犬はミミズの匂いが好き? 体をすりつけたり食べてしまったりする理由とは

雨上がりのお散歩中、犬が突然ミミズの死骸に体をこすりつける姿にびっくりした人もいるのではないでしょうか。中には、ミミズに体をこすりつけるだけではなく、食べてしまう犬もいます。なぜ犬はミミズの匂いが好きなのでしょう? 理由と対処法を紹介します。

犬がミミズにすりすりするのはなぜ?

仰向けになる犬

犬はミミズの匂いが大好き

犬がミミズに引きつけられて、思わず体をすりすりしてしまう理由はズバリ、ミミズの匂いが好きだからです。生きているミミズよりも死んでしまったミミズが大好き。最も犬が好むのは、死んでしまってから少し時間が経ったミミズです。人間としては近寄りたくないものですが、なぜこの状態のミミズが好きかと言えば、犬は腐りかけの臭いにおいが好きだからです。そのため、死んだばかりやすっかり干からびてカラカラになってしまったものより、死んでから少し時間が経過したいわば腐りかけのものにひきつけられてしまうようです。

自分のにおいを消したい

犬がミミズの死骸を体にこすりつけるのは野生時代の本能と関係があります。猫は自分のにおいを極力消して待ち伏せ型の狩りをしていました。犬は自分の体臭を消す努力はしない動物ですが、やはり狩りをして生きていたので自分のにおいがするのでは都合が悪いですね。そこで犬がとった方法が、体に別のにおいを付けることで体臭を消すという作戦です。

犬は人間と暮らすために多くの部分で改良が行われてきました。現在は家族として、人間と暮らしている犬が多いですが、人と暮らすようになった当初は、狩りを手伝ってもらう目的で家畜化されていました。人気犬種のダックスフンドジャックラッセルテリアは、もともとは狩猟犬です。そのため狩りに関する本能は強く残っており、強いにおいで自分の体臭を消したいと思うのは本能なのです。

好きな匂いを付けていると癒やされる

ミミズにスリスリするのは、腐敗臭が犬にとってはかぐわしい香りであり、そのにおいをまとっていると癒やされるからでもあります。臭いにおいの他に犬が好きなにおいの一つに飼い主さんのにおいがあります。脱いだ服の上に犬が寝ていたという経験がある飼い主さんもいるでしょう。筆者の愛犬は筆者が体を拭いたバスタオルにも体をこすりつけるのが好きです。つまり犬は自分が好きなにおいを自分につけることで安心できるのです。

ミミズを食べてしまう子がいるのはなぜ?

犬

ミミズに体をこすりつけるだけでなく、食べてしまう子もいます。普段はドッグフードや飼い主さんが与えた新鮮なお肉を好んで食べているはずなのに、なぜ口にしてしまうのでしょうか。

その理由は、もともと犬は腐肉食者だったためです。野生時代には狩りをして暮らしていた犬ですが、いつも新鮮な肉を食べられたわけではありません。人間は腐敗臭をかなり腐敗が進んでから感じますが、腐敗臭は死後数時間で発生し、人間よりも嗅覚が優れている犬は腐敗臭を感じながら食事をしていました。さらに、もっと時間が経過した肉を食べることもあったでしょう。腐敗臭を不快に感じていたら食事が困難になってしまいます。犬は生きるために腐ったにおいが好きになったといえますね。

ミミズを食べても大丈夫?

笑顔の犬

飼い主さん的には食べてほしくないミミズですが、犬はミミズのにおいを鋭く察知し、あっという間に食べてしまうことがあるかもしれません。これは異常な行動ではなく、あまり心配はいりません。犬がミミズを食べることで体調を崩すことは多くはありませんが、中には下痢嘔吐を起こしてしまう犬もいるかもしれません。

飼い犬には菌やウィルスが付着している生肉は与えないほうがいいという海外の大学の研究もあります。ミミズは食肉用の生肉よりも、もっとリスクが高いものであることは想像に難くありません。

また、ごくまれではありますがミミズを食べることで毛細線虫という寄生虫が移ってしまうことがあるようです。野良猫や外に出る生活をしている猫がミミズを食べたときに感染する事例が多いようですが、犬も感染するリスクはあります。

犬にミミズにすりすりする(食べる)のをやめさせるには?

楽しそうに歩く犬

雨上がりの散歩コースに注意

干からびたミミズに遭遇しやすいのは、ミミズが住みやすい腐葉土のそばのアスファルトです。ミミズは普段は土の中にいる生物ですが、皮膚呼吸をする生物なので、雨が土の中にたくさん浸み込むと呼吸ができなくなり、地表に出てきます。体の多くが水分でできているミミズは、雨が上がった後アスファルトが高温になると干からびてしまうのです。

雨上がりのお散歩コースに注意することで、愛犬がミミズにすりすりするのを避けることができます。アスファルトの遊歩道がある花壇多い公園、草むらや畑が多い場所などを避け、地面が硬い芝生の多い公園や住宅街などをお散歩しましょう。

シャンプーの後に注意

シャンプー後の愛犬は、飼い主さんにとってはいい匂いがしますが、ワンちゃん自身にとっては落ち着かない匂いです。自分のにおいではありませんし、犬が好きなにおいでもないでしょう。そのため、早くシャンプーのにおいを消したい、慣れ親しんだにおいをまといたいという欲求からにおい付け行為に対する欲求が高まる可能性があります。シャンプーと雨上がりのお散歩が重ならないようにするといいですね。

上手な散歩をしつける

犬がミミズに体をすりすりすることを叱ってやめさせるのではなく、ミミズに負けないくらい飼い主さんを好きにさせることです。名前を呼べば意識がすぐに飼い主さんへ戻ることが理想です。ミミズを見て叱るのではなく、ミミズを見つけても「名前を呼ばれたら行かない」「いつもと違う行動をするときは飼い主さんを確認する」などのルール作りをしておくといいでしょう。


犬の習性を理解して

楽しそうに歩く犬

干からびたミミズに体をすりすりする行動は、犬にとっては楽しい行動です。必ずしもやめさせなければいけない行動ではありませんが、衛生面や食べてしまうことを考えれば「いい行動」とは言えないでしょう。犬にとってミミズにスリスリする行動は本能であり、飼い主さんが理解してあげるべき行動です。しつけをするのか、出会わないように対処するのか、愛犬と飼い主さんにとって良い方法を見つけましょう。