猫が甘噛みする意味とは? キックやゴロゴロの理由やしつけの方法について解説

猫が甘噛みする意味とは? キックやゴロゴロの理由やしつけの方法について解説

愛猫に甘噛みされたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。ゴロゴロいいながら甘えてくるなら良いけれど、痛みを伴う甘噛みやキックなどは、「かわいい」と思えることばかりではないと思います。どこまでさせて、どこからやめさせるべきなのでしょうか。今回は、猫が甘噛みする意味や対策についてご紹介します。

猫が甘噛みする理由

子猫

猫が飼い主さんの手や足を噛んでくることがあります。上手な子は痛くないように噛みますが、力加減が下手な子に噛まれると痛いですし、やめさせたほうがいい場合もあります。そもそもなぜ猫は甘噛みをするのでしょうか。

子猫は甘噛みするのが普通

筆者は保護活動をしており、毎年多くの捨てられた子猫を育てています。時には猫の親子を保護することもあります。保護活動を通して接してきた子猫たちは、甘噛みしない子はいませんでした。全員、甘噛みします。

親や兄弟と一緒に育っていると、甘噛みが上手な子が多いようです。1匹だけで捨てられていて甘噛みが強かった子も、筆者に保護されて他の子と兄弟同然に育つことによって、自然と甘噛みを加減できるようになった子もいます。その子は、一緒に育った血の繋がらない兄妹と共に現在も里親さん宅で可愛がられています。里親さんに聞いたところ、大人になった今ではもっと上手に加減できるようになったそうです。

とりあえず噛んでみるのが子猫

子猫は遊ぶことによって、自分の生きる世界のことを学んでいきます。人間の子供と同じように、子猫もとりあえず何でもかじってみます。子猫にとってはケージも猫ベッドもおもちゃも、何もかも初めて見るもの。とりあえず何でもかじってみるのです。

この時の子猫の癖が残っていると、成猫になっても「かじってみる」という行動が「甘噛み」となって出る子がいます。

甘噛みは愛情表現

親子で保護した子たちの様子を見ていると、甘噛みは愛情表現です。母猫は子猫の首根っこを咥えて移動させますし、子猫に対して甘噛みもします。噛んでくる子猫に対しても決して邪険にせず、かえってかわいがってあげる様子が見られます。

子猫にとって、甘噛みされることは母猫からの愛情表現であり、子猫が母猫を噛むのも愛情や甘えからです。甘えから、ゴロゴロと喉を鳴らしながら甘噛みすることもあります。甘えて噛んでくる場合は、優しくゆっくりと噛んでくることが多いです。甘噛みは猫のコミュニケーションの一種といえるでしょう。

大人になると甘噛みをほとんどしなくなる子もいますが、してくる子の多くは、抱っこされたり撫でられたりしているときにこの行動が出るように思います。つまり甘えているときですね。これは、飼い主さんに子猫のときのように甘えているからです。ちなみに、噛む代わりに口や牙を擦り付けてくるという行動をとる子もいます。状況から見ると、甘噛みの代わりにそうしているのだと考えられます。

獲物に対する反応

子猫

動いている飼い主さんの手を甘噛みしてくるときは、ひらひら動く手に狩猟本能が刺激されてしまったときです。猫は野生の性質を残したまま人間と暮らすようになった動物です。犬よりも狩猟本能は強いといえるでしょう。

経験の浅い子猫のときは、動くものにはなんでも興味を示しますね。特に不規則に動くものは、生き物を連想させるので猫は飛びついてきます。飼い主さんの手にも獲物として反応して、噛んでしまうのです。

子猫のときに飼い主さんの手で遊ばせていると、大人になってからもその楽しさを覚えていて、繰り返し噛んでしまうことがあります。子猫はほんのちょっとの動きにも反応するので、子猫と遊ぶのは楽しいですし、子猫のほうも不規則な動きをしてくれる飼い主さんの手で遊ぶことは大好きです。

