猫もやきもちを焼く?赤ちゃんや犬に嫉妬する理由や対処法を解説

人間がやきもちをやくというときは、相手に対して嫉妬することをいいますね。猫がやきもちを焼くことはあるのですが、猫のやきもちは嫉妬というよりも不安な気持ちが強いときです。不安な気持ちでい続けることを放置するとストレスによって病気を招きかねません。人間の赤ちゃんや犬に対してなど、猫がやきもち焼いているときに見せる行動やその理由、対処法について解説します。

猫がやきもちを焼く?

猫

猫も人間と同じように相手にきもちをやくという気持ちを持つことがあるのでしょうか。

やきもちを焼くこともある

筆者は保護活動をしており、たくさんの猫の面倒を見てきましたし、たくさんの猫と関わり合いを持ってきました。また、一緒に暮らしている愛犬がおりますし、保護犬の面倒も何度も見てきました。犬と猫を比べてみると、犬に比べて猫はやきもちを焼く、嫉妬するという気持ちを持つことは少ないように思います。

犬は飼い主に対して非常に忠実な気持ちを持つ傾向があるので、飼い主が他の犬や動物に気持ちを向けると嫉妬心を持ちやすい傾向があるようです。それに比べると猫は「飼い主を独占したい」とか、「飼い主を取られた」と思って嫉妬するという気持ちは少ないように感じます。

しかし全くやきもちをやかないかといえばそういうわけではありません。猫の性格によるところが大きいのですが、「今まで独り占めをしていた飼い主さんに思いっきり甘えられなくなった」などの理由により、その原因である相手に対して嫌悪感を抱くという形でやきもち焼くことがあります。

やきもちというより不安なことが多い

猫は飼い主さんに対する独占欲はそれほど強くありませんので、飼い主さんを独占できないことに対しての嫉妬心を募らせてやきもちを焼くということは多くありません。しかし、反対にこれまでとは違う飼い主さんの様子に対して不安を覚えることは大いにあり得ることです。

猫は「いつもと変わらない自分の世界」をとても大切にする動物です。猫は犬のように何でも飼い主さんを中心に考えているわけではありませんが、飼い主さんは猫にとっては自分の世界を構成する欠くことのできない大事な一部分なのです。

人間であろうと、他の猫やペットであろうと日常に変化をもたらすものが侵入してきて、さらに飼い主さんと猫との関係に変化を生じさせることに対してとても不安を感じてしまいます。


猫がやきもちをやく相手

猫はどのような対象に対してやきもちを焼くのでしょうか。

他の猫や犬

自分がそれまで暮らしていた家に新入りの猫や犬が来ることによって、猫のそれまでの日常は多かれ少なかれ変わってしまいます。そのため他の猫や犬に対してやきもちを焼くことがあります。新しく来た子に対して飼い主さんの注意が向きがちなので、猫は余計に不安な気持ちを感じるでしょう。

人間の赤ちゃん

たとえ飼い主さんの大事な赤ちゃんであっても、猫にとっては見知らぬ人間です。しかも飼い主さんにとってはとても大事な存在ですので、飼い主さんの注意は赤ちゃんに向きますし、猫の生活環境も大きく変わることになりますね。そうすると猫は不安を感じてやきもちを焼くことがあります。

彼氏や彼女

飼い主さんの彼氏や彼女はいつもおうちにいる人ではありませんね。特に猫がその彼氏や彼女に慣れていない最初の時期は、猫にとっては自分のテリトリーに入ってくる知らない人間ですから警戒の対象になります。そして飼い主さんの注意が彼氏や彼女のほうにひきつけられれば、猫はそれに対しても、もちろん不安な気持ちになるのでやきもちを焼くこともあるでしょう。


猫がやきもちを焼くとどんな行動する?

猫

猫がやきもちを焼いたり、不安な気持ちになったりするときはどんな行動するのでしょうか。

飼い主を噛む

猫はやきもちをやくと飼い主さんを噛んでくることがあります。これは本気で噛むのではなく甘噛みや甘噛みよりも少し強い噛み方であることが多いでしょう。猫がやきもちを焼いて飼い主さんを噛むのは、飼い主さんに対して怒っているからではありません。他に注意を向けている飼い主さんの注目を自分に集めたい、かまってほしい気持ちの表れです。

飼い主さんを噛んでまで自分に注目してほし猫は甘えっ子が多く、まだ大人になりきれていない猫や、性格的に子供っぽい性格の猫がしがちな行動です。筆者の保護している猫たちも、自分に注意を向けてほしいときなどに、顔にペタペタと前足で触ってくる子や、ガブリと噛んでくる子がいます。もちろん血が出るほど強くは噛まないのですが、自分に注意を向けさせる程度には強く噛んできます。


