猫は雨の日に顔を洗う? よく寝る理由や気をつけたいこと

猫は水が嫌いなことで知られていますが、自然現象である雨も例外ではありません。梅雨をはじめ、雨が多い季節に気を付けて欲しいことや「猫が顔を洗うと雨が降る」といわれている理由について紹介します。実は猫の生態に基づいた言い伝えなのですが、一体どのようなものなのでしょうか。

猫は雨が嫌い?

布団にもぐる黒猫

猫は砂漠出身

人と一緒に暮らしている猫(イエネコ)は世界中にいますが、猫の祖先はリビアヤマネコという野生種の猫です。現在でも中東からエジプトの砂漠地帯に暮らしていて、外見や大きさはキジトラ猫にそっくりです。ペットになったイエネコたちは、キジトラ模様だけでなく茶トラや白黒などさまざまな毛色の子がいますが、猫は今でもリビアヤマネコのDNAを強く受け継いでいます。

リビアヤマネコの身体は、雨がほとんど降らない乾いた砂漠地帯でも生きていけるよう進化してきました。そもそも猫は、雨が多い気候に適した身体のつくりをしていないのです。


猫は水が苦手

猫はペットとして人と暮らすようになり、砂漠地帯以外の世界中のさまざまな場所で暮らすようになりました。それにより、それぞれの地域や気候に適応した身体を持つ猫種が生まれるようになりました。ターキッシュバンのように水遊びが好きな猫種もいますが、基本的には水そのものに対する意識は大きく変化することなく水が苦手です。

犬の被毛は雨や水をはじきやすく、体も冷えにくい構造になっていますが、猫の被毛は犬ほど水分をはじくことができません。水が浸透しやすく、冷えや寒さに強い体の構造でもありません。水に濡れて体が冷えてしまうことは、猫にとっては生命の危険につながりかねないということでもあるのです。


猫は雨の日には元気がない?

雨の日に窓を見つめる猫

猫は雨の日は元気がない、寝てばかりいると感じる方も多いようです。なぜ雨の日に元気がなくなってしまうのでしょうか。


雨の日は出かけたくない

前述した通り猫は水に濡れるのを嫌いますので、お外に出かける習慣がある子でも雨の日にはおうちにいることが多くなります。外に出かける習慣がある子は、おうちの中ではあまり遊ばない傾向があります。そのため、雨でおうちにこもっているときは大人しくしていることが多くなるので、「猫は雨が降ると元気がなくなる」と感じるのではないでしょうか。


雨の日は寝ていることが多い?

雨の日になると愛猫が寝てばかりいると感じる飼い主さんもいるかもしれません。雨の日は猫が活動できない日です。体が濡れることを嫌いますし、濡れて冷えてしまえば体調悪化を招きますから無理はできません。

ペットとして飼われている猫は自分で狩りをして獲物を獲る必要はありませんが、その本能はちゃんと持ち合わせています。雨の日には狩りができず、晴れに備えて休養する日となるので、寝てばかりいる姿を見ることが多くなります。

そもそも猫という名前は「寝る子」から来ているとされるほど、雨の日でなくても寝ている時間が長い動物です。1日に12時間~16時間、またはそれ以上寝る子もいます。猫の寝る時間が長いのは、野生で暮らしていたときには狩りのために体力を温存しておかなければならなかったからです。

猫は肉食獣ですが体も小さく、瞬発力はありますが体力はありません。狩りは野生種の猫にとっては最も大事な活動なので、狩りを成功させるために、体力を温存しています。


完全室内飼育だと影響は少ない

雨の日になると活動が減り、元気がないように見えたり、寝てばかりいたりする姿が多く見かけられる猫ちゃんは、おうちの外に出ていく習慣がある子が多いと思います。筆者は愛猫たちを全て完全室内飼育していますが、猫たちの様子を観察していると、雨だからといって大人しくなったり、寝てばかりいたりするような様子は特に見られません。


猫は雨の日に戻って来ない? 

雨粒のついた窓

外に出る習慣のある猫ちゃんが外出し、雨が降ってきてしまった場合、おうちに帰ってくることが困難になることも考えられます。雨を嫌がる猫はなかなか雨の中をお家まで歩いてくることができないでしょう。小雨程度であれば、おうちを目指して頑張って帰ってくる子もいるでしょうが、近年、多く発生するゲリラ豪雨のような激しい雨の中を移動するのは困難です。雨の日に限りませんが、猫の安全のためにも外に出すことはやめましょう。



猫は雨の日に顔を洗うって本当?

