猫が伸びるのはどうして? 長く伸びることができる理由や気持ちを解説

猫がぐーんと伸びている姿を見ると、普段よりだいぶ長くなっているのでちょっと驚くことがありますよね。そんな姿を見ると、「本当はこんなに長いんだな」と感心してしまいます。猫はどうしてあんなに長く伸びることができるのでしょうか。また猫が伸びるときはどんな気持ちなのでしょうか。猫が伸びる理由や種類を紹介します。

猫が伸びたり縮んだりできるのはなぜ?



猫はぎゅっと丸く小さくなったり狭い所に入ったりするのが得意ですが、長く伸びることも可能です。体の構造は一体どんな仕組みになっているのでしょうか?

内臓が少なく骨が多い

猫は肉食獣なので、腸が短いです。人間を始めとする雑食の動物やほかの草食動物のように内臓部分が多くないため、内臓を背骨で支える必要がありません。

背骨も柔軟性に富んでいます。猫は「猫背」という言葉があることからもわかるように、背骨が柔らかく曲がります。そのため瞬発力や俊敏性に優れているのです。

また、猫は人間より骨の数が多いです。腰の骨(腰椎)は人間が5つであるのに対して猫は7つあるため、背中をのばしたり縮めたり、ひねる動きが可能です(※1)。また骨と骨をつなぐ役割をするじん帯や椎間板も柔軟性に富んでおり、関節は2倍の長さにまで伸びるとされています。そのため、一つ一つの関節を全て伸ばすと、猫の体は普段よりも2~3割程度も長くなるのです。これに足の長さも加わると、猫が伸びている姿は普段よりも1.5倍くらい長くなっているように見えるのです。

※1:すぎもと動物病院のブログ『腰の骨が6個

皮膚に余裕がある

猫はお腹と首にルーズスキンと呼ばれる、皮に余裕がある部分があります。これも猫の体が大きく伸び縮みできる理由の一つです。


猫が伸びをする理由



猫が体を伸ばすのには理由があるのでしょうか。

身を守るためと狩りのため

現在は人間と一緒に暮らしている猫ですが、猫の祖先は野生種のリビアヤマネコです。リビアヤマネコは現在でも中東からエジプトにかけての砂漠地帯に住んでいる、大きさや外見がキジトラ猫にそっくりな小さな肉食獣です。

小さな肉食獣であるリビアヤマネコは体力もあまりなく、体を小さく縮めて待ち伏せ型の狩りをしますが、現在人間と一緒に暮らす猫の習性もここから来ています(※2)

また猫は小さい動物なので肉食獣ではありますが、自分が捕食される側にまわってしまうことも珍しくありません。狭い場所に身を隠したり、高い場所に登ったりしてから逃げるために、伸び縮みする体が必要なのです。


活動前の準備体操

前足から背中までぐーんと伸ばしてみたり、後ろ足を交互に伸ばしてみたり、猫が体を伸ばす様子がよく見られるのは、昼寝などをした後の起きるときですね。人間も長い間体を動かさないでいると、動き始めに体の動きを良くするために伸びをするとことがありますが、猫も同じです。体を伸ばすことによって血液を循環させ筋肉を伸ばし、体を動きやすくさせているのです。つまり活動する前の準備体操のようなものですね。

柔軟性を保つため

起きたときでなくても、猫はときどき体を伸ばします。歩いている途中でぎゅっと後ろ足を伸ばしてみたり、爪とぎをするついでに背中を伸ばしてみたりすることもありますね。猫は1日の中で何回かこの伸びるストレッチ運動をするのですが、これは体の柔軟性を保つためです。

狩りをしたり、危険回避をするためにも体を柔らかくしておくことはとても大切ですね。現在は狩りをしなくてもいいし、おうちの中で暮らしていれば命を脅かされることはありませんが、野生で生きていた頃の習性が今も引き継がれています。

猫が伸びているときの気持ち

伸びて寝る猫

猫が体を長く伸ばしているときや、体のあちこちを伸ばすようにストレッチのような行動をするときはどんな気持ちなのでしょうか。

リラックスしている

猫が伸びの姿勢をしているときは目覚めた後などの準備運動として伸ばしていることが多いです。人間も伸びをするときは気持ちが落ち着いているときが多いですね。猫もこれから遊んだり、ご飯を食べたりしようというリラックスした気持ちなのです。

安心している

猫が体を縮めているときは一気に力を出そうとしているときで、何らかの緊張状態にあるときが多いです。反対に伸びているときは、即座に俊敏な動きに移行することはできません。つまり、俊敏な動きをする必要がない、安心した気持ちのときに体を伸ばすといえます。眠っているときに大きく伸びるのは、何の不安も感じておらず飼い主さんを信頼しきって気持ちよく寝ている証拠です。

甘えたい気持ち

甘えたいアピールでコロンと横になる猫は多いと思いますが、さらにぐーんと足や体全体を伸ばして、かまってほしいアピールをすることがあります。筆者の愛猫も、甘えたくなると近くへ来てゴロンと横になり体を目いっぱい伸ばしながら「なでなでして~」と言ってきます。また、帰宅したときに筆者にお尻を向けつつ、後ろ足を伸ばして「お帰り~」といってくれる子もいます。

仲良くなりたい

体を伸ばしている間、相手を攻撃することはできません。ほかの猫に対して敵意がないことを示し、仲良くなりたいという気持ちを示すときにも体を伸ばすことがあります。

眠たい

人間も眠たいときに体を伸ばすことがありますが、猫も眠くなったときに体を伸ばします。また、それとは反対にリラックスした気分で伸びをすると、眠くなるときもありますね。

気分を落ち着かせたい

猫は何らかのストレスを感じると葛藤行動をとることがあります。体を伸ばす行為は、そのうちの一つです。この他よく行うものに、自分の体をなめるグルーミングや爪とぎがあります。筆者の愛猫は猫同士の小競り合いなどで筆者に叱られると、体を伸ばすことがあります。きっと筆者に叱られたストレスを発散させようとしているのでしょう。


伸びるのは健康の証

猫が体を伸ばすのは、気持ちに余裕があるときです。一方で体調が悪いと、狭く暗い場所で身を縮めていることが多くなり、伸びをしたり伸びた状態で眠らなくなります。病気が進み、伏せの姿勢をとることも困難になると横になって伸びた状態になりますが、これは本当に具合が悪い末期の症状です。普段から猫ちゃんの様子をよく観察すると、病気の早期発見につながります。

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