【トリマー解説】猫がブラッシングを嫌がる場合の方法を紹介!頻度や噛む対策のおすすめグッズも

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猫は自分で毛づくろいをするからブラッシングはしなくても大丈夫。そんな話を聞くことが多いですが実際そうなのでしょうか? 猫はなぜ抜け毛が多いのか。なぜブラッシングをすることが大切なのか。ブラッシングの必要性や猫用ブラシの選び方なども交えながら、ペットハウス「シアンシアン」オーナートリマーの根本が解説します。

猫のブラッシングのサイクル

寝転ぶ黒猫

猫の毛は、通常「オーバーコート」と言われる太く長い毛と、「アンダーコート」と言われる細く短い毛が生えています。

一般的に春と秋に毛が生え替わる換毛期があるといわれていますが、猫と暮らす方は一年中毛が抜けているように感じる方も多いのではないでしょうか。

日本の猫たちは室内飼いが多く、寒暖差も少ないため、夏毛や冬毛という季節的なものは関係無くなっているからかもしれません。

毛が抜ける理由には、抜け毛のサイクルが関係しています。人間の場合、毛が生え替わるサイクルはかなり長く切らなければどんどん伸びていきますが、猫の毛は一定の長さになると抜け落ちて新しい毛が生えてきます。

常に一定の長さを保つため、古い毛が抜け落ち、新しい毛が生えてくるのです。

ちなみに、人間の髪の毛は10~12万本ほど生えていて、1日に50~100本ほど抜けていると言われています。それに対し、猫は全身で100万本の毛が生えています。人間も10倍の髪の毛が全身に生えていると考えれば、猫の毛が常に抜けているような感じがするのも納得ですね。

猫にブラッシングは必要?


猫と一緒に暮らす中で一番といっていいほど気になるのが「抜け毛」の問題かもしれません。それなら毛が抜け落ちる前にとかして取ってしまえばいいのです。それがブラッシングのメリットの一つです。

ブラッシングを行うことで、さまざまな皮膚や被毛のトラブルに気付くこともできます。

普段からブラッシングをしていれば全身を触れるようになりますし、皮膚に脱毛箇所やしこりなどができたときも気付けますし、毛のもつれなどにも早めに対処することができます。

猫の舌にはブラシのような突起があり、その突起をブラシのように使って毛繕いしたとき、毛をとかすのとともに抜け毛を飲み込みます。

通常の子は毛玉を吐いたり便と一緒に出したりしますが、中には「毛球症」といって毛玉を上手に吐き出せない子もいます。軽度の場合は毛玉除去剤を飲ませることで便と一緒に出させることができますが、重度になると開腹手術を行わなくてはいけない場合もあります。

逆のケースもあって、自分で毛繕いするのが苦手で毛玉ができてしまう猫もサロンには多く来ます。毛玉になるのはペルシャ猫やメインクーンのような長毛種が多いと思われるかもしれませんが、短毛種で毛玉ができる子もいます。

そして意外と多いのが、飼い主さんが毛玉になっているのに気付いていないこと。毛玉は毛先がもつれてなるのではなく付け根がもつれてなるので、一見すると外側はふんわりして見えるというのもあるのかもしれません。

犬の毛玉はブラシでほどくことができますが、少しずつほどくにしても毛や皮膚への負担、痛みを感じることも多くあります。猫の場合は、犬よりも皮膚が薄く、犬のもつれをほどくのに使うブラシは毛玉をほどくために使うには皮膚にかなりの負担をかけます。

毛も細いので、ほどいている間にもつれている毛の大半が抜けたり切れたりしてしまいます。そのため毛玉になってしまうとせっかくのコートをバリカンなどでカットしないといけなくなってしまいます。


猫のもつれと毛玉

毛玉ができてからブラッシングを始めることは困難です。毛玉をほどく行為に対し、猫はなんの幸せも感じません。

来店する飼い主さまからも「毛を短くするのは寒そう」「かわいそう」という意見を聞くことがありますが、毛玉やもつれをほどく行為は猫にとって苦痛でしかなく、放っておけば皮膚が引っ張られ炎症や脱毛を起こしたり、身体の動きも制限されるようになり猫の負担になってしまいます。

そのため、定期的なブラッシングが大切です。一方でブラッシングのやりすぎも皮膚を傷つける可能性があるので、気をつけましょう。

猫のブラッシングの効果


猫は子猫の頃に親猫に全身くまなく毛づくろいをしてもらって、たくさんの愛情を感じながら成長していきます。ブラッシングという行為はそもそも猫に対しての愛情表現であるということを飼い主さまがパートナーとして認識することが大切です。

愛情の押し売りは返って逆効果になってしまうということも考えなくてはいけませんが、猫同士が毛づくろいし合っている光景をご覧になったことはありませんか?