不安を感じさせる相手を威嚇する

猫のやきもちは、大部分は日常が変わってしまうという不安から起こる気持ちです。そのためその日常の変化をもたらした相手に対して、威嚇する行動をとることがあります。不安を感じさせる相手に対して、毛を逆立てたり、「シャー」といったりするなどして、ここは自分のテリトリーであると主張するのです。


嫉妬の対象のジャマをする

筆者の家には抱っこが大好きな猫が何匹かいるのですが、その中でも自己主張が強い子は、ほかの子が筆者のひざに座っていると割り込んでくることがあります。すでに自分が筆者のひざの上に座っていて、他の猫が近寄ってくると猫パンチをくりだすこともあります。これは不安に思うというよりも、本来のやきもちを意味する嫉妬からくる行動です。飼い主さんを独占したいという気持ちの表れですね。


じっと見つめる

自己主張が強い子は、筆者のひざに乗りたいときは割り込んできたりすることもありますが、少し遠慮深い性格だと遠くからじーっと見つめていることがあります。猫パンチを繰り出すような真似をすることはできないものの、飼い主さんに気がついてほしい、飼い主さんにかまってほしいという気持ちから飼い主さんをじっと見つめているのです。

鳴く

他の猫やペットなどに集中してしまっている飼い主さんを振り向かせたくて、鳴くこともあります。


いたずらや粗相をする

猫は飼い主さんに注目してほしくてわざと物を落とすなどのいたずらをしてみたり、粗相してしまったりすることがあります。いたずらや粗相で飼い主さんに怒られることはもちろん猫にとっても気持ち良いことではありませんが、無視されるよりも怒られる方を選ぶ子は少なくないのです。

いたずらや粗相までして飼い主さんの注目を引きたがるレベルになると、猫は相当のストレスを感じている可能性があります。


飼い主さんに近寄らなくなる

飼い主さんが他の人やペットなどに注目しすぎて、自分への興味関心や愛情が薄れたと感じると飼い主さんに近寄らなくなる場合があります。あまり自己主張が強くない子や、何度か飼い主さんに自分を見てとアピールしたにもかかわらず無視されると、猫は飼い主さんの愛情を得ることを諦めてしまうことがあるのです。

筆者の知人の愛猫はもともと甘えっ子でおひざに乗るのが好きでしたが、新しく迎え入れた猫もひざに乗ることが好きで、飼い主さんの注目が一時的にその子に向いてしまったために、先住猫が飼い主さんに対して非常に冷たい態度をとり、近寄らなくなってしまったということがあります。新しい猫をおうちに慣れさせるためには、やはりそちらに手間がかかることが多いのですが、それでも先住猫への思いやりやケアは忘れてはいけませんね。


家出をする

新しい猫やペットが来たることで、生活環境が変わることによって猫が家を出て行ってしまうということもあります。これは相手に対してやきもちを焼いて怒って出て行ってしまうというのではなく、自分の大切にしていた世界が壊れてしまい、そこに安心していられなくなってしまったからです。自分の居場所ではないと感じてしまうと、猫はその場所から離れてしまうことがあります。

筆者の知っているこ事例では、やはり新しい猫を向入れたところ、先住猫が家を出て行ってしまい行方不明になってしまったということがありました。もちろんまず第一に猫を脱走させないようにすることが一番大事ですが、慣れ親しんだ家を出て行ってしまうような気持ちにさせないことも大切でしょう。



猫のやきもちが病気を招くこともある

猫

猫がやきもちをやくということはストレスを感じているということです。

猫はストレスに弱い

猫は前述したとおり、毎日変わらない日常を過ごすことを望む動物です。365日変わらない日常を安心して暮らしたいのです。変化を好みません。猫にやきもちを焼かせるような変化はもちろん猫に大きなストレスを感じさせます。

猫を健康で長生きさせるためには、ストレスを感じさせないことだ大事だとされていますね。猫はとてもストレスに弱い動物なので、ストレスによって病気になることもあるのです。


脱毛

猫は大きなストレスを感じると自分の毛をむしってしまうことがあります。筆者の家にいる終生保護猫は成猫で保護したのですが、元の飼い主にネグレクトされた挙句に、置き去りにされたために、保護したときには両側の脇腹の毛を自分で抜いてしまい、地肌が見えるほどでした。

現在では毛を抜いた部分は治りましたが、自分で毛を抜いてしまうということが習慣化してしまい、そのくせは完全には治っていません。やきもちを焼いて自分の居場所がないなどの強いストレスを感じると毛を抜いてしまうこともあります。


