ペットの飼育率と推移 〜日本は都道府県別に、世界は国別に〜
近年、日本ではペットの数が子供の数を上回るようになりました。では、飼育率はどのように変化しているのでしょうか。今回は犬猫ごとに、日本のペット飼育率を都道府県別、世界のペット飼育率を国別で紹介します。
日本におけるペットの飼育率
犬の飼育率推移
(2019年発表)
出典:一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」
日本の犬の飼育率は減少傾向にあり、市場環境としては厳しい状況が続いています。
犬の飼育率減少要因
ペットの飼育に対し「生活に癒やし・安らぎが欲しい」という期待がある一方で、飼育意向を阻害している要因は「住宅」「費用」「世話」の問題です。これらの問題それぞれに解決策が追求され「住宅であれば飼育可能物件の拡大」「お金であれば獣医療費などの可視化」「世話であればシッターシェアリング、代行サービスの拡大」が進められてきました。
一方でフードやケアの高級化が進むなどペットの家族化が進んだ結果、ペットを大切にする飼育者と非飼育者の価値観に大きなひずみが生まれている現状もあります。このひずみが存在している以上、ハード面の環境整備はなかなか前進しないことが見込まれます。
都道府県別の犬の飼育率
都道府県別で最も飼育率が高いのは香川県です。2位からは三重県、岐阜県、高知県と続きます。東京都は犬の登録数が日本で最も多い一方、人口が多いため飼育率は低いことが分かります。(2019年発表)
※本指標は、厚生労働省が発表している「都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等」を基に都道府県の人口から飼育率を算出しています。正確な飼育率ではないことをご了承ください。
猫の飼育率推移
(2019年発表)
日本の猫の飼育率は横ばい・微増傾向にあり、今後も猫の飼育率は拡大が見込まれます。拡大の要因としては、犬よりも飼育しやすいというポイントがあるのかもしれません。
世界におけるペット飼育率
国別にみた犬の飼育率
国別にみた犬の飼育率では、ペット飼育数ランキングトップ10位までの国の飼育数と人口の割合で算出しています。前述のペットフード協会と違い、世帯数や多頭飼いなどは考慮していませんので、あくまで簡易的な指標であることをご了承ください。
順位からわかることは、飼育数が世界で最も多いアメリカは人口当たりの飼育率は2番目に高く、ペットと人が共生しているという意味でのペット先進国であることが分かります。最も飼育率が高い国はブラジルで、日本は11位でした。
(2015年発表)
国別にみた猫の飼育率
猫の国別飼育率ランキングでは、こちらも猫の飼育数ランキング10位までの飼育率から算出しています。アメリカが最も飼育率が高く、続いてルーマニア、フランスが飼育率が高い結果となりました。日本は猫の飼育率が微増傾向にはあるものの、11位でした。
(2015年発表)
まとめ
日本の犬の飼育率は減少傾向にある
日本の猫の飼育率は微増・横ばい傾向にある
都道府県別で最も飼育率が高いのは香川県
世界で最も飼育率が高い国はアメリカ
今後、日本がペットの飼育率が増加するためには、ペットに対するハード面、ソフト面の拡充が必要になってきます。ハード面では、ペットと暮らす住宅や交通環境の整備、ソフト面では、テックを生かした飼いやすい仕組みづくりが鍵となってくるでしょう。
引用文献
- 一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査(2019)」
- 厚生労働省「都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等(平成25年度~平成30年度)」
- A Guide to Worldwide Pet Ownership,2015/5
更新日:2020年6月30日
公開日:2016年5月28日
公開日:2016年5月28日