北海道外で寄生虫「エキノコックス」が定着?愛犬の予防ポイントを専門家が解説

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動物から人に感染し、重症化のリスクもある「エキノコックス症」がSNSで話題になっています。

もともとは北海道で注意すべき感染症でしたが、「愛知県で定着した」という新聞記事が掲載されたことで、心配される方が増えています。今回は、愛犬・愛猫や飼い主さんが気をつけるべきことについて、佐藤獣医師の解説も交えながら紹介します。

エキノコックスとは?

北海道立衛生研究所のエキノコックス画像

エキノコックスとは、北海道のキタキツネを主な感染源とした寄生虫です。糞便と一緒に排泄された虫卵が人の体内に入ることで、重い肝機能障害を起こす可能性があります。犬も、感染したネズミを介して感染源となります。

デザイナーの小野と愛犬おこげ

北海道出身の私は、小さい頃からエキノコックスには気をつけるよう言われていました。今も帰省する際は愛犬に予防薬を飲ませてから帰省します。(ペトコトスタッフ小野)


北海道外でも注意が必要な感染症に

先日、「エキノコックスが愛知県で定着した」という新聞記事が掲載されましたが、ペトコト編集部で国立感染症研究所へ確認したところ、「公式には愛知県内で定着したという発表は行っておりません」との回答でした。そこで愛知県衛生研究所にも確認したところ、「2018年に厚生労働省が発表した感染事例から、定着したと考えていいのではないか」という回答を頂きました。

エキノコックスの感染経路

自然界ではエキノコックスの幼虫が野ネズミ(中間宿主)に寄生し、そのネズミを食べたキタキツネや犬(終宿主)が感染します。エキノコックスはキタキツネや犬の体内で成虫になり、糞便と一緒に虫卵が排泄され、それを食べた野ネズミが感染します。これがエキノコックスの生活サイクルです。

エキノコックス感染サイクル

人(中間宿主)へは、キタキツネや犬の糞便から排出された虫卵が水や食物、埃などに混じり、口に入ることで感染が起こります。犬は虫卵で感染しないため、犬から犬への感染はありません。人の体内では成虫にならないため、人から人への感染もありません。

猫も感染する?

猫も終宿主として野ネズミから感染する可能性があります。猫の小腸内ではエキノコックスの発育が悪く、成長して卵を産むことはほとんどないと考えられていました。しかし、北海道では飼い猫の糞便から虫卵から検出されており、人への感染リスクはゼロではありません。

感染したらどうなる?

[犬に感染した場合]

佐藤獣医師によると、犬は基本的には無症状で過ごすことが多く、重症化した場合は下痢が起こります。治療は駆虫薬を使って体外への排出を行います。

[人に感染した場合]

人の体内では発育が非常に遅く、5年〜10数年をかけて徐々に体を蝕んでいきます。最終的に重い肝機能障害を引き起こし、放置すると死に至ります。早期であれば治療薬で成長阻害・増殖抑制ができ、病巣の摘出手術をすることで根治します。

エキノコックスに感染しないために

愛犬・愛猫のエキノコックスの感染予防対策として愛知県衛生研究所・佐藤獣医師による注意点を以下にまとめました。

愛知県衛生研究所より

お散歩時は必ずリードを付け愛犬から目を離さない
ドッグランでは愛犬から目を離さない
猫はネズミを狩る習性があるため室内飼育を徹底する

佐藤獣医師より

定期的に予防薬を飲ませる
お散歩後は手足を綺麗に洗う
野菜をあげる際は丁寧に洗ってからあげる

飼い主さん自身の注意点

愛犬・愛猫の糞便から家庭内で感染しないよう、上記の注意点に気をつけてください。そのほか、キタキツネや野犬の糞便から感染する可能性がありますので、野山に出かけた後は手をよく洗い、山菜や野菜、果物等もよく洗ってから食べるようにしてください。沢や川の生水はきれいに見えても寄生虫や細菌が含まれている可能性があります。必ず煮沸してから飲むようにしましょう。

飼い主に寄り添う犬と猫

今回、愛知県での定着が明らかになったことで不安に思う飼い主さんも多いと思います。エキノコックス症がどんな病気で愛犬・愛猫や飼い主さんがどんなことに注意すればいいのか、正しい知識で適切に予防・対処をしていきましょう。

参照: