たくさんの先住犬に迎えられた元保護犬「グアポ」 出会いはネットから【お結びレポート】
OMUSUBIで新しい家族に迎えられた保護犬・保護猫を紹介するお結びレポート。前回は、名前に運命を感じOMUSUBIを通して初めて保護猫が新しい家族に迎え入れられたお話でした。今回も初な内容で、先住犬がいるお家の新しい家族になった保護犬グアポ君のお話です。すでに家に犬がいるの方のお話なので保護犬を迎え入れられるか心配な方や、保護犬を迎え入れるまでの様子について知りたい人に必見です!
目次
保護犬「月餅」から紫家の「グアポ」へ
今回の主役はチワワの「月餅(げっぺい)くん」。現在は紫さんのお家で「グアポくん」という新しい名前をもらって幸せに暮らしています。前回紹介した「小太郎くん」はもともとの名前のまま新しい家族に迎えられましたが、名前が変わることも珍しくありません。紫さん:メキシコやスペインに共感するものがあり、チワワはメキシコで生まれた犬ということもあってスペイン語の名前にしようと思っていました。そしてグアポは出会った時に超イケメンだったので、イケメンという意味の「グアポ」って名前にしたんです。
ちなみに紫さん自身の名前もスペイン語に由来しているそうです。
譲渡会で保護犬に出会えず……ネットの写真を見て応募
皆さんは保護犬と出会うために、どんな方法があるかご存じですか? 譲渡会や保護犬カフェ、知人からの紹介などで初めて会ってトライアルを決めるパターンが多くあります。しかし、紫さんはそれらのパターンではありませんでした。紫さん:保護犬の迎え方とかをよく知らない時に、FacebookでOMUSUBIの譲渡会のお知らせを見て「譲渡会」があることを知りました。それですぐ行ってみたんですけど、その時に参加していたのがほとんど猫で、犬が1匹だけだったんです(※)。
でも、そこにいたOMUSUBIのスタッフの方に、「OMUSUBIを見れば保護犬が探せますよ」と教えていただいて、早速お家に帰ってから見てみたんです。写真がバーっとあるので、ネット上の譲渡会みたいな感じですね。それでグアポを見つけて、写真を見ただけで感じるものがあったので、実際に会ってみたいと思いました。
※譲渡会に参加する犬猫の数は時期によって変わり、子猫が増える暖かい時期は猫が多くなる傾向があります。
紫さんとグアポくん
本来は何回かお見合いをした後にトライアルをして、その後に晴れて家族の一員になれるという流れだったのですが、保護団体のスタッフはすでに犬を飼っている紫さんの家庭環境や普段の様子を見て、「この人ならこの子をお任せできる」と判断したため、話が早く進んだのです。
紫さん:「お見合い」でグアポは初めてうちに来ましたが、狂犬病の予防注射を受けるためにいったん戻りました。その後、トライアル期間でうちに来て、終了時にいったん戻る予定でしたが、「そのまま迎えて大丈夫ですよ」と言われて。その日から正式にうちの子になりました。
よく自分のブログに愛犬たちの写真を出しているのでトライアル期間中もグアポも出したかったのですが、正式に決まるまでは出すことができず、つらかったです。その分、保護団体さんのほうに写真を送りました(笑)。
保護団体のスタッフも安心するほど良いご縁だった紫さんとグアポくん。スムーズに紫さんの家族になることができました。
大変なところもグアポくんの個性
去勢手術後のグアポ君
紫さん:トライアルを終えてグアポは去勢手術をしました。グアポは舌が大きくて、誤嚥(ごえん)をしてしまうことがあるということで、精密検査もしてもらいました。喉とか舌も診てもらったけど、先生は「舌が大きいだけ」と(笑)。こんなにちっちゃいのに誰よりも大きな舌をしていて、歯もしっかりとしているんです。
ご飯は保護団体のスタッフさんから教えてもらった通りにふやかして与えれば食べるけど、それでもたまにウェって吐いたら洗っての繰り返しで。食糞も見ていないとしちゃうので洗濯物は大変です、この子(笑)。トイレシートでしてくれればいいんだけど、すぐゲェって自分のベッドでしてしまって。
グアポ君は保護時の体重が1kgしかありませんでした。一般的なチワワの体重は2kgくらいです。1歳未満だったとは言え、チワワで1kgしかない子は極まれにしかいません。それでも元気でいられるのは、紫さんに大切にされているからでしょう。紫さんの腕の中で、グアポくんは何度もイナバウアー状態になりながらウトウトとしていました。
たくさんの兄弟ができたグアポくん
