猫が甘噛みする理由とは?しつけ方法やキックする場合などを解説
猫の甘噛みは、ゴロゴロと喉を鳴らしながら甘えてくる分にはかわいいですが、痛みを伴う甘噛みやキックは「かわいい」と思えることばかりではないでしょう。猫の甘噛みはどこまでさせて、どこからやめさせるべきなのでしょうか?今回は、猫が甘噛みする理由や対策などを紹介します。
猫が甘噛みする理由
子猫は甘噛みするのが普通
子猫は基本的に甘噛みする生き物です。子猫は遊ぶことによって、自分の生きる世界のことを学んでいきます。人間の子供と同じように、子猫もとりあえず何でもかじってみます。子猫にとってはケージも猫ベッドもおもちゃも、何もかも初めて見るもの。とりあえず何でもかじってみるのです。
この時の子猫の癖が残っていると、成猫になっても「かじってみる」という行動が「甘噛み」となって出る子がいます。
猫の甘噛みは愛情表現
親子猫の行動を見ると、猫の甘噛みは愛情表現のひとつといえます。母猫は子猫の首根っこを咥えて移動させますし、子猫に対して甘噛みもします。噛んでくる子猫に対しても、決して邪険にせず、かえって可愛がる様子が見られます。
子猫にとって、甘噛みされることは母猫からの愛情表現であり、子猫が母猫を噛むのも「愛情」や「甘え」からです。
甘えて噛んでくる場合は、優しくゆっくりと噛んでくることが多いです。甘噛みは猫のコミュニケーションの一種といえるでしょう。
獲物に対する反応
動いている飼い主さんの手を甘噛みしてくるときは、ひらひら動く手に狩猟本能が刺激されてしまったときです。子猫のときは、動くものにはなんでも興味を示します。特に不規則に動くものは、生き物を連想させるため、猫は飛びついてきます。飼い主さんの手にも獲物として反応して、噛んでしまうのです。
手遊びは、子猫のときはよくても、大きくなってからも同じように噛まれてしまうので、飼い主さんの手で遊ばせるのはやめたほうが良いでしょう。
かまってほしい
飼い主さんにかまってもらいたいときに甘噛みをしてくる猫もいます。猫は自分が甘えたくなったら、飼い主さんにかまってもらうためにいろいろな行動に出ますが、噛むことで注意をひこうとする子もいるのです。
かまってほしいのに振り向いてくれないから業を煮やして噛んでくるといった感じです。このときは、噛まれると結構痛いことが多いです。
嫌だという意思表示
猫をかまっているときに飼い主さんをがぶりと噛むときは、「やめて」という意思表示です。このときは強めにがぶっと噛んできますし、目が吊り上がって不機嫌な表情です。自分で「撫でろ」と言ってきたのにガブリ…なんだか理不尽な気がしますが、それが猫という生き物です。
猫が「甘噛み+猫キック」をしてくる理由
甘噛みにプラスして猫キックをしてくる子もいます。
この行動は子猫がすることが多いのですが、大人になってもしてくる場合は「まだまだ子供っぽい心が残っている」か「飼い主さんを遊び道具だと思っている可能性」があります。
大人になってからの「甘噛み+猫キック」は痛いため、早めにやめさせたほうがいいでしょう。
猫の甘噛みはやめさせるべき?
一般的には、甘噛みはやめさせるべきといわれています。甘噛みを許容していると、増長して本気で噛んでくるためです。
しかし筆者は「甘噛み=やめさせる」ではなく、強く甘噛みしてくる子はやめさせるようにしています。
甘噛みをする猫のなかには、上手に甘噛みしてくる子もいます。子猫でありながら、まったく痛くなく、優しく噛み噛みされると、こちらも叱ることができません。
猫の歯は、牙は鋭くても他の部分はとても小さく、特に牙の横の部分はほとんど歯がありません。上手な子の中には歯がほとんどない部分で噛んでくる子もいます。どうすれば痛くないのか分かっているのですね。
猫の甘噛み対策
親子・兄妹で育てる
親子兄妹で育つと、遊びや日々の暮らしの中で、噛む力加減や周囲との関わり方を学びます。特に生後2カ月~3カ月の時期は、基本的な社会性をたくさん吸収する時期です。この時期は親子兄妹と一緒に過ごせるようにするのが理想的です。
「痛い」と知らせる
甘えて噛んできているときは猫には悪気は全くありません。「痛い」と大きめの声で、不快であることを伝えましょう。信頼関係があればたいていこれでやめてくれます。しつこく噛んでくるときは、猫を無視してその場を離れましょう。
霧吹きを使う
「痛い」と言ってもなかなかやめてくれないようなときは、霧吹きを使って猫に水を吹きかけます。通常の霧吹きだと大きすぎるため、100均で購入できるような香水用のアトマイザーなどを使うと良いでしょう。
\Attention!/
注意点として、飼い主さんが吹きかけたと猫にバレないように、猫の後頭部より下の背中などの後ろの部分に吹きかけましょう。猫は水が嫌いなので敏感に反応します。「噛む=嫌なことがある」と認識するとやめてくれますが、猫に飼い主さんがかけたというのがわかってしまうと、猫との信頼関係が崩れてしまいますので気を付けましょう。
噛まれた指を口に押し込む
指をかまれたら、引っ込めるのではなく指を口の中に押し込みます。口の中に指が入ってくるのは、猫としては予想外ですし、不快なので噛むのをやめてくれます。数回繰り返すと「噛むと不快な思いをする」と理解するので噛まなくなります。
猫の甘噛みは始めたときからしつけましょう
猫にとっての甘噛みは、愛情表現のひとつです
痛みを伴うほどの甘噛みはやめさせるべきです
その子に合ったやり方で、甘噛みをやめさせるしつけを行いましょう
猫はしつけが難しいため「猫にして欲しくないことはできないようにする」ことが基本です。
しかし、甘噛みはある程度しつけが可能です。飼い主さんの対応次第でやめさせることができるため、なぜ猫が甘噛みするのかを考えて対処しましょう。