チュートリアル徳井さんインタビュー「ペットを飼う良さより、うかつに飼う危険さを伝えたい」
猫好き芸能人として知られるお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さん。2014年から2匹の猫を迎え、ラジオやテレビ番組で愛猫とのノロケを披露することも。最近では動物番組でMCも務めています。今回はそんな徳井さんにペトことが独占インタビュー! 猫や犬など動物がたくさん身近にいたという子ども時代の話から、徳井さんの考える「猫を飼うこと」まで、丸ごと猫のことについて語っていただきました。
14匹の猫に囲まれて育った子ども時代
――現在は2匹の猫と暮らしているそうですね。
アメリカンショートヘアのミコ(ミコライオ)と、アビシニアンのエル(エルドレッド)ですね。僕が広島カープのファンなんで、当時の助っ人外国人の名前を付けました。エルドレッドはまだいますけど。徳井さんとミコちゃん(左)、エルちゃん
――どういう経緯で迎えたんですか?
東京に出てきてからペット禁止のマンションで、出てきたばっかりでペットを飼う余裕も無かったんです。でも何回か引っ越してたらペットOKのマンションになって、仕事も何となく余裕が出てきて。「ここのマンション飼えるんやー」っていう状況の中で、近所にあったペットショップにふらっと入って……。「やってしまった」って感じです。なんかねえ。同じエリアで転々と引っ越してたんで、そこにペットショップがあることはずっと知ってたんですよ。「あるなあ」みたいな。でも、ペットショップに入ると切ない感じもあったりするんで、スルーしてたんです。けど、なんかね。その時ふらっと入ってみたんですよ。
ほんなら、ミコのほうがケージの中でババっと来て……。みたいな。エルとどっち飼おうか散々迷ったんですけど、2人のほうが寂しくなくて、遊べるかなって思って2匹同時に迎えました。
――猫は昔から身近にいる存在だったそうですね。
実家が京都で、家の近くにけっこう野良猫がいたんですよ。その猫たちにオカンがご飯あげてて。そしたらどんどん家に入ってくるようになって、半分家猫みたいな感じで14匹くらい出たり入ったりしてましたね。今みたいに、「ペットをめちゃめちゃ大事にする」みたいな文化じゃない頃の関わり方でしたけど、そのうちの1、2匹くらいは完全に家猫みたいになってましたね。猫の名前は一応全部付いてましたよ。色で呼んだりとか、おじいちゃんだから「おじいちゃん」て呼んだりとか。犬も鳥もいたので、割と身近に動物がいるのが子どもの頃でしたね。
それから20代半ばくらいになって、そのときやってたラジオのスポンサーにペットショップが入ってたんですね。それで何周年記念かみたいので、「リスナーに猫をプレゼント」みたいな企画があったんです。ロシアンブルーの子。で、滋賀県の人がそれに当たって、「おめでとうございます」言うたら、「やっぱり私猫飼えません!」って。「ほな俺もらいます!」って。その猫、子猫っていうより若干大きくなってて行き場ないって話で。それで飼ってました。リンちゃんて子でした。
ミコとエルと徳井さんの生活
――ミコちゃんとエルちゃんはどんな子たちですか?
ミコは誰が来ても逃げも隠れもせず懐いていくタイプですね。前にうちでクリスマスパーティーしてみんなで飲んでたとき、「輪になって空気椅子をすると倒れない」みたいなのあるじゃないですか(※)。あれを8人くらいでやってたんです。で、輪になってワーって言ってるその輪の中心で寝てたんですね。うちの猫は。すごいなーって。初めて見る人間いっぱいて、寝てられるんだこいつっていう感じで。すごく肝の座ったやつです。エルのほうもそんなに猫としては警戒心が強いって感じではないんやけど、ミコに比べると慣れるまでちょっと時間が掛かるくらいですね。2匹同士はメス・メスなんで、なんかめちゃくちゃ仲ええっていうよりは、小さい頃からずっと一緒にいるんで姉妹みたいな感じですね。
※参考:「20 Student Chair Trick」(YouTUbe)
ミコ&エル(2016年5月撮影)
――家ではどんなおもちゃで遊ぶんですか?