しかし、子猫のときはよくても、大きくなってからも同じように手を獲物に見立てられて、じゃれて噛まれるのは、飼い主さん的にはかなり大変です。このときの噛む強さは、甘えて甘噛みしてくるときよりも強い傾向があります。飼い主さんの手だと分かっているので本気ではありませんが、手に跡が残るくらいの強さで噛んでくることもあるので、かなり痛いことも。飼い主さんの手で遊ばせるのはやめたほうが良いでしょう。

かまってほしい

飼い主さんにかまってもらいたいときに甘噛みをしてくる子もいます。猫は自分が甘えたくなったら、飼い主さんにかまってもらうためにいろいろな行動に出ますが、噛むことで注意をひこうとする子もいるのです。かまってほしいのに振り向いてくれないから業を煮やして噛んでくるといった感じです。このときは、噛まれると結構痛いことが多いです。

嫌だという意思表示

猫をかまっているときに飼い主さんをがぶりと噛むときは、「やめて」という意思表示でしょう。このときは強めにがぶっと噛んできますし、目が吊り上がって不機嫌な表情です。自分で「なでろ」と言ってきたのにガブリ…なんだか理不尽な気がしますが、それが猫という生き物です。

甘えていたのに突然ガブリと噛んでくることを愛撫誘発性行動(Petting-induced aggression)といいます。この行動は出やすい子とそうではない子がいますが、筆者が観察したところによると、これは完全に性格の差なので、どの猫にでも見られるわけではないようです。

猫をかわいがっていたのにガブっときたら「嫌だ」と言われている証拠なので、早めに手をひっこめたほうが良いですね。猫の不機嫌な表情は、耳が平らになって(通称:イカ耳)、目が吊り上がってきたり瞳孔が開いてきたり、鼻にしわが寄ってきたりしますので、猫を愛でているときにそんな様子が見られたら、ガブリとされる前にやめましょう。

あまりにもこの愛撫誘発性行動がみられるときには、猫のかわいがり方が下手なのかもしれません。知り合いの猫好きさんにかわいがり方のアドバイスをもらっても良いかもしれませんね。


猫が「甘噛み+猫キック」をしてくる理由

猫の親子

甘噛みにプラスして猫キックをしてくる子もいます。この行動は子猫がすることが多いのですが、大人になってもしてくる場合は、まだまだ子供っぽい心が残っているか、飼い主さんを遊び道具だと思っている可能性があります。大人になってからの「甘噛み+猫キック」は痛いのでやめさせたほうがいいでしょう。

足を噛んでくるのはなぜ?

猫

特に子猫が足を噛んでくるときは、飼い主さんの足だと分かっていない場合が多いようです。筆者も保護した子猫に、よく足の指を甘噛みされます。足の指が動くのが面白い、そして筆者の手や顔から距離があるので、どうも筆者の一部だと分かっていないときもあるようです。

なぜなら足を噛む子猫に顔を近づけて「痛いっ」というとびっくりするからです。大人になって足を噛んでくるのは、気をひきたい場合が多いようです。

甘噛みはやめさせるべき?

甘噛みする子猫

甘噛みはやめさせたほうがいいのでしょうか。一般的には、甘噛みはやめさせるべきといわれています。甘噛みを許していると、増長して本気で噛んでくるからです。加減をせずに甘噛みをすることを放置していると、猫はそれが許されていると思いますし、大きくなるにつれて力も強くなり、かなり強い力で噛んでくることもあります。ですのでその傾向があるときはやめさせたほうが良いでしょう。

筆者は、強く甘噛みしてくる子はやめさせるようにしています。強い甘噛みは里親さんに歓迎されませんし、特に猫を初めて飼う人にとっては、強く噛まれることは恐怖です。甘えからくる甘噛みであればほとんどの場合やめさせることができます。

