もしかしたら、帰る前に触れ合った野良猫の匂いがしっかり付いているかもしれません。隠そうとしても猫にはお見通しです。自分のテリトリーに入ってきた飼い主さんを再び安心できる存在にするため、猫は寄って来て「消えてしまった自分の臭い」を上書きしているのです。
お風呂上がりも同様で、人間としては「良い匂い」をまとっているつもりでも愛猫は、「また自分の臭いが消えてしまった!」と憤っているかもしれません。「自分の臭いがする飼い主」を取り戻すため、猫はお風呂上がりにすりすりしてくるのです。
朝、起きると猫がすりすりしてくるのはなぜ?
帰宅時でもお風呂上がりでもないのに、朝になるとすりすりしてくる猫ちゃんもいると思います。これはマーキングではなく、お腹が空いてご飯をおねだりしているためと考えられます。猫は猫同士では鳴き声を使ったコミュニケーションを多用しないのですが、人間に対してはさまざまな鳴き声を使ってコミュニケーションを取ろうとしてきます。これは人間社会で生きてきた歴史の中で、鳴き声が人間とのコミュニケーションツールに適していると学習したためだと考えられています。
お腹が空いたときも同様で、飼い主さんにすりすりすることでご飯がもらえたという経験が毎朝のすりすりになったのだと考えられます。そのため鳴き声だけでおねだりをしたり、飼い主さんは無視して自動給餌器を爪でガリガリしたり、環境や経験によって猫の反応は異なるはずです。
猫の「すりすり」が「噛む」に変化するのはなぜ?
気まぐれがウリの猫ちゃんですが、「すりすり」していたと思ったら急に噛んでくることもあります。猫が「噛む」という行動についてはいくつかの理由があります。- 気持ちの高揚 良い意味で気持ちが高ぶったり、興奮したりした際の愛情表現として噛んでいる。
- 交尾の練習 オス猫が交尾をする際にメス猫の首をよく噛むことから、交尾の練習の一環として噛んでいる。
- 恐怖や怒り 相手に対する嫌悪感から噛んでいる。
「すりすり」していたのに急にガブッと噛まれてしまった場合は、「気持ちの高揚」によるものです。噛む以外にも、爪で引っかいてくる子もいると思います。猫に悪気は全くありませんので、決して大声で怒鳴ったり叩いたりしないようにしてください。
ただ、注意せずにいると加減が分からず本気で噛んでくることもあります。猫に噛まれた際は「痛い!」「No!」と短く叫ぶことで、猫も飼い主さんの嫌悪感を理解してくれるようになります。
うちの猫はすりすりしてくれない! その理由は?
飼い主さんの中には、「うちの猫は全くすりすりしてくれない。私に懐いていないのかな?」と不安に思う方もいると思いますが、猫が「すりすり」をする度合いは猫の性格によって異なります。すりすりをしないことが問題になることはありませんので、ちょっとさみしいかもしれませんが、それほど気にしなくても大丈夫です。「家族にはするのに、自分にだけしてこない」という場合は、飼い主さんに好きではない臭いが付いているのかもしれません。猫は「柑橘系の匂い」や「男性の汗の匂い」などを嫌う傾向があるようです。