濡れた窓を見つめる猫

「猫が顔を洗うと雨が降る」といわれますが、猫が顔を洗うと雨が降るという説は本当なのでしょうか。そもそも猫は自分の体を自分できれいにする習性があり、毎日何度もグルーミングをします。特に食事の後は顔や前足をグルーミングするので、猫が顔洗う様子はよく見られます。1日に何度も猫は顔を洗いますので、そのたびに雨が降るというのであれば、365日雨が降るということになってしまいます。

猫が顔を洗うと雨が降るといわれる理由として、猫はひげで湿度を感知するので雨が降りそうになるとひげを整えるために顔を洗うということが、理由としてあげられることが多いようです。確かに猫のひげは温度や湿度を感知する役割も果たしている重要な器官であり、特に野生で暮らしていた頃には天気の変化は死活問題でしたから、より敏感だったかもしれませんね。

かつては実際にそのような現象が昔は多く見られたのかもしれませんが、現在完全室内飼育で暮らしている猫たちにはそのような様子は見られないようです。


雨は猫の病気の元

濡れた窓

猫は雨が苦手であると解説してきましたが、猫が雨に濡れてしまうということは病気の元になることもあります。

子猫は体力を奪われやすい

これまで解説してきたとおり、猫はもともと水や寒さにあまり強くない動物です。猫の毛は犬ほど水分を弾くことができませんので、雨などで濡れてしまうと体が冷えやすくなってしまいます。特に体の小さい子猫は少しの雨でも水分が体の熱を奪ってしまい、冷え切ってしまうことは珍しくありません。

筆者が雨の中で捨てられている子猫を保護した際には、すっかり雨に濡れて冷たくなっており、自分ではほとんど動くことさえできない状態になっていました。保護してすぐに体を温めて、病院に連れて行きましたが残念ながら助かりませんでした。雨に濡れてしまうということは、子猫や老猫のように体力がない子にとっては命の危険を伴うことでもあります。


猫風邪をひきやすくなる

通称「猫風邪」と呼ばれる目やにや鼻水、くしゃみなどの症状が出る感染症は、季節の変わり目や寒い時期などは特に発症しやすくなります。雨に濡れて体が冷えるようなことがあれば、成猫であっても体力を奪われ、ウィルスに感染しやすくなってしまいます。


カビが発生することもある

雨が多く降る季節はカビが生えてしまったり、人も食中毒を発症してしまったりするリスクが高くなりますね。梅雨で雨が多い季節は猫も体調不良に陥りやすく、猫の体にカビが生えてしまうこともあります。

以前、梅雨の季節に子猫を保護した際、子猫の体にカビが発生していたことがあります。青っぽいカビで、一緒に捨てられていた兄弟全員にカビが生えていました。獣医師もこのようなカビは見たことがないということでした。

じめじめした季節であること、環境の悪い場所で生活していた可能性が高いこと、十分な栄養が取れていなかった可能性が高いことなどから、通常の健康な子であれば感染しないようなカビの菌に汚染されてしまったのではとのことでした。飲み薬や消毒液を処方してもらい完治しましたが、やはり体力のない子猫の場合は特に梅雨の季節などは注意してあげる必要があるでしょう。

また猫エイズに感染している猫の体にカビが生えてしまったケースもありました。脱毛し、投薬で治すことができましたが、免疫力を考えると今後も気が抜けない状況です。


完全室内飼育をしてあげて

窓を見つめる猫

雨に濡れてしまうことは猫にとってなんのメリットもありません。猫の健康を守るためには完全室内飼育してあげましょう。また完全室内飼育をしていても、梅雨の季節等は体調を崩しやすい子もいますので注意してあげてください。

除湿機を使用したり(湿度は50~60%程度になるように)、家の中にカビが発生したりしないようにこまめに掃除をするようにしましょう。クーラーのドライ機能を使用する際は、お部屋の中が冷えすぎないようにしてあげてください。猫がいる床付近は、温度が低くなっています。床付近に温度計を置くなどの工夫をしましょう。
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