しかし中には、ものすごく上手に甘噛みしてくる子もいます。小さい子猫でありながら、まったく痛くなく、優しく噛みながらうっとりした表情を浮かべられると、こちらも叱ることができません。猫の歯は、牙は鋭くても他の部分はとても小さく、特に牙の横の部分はほとんど歯がありません。上手な子の中には歯がほとんどない部分で噛んでくる子もいます。どうすれば痛くないのか分かっているのですね。

筆者は、甘噛みの加減が下手な子、乱暴な子には甘噛みをやめさせるようにしますが、そうではない子には許しています。大人になってもひざの上でまったりしながら、うっとりと筆者の指を噛み噛みしている様子を見ていると「母猫に甘えていた頃の気分に浸っているのかも」と思います。筆者が終生保護している子の中にも、痛くなく甘噛みしながら甘えてくる子がいますが、させたいようにさせています。

甘噛みをやめさせるには

猫

強く噛んでくる、噛んでいるうちにエキサイトしてくるなどの様子が見られるときは、甘噛みをやめさたほうがいいでしょう。

親子・兄妹で育てる

親子兄妹で育つと、遊びや日々の暮らしの中で、噛む力加減や周囲との関わり方を学びます。しかし、筆者は保護活動をしているのでいつも幼い子猫の面倒を見ていますが、母猫が教えるようなことを教えてあげられません。

筆者が保護した子は、たとえ1匹で捨てられていても、他の子猫や成猫と関わりを持つことができますが、そうではない場合は加減を自然に学ぶことは難しいでしょう。特に生後2カ月~3カ月の時期は、基本的な社会性をたくさん吸収する時期です。この時期は親子兄妹と一緒に過ごせるようにするのが理想的です。

「痛い」と知らせる

甘えて噛んできているときは猫には悪気は全くありません。「痛い」と大きめの声で、不快であることを伝えましょう。信頼関係があればたいていこれでやめてくれます。しつこく噛んでくるときは、猫を無視してその場を離れましょう。

特に手を遊び道具として噛んでくるときは次第にエキサイトすることもあるので、猫の気持ちをクールダウンさせる意味でも、その場を離れたほうが良いでしょう。

霧吹きを使う

「痛い」と言ってもなかなかやめてくれないようなときは、霧吹きを使って猫に水を吹きかけます。通常の霧吹きだと大きすぎるので、100均で購入できるような香水用のアトマイザーなどを使うと良いでしょう。

注意点として、飼い主さんが吹きかけたと猫にバレないように、猫の後頭部より下の背中などの後ろの部分に吹きかけましょう。猫は水が嫌いなので敏感に反応します。「噛む=嫌なことがある」と認識するとやめてくれますが、猫に飼い主さんがかけたというのがわかってしまうと、猫との信頼関係が崩れてしまいますので気を付けましょう。

噛まれた指を口に押し込む

甘噛する黒猫の赤ちゃん

指をかまれたら、引っ込めるのではなく指を口の中に押し込みます。口の中に指が入ってくるのは猫としては予想外ですし、不快なので噛むのをやめてくれます。数回繰り返すと「噛むと不快な思いをする」と理解するので噛まなくなります。

怒っても効果はない

猫が痛く噛んできたら怒りたくなる気持ちはわかりますが、怒られたらその場では逃げて行くかもしませんが、簡単にはやめてくれません。また、甘噛みするたびに怒っていたのでは、信頼関係にヒビが入りかねませんね。猫に噛まれても怒鳴ったりせずに、他の方法を試しましょう。

甘噛は始めたときからしつける

5匹の子猫

猫にとっての甘噛みは、愛情表現であることが多い
痛みを伴う程の甘噛みはやめさせるべき
その子に合ったやり方で、甘噛みをやめさせるしつけをおこなう

猫はしつけが難しいので「猫にして欲しくないことはできないようにする」のが基本です。しかし、甘噛みはある程度しつけが可能です。飼い主さんの対応次第でやめさせることができますので、なぜ猫が甘噛みするのかを考えて対処してあげると良いですね。

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