見ている側まで癒やされてしまう毛づくろいという行為。されている側が嫌がったりしていませんよね。子猫は遊ぶことに夢中で親の愛情を嫌がって逃げようとするも、捕まってガシガシブラッシングされ続ける。それでも、「シャーッ!」と怒る子なんていませんし、ちょっと面倒くさそうでもまんざらでもない感じです。

猫のブラッシングを始める時期と頻度

どれくらいの月齢で家に迎え入れたかによっても大きく左右されるので一概に言えませんが、環境に慣れてきたらスキンシップを始め、その一環としてブラッシングを行えるようになっていくのがベストだと思います。

ブラッシングの頻度は、ブラッシングが大好きな子であれば毎日全身をとかしてあげられるのが良いですが、苦手な子や好きではない子であれば、遊んでいるときに毎日ちょっとずつ、ちょっとずつの繰り返しを増やしていき、嫌なことではない頻度を伸ばしていってあげられれば良いと思います。

どんなペースかはその子次第という気持ちが大切です。

猫のブラッシングの仕方、注意点

ブラッシングというと「ブラシでとかさなくてはいけない!」と思われがちですが、自然界に人間が使うブラシはありません。

まずは「身体に触れられることは幸せなこと」ということを伝えてあげることが大切です。いきなり道具を使うのではなく、まずは身体に触られることに慣れてもらうことから始めていきましょう。

撫でることから始めて、全身を触れるようになってからブラシでとかしてあげるようにすると慣れやすいかと思います。

猫がブラッシングを嫌がる・噛む場合のコツ

猫に対して、「嫌がるけど続けることで慣れさせよう」という気持ちで接することは全くの逆効果でしかありません。

嫌がることを何度も繰り返し行うと、どんどん嫌になっていくイメージの方がいいでしょう。

違うアプローチをしてもさらに上回る嫌がり方をする。そして、猫の嫌がり方が手に負えなくなって初めてサロンに行っても、違う環境で知らない人に嫌なことをされるというだけで何の改善にもなりません。

もちろん、サロンでは嫌がることも想定してトリマーが施術を行いますが、一番大切なことは飼い主さまが愛猫に嫌な思いをさせないということです。

もつれをとかそうとして嫌がる場合は、無理をせずに早めにサロンに連れて行くというのも一つの選択肢として必要だと思います。

ブラシを嫌がるアメリカンショートヘア

猫のブラッシングのおすすめグッズ

猫用ブラシの選び方ですが、猫の皮膚はとても薄くて人間より傷が付きやすいので、飼い主さま自身の腕の内側など皮膚の薄いところを試しにとかしてから使うといいと思います。

その時、1カ所を5〜10回ほど同じ圧力でとかしてみてください。その時に痛かったり皮膚に炎症が起きたりするブラシは、使い方を間違っているか、ご自分の手に合っていない愛猫に負担の多いブラシと言えます。



スリッカーブラシ

スリッカーブラシでブラッシングされる猫

ペットショップで勧められるブラシで一番多いのが、スリッカーブラシという細かい針金がたくさん付いたブラシです。

トリマーさんが多く使うブラシですが、猫を扱うプロの方たちは皮膚やコートを傷つける可能性が高いのであまり使わないようです。

スリッカーは、もつれている毛を細かくほぐしたり、濡れている毛をブローしたりするときに使います。毛と毛の間に隙間を空けて空気の通り道を作ることによって、毛を早く乾かすためための道具なのです。

毎日何時間も使っている人だから使いこなせるプロ向けのブラシと思っていただいてもいいかもしれません。

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ピンブラシ

通常の毛をとかすときや、スリッカーと一緒でこちらも毛を乾かすときには活用されます。ただ普段のブラッシングに使うには少しコツがいるブラシです。

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獣毛ブラシ

たわしのような形状のもので、目の細かさなどに結構な差があるため猫種や毛質によっての相性があるかもしれません。皮膚への負担は少なめですが、必要以上に毛を引っ張ってしまうこともあるので見定める必要があります。

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ラバーブラシ

ゴムでできたブラシで、山の数や大きさや角度や太さ堅さなどに大きな差があります。皮膚や毛に対してどのくらいの摩擦があるかを見ながら使用することをお勧めします。

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グローブ状ブラシ

こちらもラバーブラシ同様、皮膚をなでるように使用するものです。毛量の多い猫種や長毛種には合わない場合があるかもしれません。

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コーム

コームでブラッシングされるアメリカンショートヘア

コームはクシが一列に並んだもので、一番スタンダードなブラシと言えます。もつれなどを確認するのに最適なブラシで、コームが通っていれば毛玉はない! と言えます。毎日のボディーチェックに最適なブラシですが、毛玉やもつれがあると引っ張ってしまい負担になってしまうこともあります。抜け毛の処理も少し苦手ではあります。

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抜け毛取りブラシ

金属プレートの一枚刃でできたもので、アンダーコートがごっそり抜けるため人気のあるブラシの一つです。コームに似た形状ですが目が細かく、ご自分の皮膚で体験していただけるとわかりやすいのですが、刃が固く皮膚に負担が強いものが多いです。

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インターネットを見ると「あれがいい」「これがいい」とたくさん出ていると思いますが、それはメーカーの謳い文句であったり個人の感想です。

動物に触れるものは、自分で体感することが一番大切です。ブラシは、飼い主さまと猫が最も感覚を共有しやすいツールの一つだと言えます。

まとめ

撫でられる猫
猫には春と秋に毛が生え替わる換毛期がある
ブラッシングをすることで皮膚や被毛のトラブルの早期発見につながる
毛玉の放置は炎症や脱毛を起こし、身体の動きも制限される
猫の皮膚はとても薄く傷が付きやすい
猫の毛の長さや状態に合わせてブラシを選びましょう
猫には教えるのではなく、自ら学んでもらうことが大切です。そのため、嫌な思いをさせてしまったら同じことをしてもどんどん嫌になってしまいます。

距離を縮めるためのスキンシップが、距離を離してしまうものになってしまっては本末転倒です。猫はブラッシングをされることが大好きになると、ブラシを持つだけで寄ってくる子もたくさんいます。

ブラッシングをする時間がお互いにとって幸せな時間になるように、楽しんでやっていきましょう。