日本初の「ペット専用新幹線」は本当にクリーンだったのか?

日本初の「ペット専用新幹線」は本当にクリーンだったのか?

Share!

PETOKOTOはJR東日本スタートアップとタッグを組み、お客さまの愛犬が「手荷物」ではなく「家族」として過ごせる、「ペット専用新幹線」の実証実験を2022年5月21日に行いました。

パナソニック エコシステムズ株式会社の協力のもと、新幹線車内では次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」を設置すると共に、ペットをケージから出して過ごす「ファミリータイム(ケージフリー)」時の粒子数等を計測することにより、定量検証を実施。


検証内容
  • ペット専用新幹線として臨時列車を運行し3車両を活用
  • 1車両のみお客さまと愛犬が乗車する車両として運用・計測

  • 検証前に挙がっていた具体的な課題例
  • 騒音(吠え)、粗相、ニオイ、皮脂・被毛の滞留

  • 皮脂・被毛等に対しての対策
  • 乗車前に全席にシートを被せ、座席に皮脂・被毛の付着を最低限にする準備を行う。また、下車後は特別清掃を入れ、小さなお客さま(犬たち)が触れた箇所の清掃を徹底。

  • 空気質に関する評価項目
  • 空気浄化等の対策を施した車内にペットが乗車・解放した場合も含めた粉塵の発生量の評価、およびニオイ発生量の評価。

  • 使用機器
  • 次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」F-MV4300 6台

    <計測器>
    粉塵量評価:ハンドヘルドパーティクルカウンター 3888(日本カノマックス)
    ニオイレベル評価:ポータブル型ニオイセンサ XP-329ⅢR(新コスモス電機)


検証条件
  • お客さまペット専用車両
  • 今回は2号車をペット専用車両として運用。当日は18組35名の飼い主さまと21匹の愛犬が同乗。

  • 「ジアイーノ」の設置場所
  • ペット専用車両(2号車)の2列目と14列目にそれぞれ「ジアイーノ」を3台ずつ設置。風向きはそれぞれ車両中心部に向かって吹き出すように設置。ホーム入線後車内に設置し、お客様降車直後まで稼働。

  • 計測場所
  • ペット専用車両(2号車)前方、後方、中央付近で粉塵・ニオイを計測。比較対象としてペットが乗っていない車両(3号車)にて同様に計測。

  • 計測タイミング
  • 全部で6回計測
    ・上野駅ホーム上
    ・ホーム入線直後(お客さま乗車前)
    ・お客さま乗車後
    ・ファミリータイム(ケージフリー)中
    ・お客さま降車直後
    ・車両センターでの清掃後


  • 空気質に関する評価項目
  • 空気浄化等の対策を施した車内にペットが乗車・解放した場合も含めた粉塵の発生量の評価、およびニオイ発生量の評価。

  • 使用機器
  • 次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」F-MV4300 6台
    <計測器>
    粉塵量評価:ハンドヘルドパーティクルカウンター 3888(日本カノマックス)
    ニオイレベル評価:ポータブル型ニオイセンサ XP-329ⅢR(新コスモス電機)



検証結果
  • 検証結果①【空気質評価】
  • 今回のペット車両への対策をとった専用新幹線車内では、ケージフリーの時間も、粉塵、ペット臭の発生は抑制


  • 検証結果②【参加者満足度】
  • 乗客の77%が満足し、支払い意欲も通常の2倍。マナー重視する傾向



検証結果①【空気質評価】

本検証では、パーティクルカウンターで0.3µmと0.5µmの大きさの粒子の数を計測しました。ペットの開放・人の活動による粉塵の発生が想定されましたが、ペット同伴乗車でファミリータイム有の2号車と比較対象のペット同伴乗車なしの3号車の粉塵量に明確な差は見られず、今回の対策によって粉塵の発生が抑制されていると推測されます。

また、お客さまの一斉乗車後にニオイの数値が一時的に上がったものの、犬の活動量が増えるファミリータイムにおいては数値は徐々に低下しました。「ジアイーノ」によるニオイの抑制効果もあったと思われます。

検証結果②【参加者満足度】

今回のペット専用新幹線の運行は、軽井沢ペットツーリズムツアー「わん!ケーション」の移動手段として実施しました。参加者の65%はこのペット専用車両への乗車を目的に参加し、開催後のアンケート調査では77%のお客さまが満足と評価しました。また、本ツアーを一般車両・従来ルールで乗車した場合はお一人6,000円程度の支払いとなりますが、ペットフレンドリー車両へ乗車できる場合、85%のお客さまが2倍の12,000円を支払い許容値として指定しました。

また、「公共交通がペットフレンドリーになるために、何が必要だと思いますか?」という設問に対しては、飼い主のマナー向上や導線設計、啓発について多く言及されていました。

  • 「ペット連れの人と普通の乗客の動線をできるだけ分けること(専用車両や専用待合場所など)」
  • 「飼い主さんの他のお客さんに対する気遣い。愛犬のトレーニング」
  • 「世の中の理解と飼い主さんのマナー」


ペットの家族化が注目を集めている昨今、ペットと泊まれる宿やレストランなど、愛犬と家族として過ごせる場所も増えつつあります。しかし公共交通機関は、多様なバックグラウンド・目的を持った方々が日常的に利用している場所です。

ペットが苦手な方・アレルギーのある方にも配慮が欠かせないことを鑑みると、今回ペットフレンドリーな車両として「ペット専用新幹線」の実証実験を実現できたことは、振り返ってみても大きな挑戦であったと感じています。

マイノリティとして捉えられがちな「ペット」という存在は、一緒に暮らす方にとっては間違いなく家族であり、手荷物ではありません。

いろいろな家族のかたちが互いに尊重し合える社会に向けて、今後も「ペットを家族として愛せる世界へ」というPETOKOTOミッションの実現に向けて尽力してまいります。

今回の実証実験におけるJR東日本スタートアップ株式会社さま、パナソニック エコシステムズ株式会社さまのコメントは以下の記事でご覧いただけます。

▶︎「日本初ペット専用新幹線の実証実験結果レポート公開」(PRTIMES)