幼い頃から多くの犬に囲まれて生活をしてきた紫さんは、グアポくんを迎えた時点でチワワを3匹飼っていました。4匹飼っていた時の写真、青いリードがグアポ君
紫さん:グアポは全然吠えないんですよ。だけど、お見合いで最初に来た時はワンワン、すごい吠えてました。だから、「大丈夫かなあ」と思ってたんですけど、トライアルで家に来たら大人しくなったんです。たぶん、序列もあるからかもしれないですね。他の子もいるから一番下になっちゃうんで。
現在グアポ君を含め3匹のチワワを飼っている紫さんは、多頭飼いをすることに慣れていました。そして多頭飼いをするにあたり、新しい犬を迎える時に利点もあると言います。
紫さん:何にも教えなくても全部真似をするから、それは多頭飼いのいいところですね。手が掛かって大変なのは1匹目だけなので。
トイレを覚えさせたり、無駄吠えをさせないようにしたり……犬のしつけは大変です。このような利点があるのは、多頭飼いならではの特権ですね。しかし、多頭飼いには気を付けなければいけないこともあります。
紫さん:グアポが来た時に、一番上の子「ゲバラ」がすごく大変でした。グアポが来たことでゲバラがご飯を食べなくなってしまって。それまでゲバラがずっとアイドルだったんですよ、家でもトリミングに行っても。だけど、新しいアイドルが出てきてしまって、アイドルの座を奪われてしまったんです。それですっごい具合が悪くなってしまって、グアポが近くに来てもウウッて唸っている時期もありました。
今は平気ですけどね。とにかく原因は分かっていたので、いろいろとやり方を変えました。ご飯は先住犬を最初に食べさせるとか、先住犬を可愛がるっていう順位をきっちり付けるようにしました。人間が中間に入っちゃいけないと思ったので、怪我しない程度だったらケンカも黙って見ていました。
先住犬と仲良くなれるかどうかは一緒に暮らしてみないと分からないものです。相性が合わなかったり、環境の変化についていけずに体調を崩したりすることはもちろんあります。紫さんの先住犬たちも、新しく迎えたグアポ君に戸惑ってしまったのかもしれません。紫さんのように先住犬がいる場合は、新しく迎える保護犬のことだけではなく、先住犬にも気をつかうようにしなければいけませんね。
保護犬を迎え入れる時に気を付けていること
グアポくを迎えてから一段落ついた紫さんは、また保護犬を迎えようと考えているそうです。グアポくん(左)とグアポくんが大好きで今は天国にいる二男のクールくん
紫さん:今度また新しい子を迎える時は、同じくらいの歳の子を迎えたいかなと。人間みたいに「話が合う」じゃないけど、仲間意識を持てるんじゃないかなと思って。
多頭飼いの場合は、普通に保護犬を迎えるより大変です。それでも保護犬を迎え入れようと考えている紫さんは、1匹でも多く保護されている子たちに家族ができることを願っていました。
紫さん:最初は私もペットショップで売られている一方で、こんなにいっぱいのワンちゃんが保護されていることを知らなかったです。ネットで探したり、出会えるようになったのはいいきっかけになったと思います。皆さんに保護犬のことをもっと身近な存在として感じてほしいです。
最後に、保護犬を迎えるにあたり、どのようなことに気を付けた方がいいのか紫さんからアドバイスをいただきました。
紫さん:保護犬を飼う前に、必ず逆算してほしいです。20年後の自分がどれだけの体力があるかとか、全員の病院に行けるかとか散歩をできるか考えて、私は逆算してグアポを迎え入れました。生きていれば寝たきりになったり、いろんな病気にもなったりします。だから犬の今後のこと、自分たちの今後のことも全部考えた上で飼ってほしい。経験者のお話も聞いてから飼ってほしいですね。
今後もペトことでは「お結びレポート」を公開していきますので、ぜひ保護犬・保護猫を迎え入れる時の参考にしてもらえればと思います。
紫しえさんプロフィール
保護犬猫の募集情報サイト「OMUSUBI」では、新しい家族との出会いを待っている犬や猫の情報が掲載されています。一度覗いていただき、シェアなどにご協力いただけると嬉しいです。- エッセイスト・デザイナー・プロデューサー
- ゲバラ(4歳)、カミノ(4歳)、グアポ(保護犬1歳)のチワワのママ
- 小学館PETomorrow 連載エッセイ「紫しえのわんちゃんからの贈り物」連載中
- わんちゃんのお洋服ブランド「KENNY」
- わんちゃん同伴OK完全予約制ラウンジバー「CASA FIESTA」経営
- HP:mauamoanamana