アルビノの猫もいる?白猫との見分け方や寿命などを解説
アルビノといえば、一般的に「真っ白い体」と「目の色が赤」といった外見の特徴が挙げられます。猫の場合、アルビノではない白猫が存在しますが「目の色」「キトンキャップの有無」といった明確な違いがあります。今回は珍しいアルビノの猫のことや、白猫との見分け方などを解説します。
アルビノの猫の基礎知識
英語表記 | Albino Cat |
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寿命 | 野生の場合は短命ですが、完全室内飼育であれば15年前後もあり得ます |
特徴 | 目が赤い/キトンキャップがない |
アルビノとは
アルビノとは、色素が欠乏する障害のために色が白、もしくは著しく淡い色になった動物のことを指します。
アルビノは遺伝子の変異で発症するとされており、突然変異や遺伝によって先天的にメラニン色素が欠乏することで起こります。
肌や毛の色はメラニン色素によって決まりますが、そのメラニンが欠損しているので肌や毛の色は白色化し、目の色素もないために瞳孔が血液の色を反映して赤く見えるのです。
アルビノは人間を始め多くの動物に見られる症状で、発症の確率は非常に低く珍しい存在なのですが、白いカラスや白い蛇、白いハリネズミなどいろいろな種類の動物たちに発現します。
しかし、白い個体は自然界の中では非常に目立つために生存するのが難しいとされています。
動物の中にはそのアルビノを人間によって固定化されたものも存在しています。目の赤いウサギやシロネズミがその例で、人間が飼育品種として確立したものです。
白変種
アルビノと混同されがちなのが白変種です。色は白いのですが、アルビノとは異なり、体毛の色素のみが減少して白くなっているだけなので、メラニンは正常に作用しています。
アルビノは瞳孔も色素がないので赤くなりますが、白変種は目が青や黒など色素を反映した色となります。
白変種ではホワイトタイガーが有名ですが、アルビノではないため体毛は白くても、トラの独特の模様はそのままです。
白い猫が生まれる理由
ときどき目にする真っ白い猫は、アルビノ種ではないことがほとんどです。
真っ白な猫が生まれる原因は、白色遺伝子を保有していることにあります。
白色遺伝子は顕性遺伝子であるため、両親のどちらかが白猫である場合に白猫が生まれる確率が高くなります。
白猫とアルビノの猫の違い
非常にまれですが、アルビノの猫も存在します。「白猫」と「アルビノ」は白いという点では同じですが、明確な違いがあります。
アルビノの猫の目は赤い
アルビノの猫と白猫は外見が似ていますが、白くなる原因が異なります。アルビノの猫は毛以外も色素がなく、目の色は血液の色が透けるために赤く見えます。それに対し、アルビノではない白猫の目は「金色」「青色」「緑色」「茶色」などがあります。
また、左右の目の色が違うオッドアイの子もいます。
アルビノの猫にはキトンキャップがない
キトンキャップとは、白猫が子猫のときに現れる色班のことです。生まれたばかりのごく幼い子猫の体の一部に薄い灰色の斑点が現れることがあり、成長とともに消えて真っ白い猫になっていきます。
キトンキャップは子猫のときにしか確認できないのですが、この斑点が現れるということはアルビノではないという証拠になります。
アルビノの猫は病気になりやすい?
視覚障害
アルビノの猫は目の虹彩も色素がなく、無色透明です。そのためものを見るための光の受容が不十分になり、視力が弱いという障害が出やすいとされています。
紫外線に弱い
紫外線から体を防御するメラニンという色素が、アルビノの猫は欠乏しています。紫外線から体を守ることができないため、日光を浴びてしまうと日焼けによる火傷や皮膚がんを発症するリスクがより高くなります。
アルビノの猫の寿命
アルビノは猫に限らずさまざまな動物で、極めてまれに発現する症状です。
自然界においては真っ白な体は天敵に見つかりやすいうえに、視力が弱いなどの障害が発生しやすいため長く生き残ることが難しくなります。
そのため野生の動物がアルビノで生まれると短命であることが多いといわれていますが、ペットとして飼育される場合は必ずしも短命であるとはいえません。
前述のとおり、アルビノの猫には、視覚障害が出やすい傾向があり、紫外線のダメージも受けやすいです。それらのことを考慮し、完全室内飼育を徹底すればアルビノであっても、トラブルを避けながら生活送ることは可能でしょう。
例え、全盲になったとしても、猫は家具の配置を覚えますし、嗅覚や聴覚も優れているために、おうちの中だけで暮らす分には目が見えなくても快適に過ごすことは十分可能です。
非常に珍しいアルビノの猫
アルビノの猫は遺伝子疾患で生まれてくるためにかなり珍しい存在です。
もしアルビノの猫と出会うことがあれば、おうちの中で大切に飼育しましょう。