
猫は水が嫌いなことで知られていますが、自然現象である雨も例外ではありません。雨の日に「よく寝る」「元気がない」と感じる飼い主さんもいるのではないでしょうか。その理由や「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えについて紹介します。
この記事のまとめ
- 猫が雨を嫌う理由は、砂漠出身であること、水が苦手なこと、被毛が水をはじきにくいことにある
- 祖先のリビアヤマネコは雨がほとんど降らない砂漠地帯で進化したため、雨に適応していない
- 外に出る習慣のある猫が雨の日に元気がなく寝てばかりに見えるのは、活動を控えているため
- 「猫が顔を洗うと雨が降る」の言い伝えは、ひげで湿度を感知する役割に関係している
- 雨に濡れると体が冷えて猫風邪やカビなどの病気の原因になるため、完全室内飼育が推奨される
猫が雨を嫌いな理由

猫が雨を嫌いな理由には以下の3点が考えられます。
- 猫は砂漠出身
- 猫は水が苦手
- 猫の被毛は水をはじきにくい
猫は砂漠出身
人と一緒に暮らしている猫(イエネコ)は世界中にいますが、猫の祖先はリビアヤマネコという野生種の猫です。
現在でも中東からエジプトの砂漠地帯に暮らしていて、外見や大きさはキジトラ猫にそっくりです。
ペットになったイエネコたちは、キジトラ模様だけでなく茶トラや白黒などさまざまな毛色の子がいますが、猫は今でもリビアヤマネコのDNAを強く受け継いでいます。
リビアヤマネコの身体は、雨がほとんど降らない乾いた砂漠地帯でも生きていけるよう進化してきました。そもそも猫は、雨が多い気候に適した身体のつくりをしていないのです。
猫は水が苦手
猫はペットとして人と暮らすようになり、砂漠地帯以外の世界中のさまざまな場所で暮らすようになりました。それにより、それぞれの地域や気候に適応した身体を持つ猫種が生まれるようになりました。
ターキッシュバンのように水遊びが好きな猫種もいますが、基本的には水そのものに対する意識は大きく変化することなく水が苦手です。雨を怖がるかもしれません。
猫が鳴く場合、鳴き声によっては恐怖心を抱いている可能性もあります。
猫の被毛は水をはじきにくい
犬の被毛は雨や水をはじきやすく、体も冷えにくい構造になっていますが、猫の被毛は犬ほど水分をはじくことができません。
水が浸透しやすく、冷えや寒さに強い体の構造でもありません。水に濡れて体が冷えることは、猫にとっては生命の危険につながりかねないのです。
猫が雨の日に見られる変化

雨の日には元気がなくなる、よく寝るようになると言われている猫ですが、家の外に出ていく習慣がある猫に見られます。完全室内飼育の場合は大きな変化はないでしょう。
猫は雨の日に元気がなくなるといわれる理由
前述した通り、猫は水に濡れるのを嫌うため、外に出かける習慣がある猫でも雨の日には家にいることが多くなります。
外に出かける習慣がある猫は、自宅ではあまり遊ばない傾向があります。そのため「猫は雨が降ると元気がなくなる」と感じるのかもしれません。
猫は雨の日によく寝る傾向にあるといわれる理由
雨の日になると愛猫が寝てばかりいると感じる飼い主さんもいるかもしれません。
雨の日は猫が活動できない日です。体が濡れることを嫌いますし、濡れて身体が冷えれば体調悪化を招くため、無理はできません。
ペットとして暮らしている猫は自分で狩りをする必要はありませんが、その本能を持ち合わせています。
雨の日には狩りができず、晴れに備えて休養する日となるので、寝姿を見ることが多くなります。
そもそも猫という名前は「寝る子」から来ているとされるほど、雨の日でなくても寝ている時間が長い動物です。
1日に12時間〜16時間、またはそれ以上寝る子もいます。猫の寝る時間が長いのは、野生で暮らしていたときに、体力を温存しておく必要があったためです。
猫は雨の日に帰ってこない?
外に出る習慣のある猫が外出し、雨が降った場合、家に帰ってくることが困難になることも考えられます。
小雨程度であれば、おうちを目指して頑張って帰ってくる子もいるかもしれませんが、ゲリラ豪雨のような激しい雨の中を移動するのは困難です。
雨の日に限りませんが、猫の安全のためにも外に出すことはやめましょう。
猫が顔を洗うと雨が降るって本当?