ミコもエルも小さい袋にいっぱい入ってるようなネズミとか好きですね。でも、いろいろ買ったやつがあるのに、結局ただのヒモが一番好きですね。ただのヒモとペットボトルのフタ。結局これが一番好きですね。あとキャットタワーは家にあるんですけど、キャットウォーク作りたいですね。けっこう考えたんですよ。無印良品のボックスみたいなのを部屋のあちこちに積んで、その上を板でつなげるっていうのやろうかなとか、いろいろ考えたんですけど、なかなか実行できず。マンションじゃなければそういう家作りたいですね。猫用の出入り口があるやつとか。
――お風呂に猫が入ってくるそうですね。
特にミコのほうがお風呂でむちゃくちゃ甘えたがるというか。「お風呂の時間=甘える時間」みたいな感じで。湯船にフタ置いて、ミコはそのフタに乗って、延々と僕の顔をなめるっていう。エルも来るんですよ。来るんですけど、エルはお風呂の水をぱちゃぱちゃしてて。とにかくミコのほうがひっきりなしに顔なめてくる。お風呂だけじゃなくて、寝る時も顔なめてくる。こんな顔なめてくる猫初めてやなっていう。愛おしいけど、痛いですね。猫の舌ざらざらやから。――それぞれどんなところが好きですか?
ミコに関しては、とにかく「顔をなめさせろ」って目で訴えてくるんですよ。特にお風呂のとき。それがかわいい。エルはアビシニアンなんで、すごくスタイルが良くって、本当に座ってるだけで絵になるというか、座ってちょっと遠くを見てる仕草がすごく綺麗ですね。休日に近所のコーヒー屋さんでカフェオレ買ってきて、猫を見ながら飲むとかしてますね。アビシニアンのエルちゃん(2015年6月撮影)
飼いたいと思ってる人たちに伝えたいこと
――猫と暮らすようになって仕事の変化はありましたか?
生活の中に猫がいるのが普通だったんで、割と影響は受けてないですね。あ、こないだ猫好き会やりましたよ。坂本美雨さんとご飯食べました。猫は(犬みたいに)連れて来られへんし、猫好きじゃない人もいて、まあ大して猫の話はしてなかったんですけどね(笑)。坂本美雨さんとは猫つながりで、坂本さんのラジオに呼んでもらったりとか、『生き物にサンキュー!!』出てもらったりとか。いろいろ猫関係ではお仕事一緒になることがあって、その流れですね。――猫好きとして知られてますが犬も好きなんですよね。
そうですね。子どもの頃に犬も飼ってたので、割と両方わかりますね。犬しか飼ってない人とか猫しか飼ってない人って、片方の接し方しかわからないんですよね。前にうちに遊びに来た女の子がいて、その子は犬しか飼ったことがなかったから犬に接する感じでうちの猫にいったんですよ。犬ならワーって喜んでくれるんやけど、もう猫びっくりして。うちの猫が初めて人に対して「シャーッ」ってなって。その時になんか「あー、俺この子あかんわ」って(笑)。もちろんその子は犬しか飼ってなかったから犬っぽくいってもうて、悪気があったわけではないし仕方ないなっていうのはありますよね。でも動物とか、自分より力が弱いものに対しての接し方というか、気遣いみたいなのができる人のほうがいいかなとは思いますね。――徳井さんにとっての猫とは。
同居人ですかね。なんかあんまりペットに対してヒステリックにもなりたくないし。人んちのペットの育て方にまで口出す人いるじゃないですか。「そんなのやったらダメ!」とか。僕はあんまりそういう感じではないので本当に同居人ですね。めちゃくちゃ癒やされてるってこともないし、すごく良い距離感で。でもやっぱり、そばにいてくれる家族というか。一緒にいるっていうのがすごく温かかったりしますね。――ペットを飼いたいと思ってる人たちにどんなことを伝えたいですか?
このご時世、「ペットを飼う良さ」よりも、「うかつに飼う危険さ」のほうを僕は訴えたいですね。動物番組とかやってると、どうしても(ペットを飼うことを)推奨する形になってしまうんですけど、それで番組を見た子どもが何も考えんと、親に「犬ほしー!」とか「猫ほしー!」とか言って、なんとなく流されて飼っちゃうみたいなのもどうかと思うんで。やっぱり生きてるものは死ぬから、愛情と責任感を持って迎えてほしいって伝えたいかな。関連リンク