犬が顎をガクガクと震わせている場合に考えられる原因・病気を獣医師が解説
犬が顎をガクガクと震わせている姿を見たことがありますが? ご飯を食べている時や、口を動かした時に、ガリガリと音がしたり、奥歯を気にするようにガクガクと顎を震わせる動作をすることがあります。今回は犬が顎をガクガクと震わせている場合に考えられる原因と病気を目黒アニマルメディカルセンター/MAMeCの顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
犬が顎をガクガクと震わせている場合に考えられる原因と病気
口腔内や歯の異常
口腔内の異常で顎がガクガクしている場合、考えられる原因は「歯石に歯がぶつかってガリガリと音がしている場合」「歯肉炎などの歯周病による痛みや違和感から症状が出ている」「歯がグラグラしたり抜けかかっているのを気にしている場合」の3点が考えられます。特にこの中で最も多いのは、歯石によるものです。口を動かした時に、多量の歯石がついた歯同士がこすれ合ってガリガリと音がし、また、歯石が邪魔なので奥歯を気にしているような動作をします。
まれに、口の奥や歯の間に異物がはさまったり、歯茎に刺さったりしたことによる痛みや、不快感、かみ合わせが悪かったりすることによって口の動きがおかしくなり、音がする場合もあります。
老犬の場合は加齢に伴い、口や口の周りの筋肉が衰えることによって、顎がガクガクということもあります。その場合は心配する必要はありませんが、判断は難しいのでいずれにせよ病院での検査をおすすめします。
腫瘍
高齢の子では、がんを含む口腔腫瘍も考えられます。腫瘍の場所や大きさにもよりますが、物理的に咀嚼(そしゃく)の邪魔になると症状が出てきます。気になるようであれば、早めに動物病院に行きましょう。
犬が顎をガクガクとしているのは顎がずれているかも?
顎をガクガクと震わせているうちに顎が外れたり、鳴ったり、ずれている場合は顎の関節の問題が考えられますが、まれなケースです。
口が閉じないようであれば、病院に行きましょう。
犬が顎がガクガクしないために日頃の歯磨きで予防しましょう
愛犬が顎をガクガクと震わせている場合、歯石による違和感の可能性が高いでしょう。歯石が溜まると歯周病を引き起こしてしまうので、歯石が溜まる前に日頃の歯磨きで口腔内をケアしてあげることをおすすめします。