「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えができた所以として、猫はひげで湿度を感知していることが関係しています。
ひげで湿度を感知し「雨が降りそうになるとひげを整える=顔を洗う」ことが考えられます。
確かに猫のひげは温度や湿度を感知する役割も果たしている重要な器官であり、特に野生で暮らしていた頃には天気の変化は死活問題でしたから、より敏感だったかもしれませんね。
かつては実際にそのような現象が多く見られたのかもしれませんが、現在完全室内飼育で暮らしている猫たちにはそのような様子は見られないようです。
雨の日は猫の病気の原因になる

猫は雨が苦手であると解説してきましたが「猫が雨に濡れる」ということは病気の元になることもあります。
子猫・老猫は体力を奪われやすい
先述の通り、猫は水や寒さにあまり強くない動物です。
特に体の小さい子猫や体力のない老猫は、少しの雨でも水分が体の熱を奪ってしまい、冷え切ってしまうことは珍しくありません。
雨に濡れてしまうということは、子猫や老猫のように体力がない子にとっては命の危険を伴うことでもあります。
猫風邪をひきやすくなる
通称「猫風邪」と呼ばれる「目やに」や「鼻水」「くしゃみ」などの症状が出る感染症は、季節の変わり目や寒い時期などは特に発症しやすくなります。
雨に濡れて体が冷えるようなことがあれば、成猫であっても体力を奪われ、ウィルスに感染しやすくなります。
カビが発生することもある
雨が多く降る季節はカビが生えてしまったり、人も食中毒を発症してしまったりするリスクが高くなります。
梅雨で雨が多い季節は、猫も体調不良に陥りやすく、猫の体にカビが生えることもあります。
雨や低気圧で猫がそわそわ・元気がないことがある
雨の日や台風が近づくと、猫がそわそわ落ち着かなかったり、逆にいつもよりよく寝ていたりすることがあります。これは気圧の低下が自律神経に影響すると考えられており、人の「気象病」と同じように体調の変化として現れることがあるとされています。
また、太陽の光が少ない日は活動モードに切り替わりにくく、狩りに向かない天気の日は本能的に体力を温存して眠ることも、雨の日によく寝る一因と考えられています。多くは一時的なものですが、食欲不振やぐったりが数日続く場合は動物病院を受診しましょう。
梅雨を快適に過ごす環境づくり
猫が快適に過ごせる湿度の目安はおおむね40〜60%とされ、梅雨は70〜80%まで上がることもあります。エアコンの除湿機能などで湿度を管理しましょう。猫は汗腺が少なく、毛づくろいの唾液を蒸発させて体温を調節するため、湿度が高いと熱を逃がしにくくなります。
トイレは湿気で砂が固まりやすく臭いもこもりやすいため、こまめな掃除と換気を心がけましょう。
雨の日の退屈・運動不足を解消する遊び
雨が続くと運動不足からストレスがたまりやすくなります。おもちゃで一緒に遊ぶ、キャットタワーで上下運動できるようにする、隠れ場所を用意するなど、室内で体と頭を使える工夫をしましょう。
猫が雨の日に濡れないように完全室内飼育を!

雨に濡れることは猫にとってメリットはありません。猫の健康を守るためには完全室内飼育してあげましょう。
完全室内飼育をしていても、梅雨の季節等は体調を崩しやすい猫もいるため注意してあげてください。