嘔吐・下痢

猫はストレスに弱い繊細な動物なのでストレスによって嘔吐下痢が引き起こされることは珍しくありません。猫は吐きやすい動物ではありますが、毛玉を吐くなどの必要があるときではない場合は、やはり体に負担がないわけではありませんので、体に変調をきたすほどのやきもちを焼かせないようにすることは大切ですね。


強いストレスは病気の遠因に

強いストレスを受け続けることは、猫の健康を害することにつながります。一過性の症状だけではなく、重篤な病気を招く可能性もあります。

猫がやきもちをやかないようにするには

猫がやきもちをやかない、ストレスを感じないようにさせることは健康な生活を維持する上で大事なことです。

新入り猫を迎える場合は慎重に

筆者がこれまでご相談を受けた中では、やはり猫がやきもちを焼くのは新しい猫を迎えた場合が多いです。新しい猫を迎えるという選択をしていただくことは、保護活動者としては嬉しいことですし、完全室内飼育だと単調な生活になりがちなので、そこに遊び相手ができることは悪いことではないでしょう。

しかし猫は変化を好まない動物なので、新しい猫が来るということは猫にとっては生活が激変するということです。新しい猫を迎える際には、先住猫の性格をよく検討のうえ、それが猫にとって良いことかどうかを考えて迎えてほしいです。

また筆者は何度も先住猫のいるお宅に保護猫を譲渡してきましたが、ゆっくりと時間をかけて猫たちが少しずつ距離を縮めていくようにすれば、大抵の場合、同居はうまくいきます。いきなり直に会せるのではなく、あくまでもおうちは先住猫のテリトリーであることをふまえて、新入り猫はケージに入れで会わせる、何ごとも先住猫を優先してあげるなど、先住猫の気持ちをおもんばかってあげることが必要でしょう。

徐々に慣れさせる

人間の赤ちゃんに会わせる場合も、彼氏さん彼女さんに会わせる場合も、いきなりでは猫も戸惑ってしまいますし、不安を感じてしまいます。あらかじめ赤ちゃんの匂いがついている布を嗅がせるなどしておくと良いでしょう。

また赤ちゃんや彼氏、彼女と猫を対面させる場合もいきなり長時間ではなく、短い時間から始め、徐々に慣れさせるようにすると猫のストレスが少なくて済むでしょう。

たくさんスキンシップをとってあげる

猫

猫の不安を取り去ってあげる一番の方法は、たくさんスキンシップをとってあげるということでしょう。猫はかまってほしいときには、すごくかまってほしいと思うのですが、四六時中そうしてほしいわけではありません。猫が望んだときに、なでたり、抱っこしたり、遊んだりする時間をとってあげることで十分満足してくれます。

遊んだり、スキンシップを取ったりすることで猫は飼い主さんの愛情を感じることできて、やきもちの気持ちを忘れ、不安を感じずに過ごすことができます。


それぞれの猫と向き合う

筆者は保護活動をしているので、たくさんの猫と暮らしていますが、問題行動は起こっていませんし、だいたい仲良く暮らしています(相性が悪い猫同士で小競り合いになることはあります)。

たくさんの猫がいるのに、やきもちを焼かずに過ごしていられるのは、筆者がそれぞれの猫に向き合ってスキンシップをとり、愛情を伝えているからだと思っています。人間もそうですが、猫も自分だけに対する愛情を確認できれば安心できるのではないでしょうか。筆者は短い時間ではあっても猫1匹1匹に対して、それぞれ向き合うようにし、それぞれの子が好む方法でスキンシップをとるように心がけています。

このとき大切なのは、スマホを見たり、テレビを見たりしながらのスキンシップではなく、本気でその子に集中して可愛がってあげるということです。そうすれば短い時間でも満足してくれます。また、中には自己主張をあまりしない、遠くからじーっと見つめているような遠慮深い子がいますが、そのような子にはこちらから積極的に声をかけたり、なでたりしてあげるなど愛情を示してあげることが大切です。そうすることによって猫は、自分が気にかけてもらっているということを感じられていると思います。

筆者は猫を譲渡する際に、里親さんに「猫は人間が話している内容は分かりませんがどんな気持ちで話しかけられているかわかります。まだおうちに慣れなくて緊張している様子があってもたびたび声をかけてあげてくださいね」とお話ししています。優しい声で愛情をこめて話しかけられれば、自分に悪意を持ってはいないということは伝わります。

猫がやきもちを焼くことはストレス

嫉妬とは不安な気持ちから起こるものです。猫は人間の言葉はわかりませんから、自分の身の回りに起こる変化を感じ取ることしかできません。事情が飲み込めない分、不安は大きく感じるでしょう。

やきもちを焼くということは、猫にとってストレスになります。猫がやきもちを焼いて不安な気持ちになったり、ストレスを感じたりしないように対処してあげたいですね。