犬が陰部をよくなめる場合に考えられる原因や病気、対処法を獣医師が解説

犬が陰部をよくなめる場合に考えられる原因や病気、対処法を獣医師が解説

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犬が体のある一部を執拗になめるのには理由があります。犬の多くは痛み・痒み・匂いのある場所を執拗になめる習性があります。つまり「陰部をよくなめている」ということは陰部に痛みや痒み、匂いがあるということです。男の子と女の子で原因が異なるため、性別ごとに考えられる原因と対処法を、獣医循環器認定医の佐藤が解説します。

男の子・女の子共通で考えられる原因

眠る二匹の犬

泌尿器の病気

膀胱炎や膀胱結石などの残尿感がある場合になめることがあります。


精神的なもの

ストレスや分離不安になった場合にも舐める行動が見られます。

室内やケージにいる時間が長かったり、散歩や運動する時間が少ないとストレスを感じることが多くなりますので、飼育方法を見直しましょう。


男の子の場合の考えられる原因

犬

生理的現象

陰茎の勃起時に陰部をなめるような行動をすることがあります。この場合は生理的な原因のため、特に気にする必要はありません。

生殖器の病気

包皮炎などの生殖器の炎症により違和感を感じた場合になめることがあります。違和感を感じたら早めに動物病院に行きましょう。

女の子の場合の考えられる原因

キャバリア

生理的現象

生理の出血が起こっている時に陰部を舐めている仕草が認められることがあります。この場合は生理的な原因のため、特に気にする必要はありません。

生殖器の病気

卵巣疾患、子宮蓄膿症などにより膣が腫れている場合や膣炎などがある場合に舐めることがあります。違和感を感じたら早めに動物病院に行きましょう。

犬が陰部をなめる場合の対処法

仰向けの犬

まずは陰部をなめる行為が生理的なものなのか、病的なものなのかを見極めることが大切です。その上で、以下の対応を検討してください。

生理的な原因によるもの

生理的なものであれば問題はありません。しかし、女の子の場合、子宮の病気はわかりにくく、正常の発情だと思っていても病的なこともあるため、長期的(2週間以上)継続して出血が見られたり、舐めていたりする場合は動物病院を受診してください。

病的な原因によるもの

病的なものが疑える場合はエリザベスカラーを装着することで悪化を防ぎましょう。根本的解決にはなりませんので、動物病院での治療をおすすめします。

泌尿器の場合

まずは飲水量を増やしてみましょう。それでも改善がない場合は薬を使用する必要があります。また、泌尿器用のドライフードに変更することで改善されることもあります。

生殖器の場合

生殖器のどこの部分をなめているかを観察しましょう。汚れている部分がある場合はコットンなどできれいにしてあげてください。

精神的な場合

何かしらのストレスがかかっている可能性があります。思い当たるストレスは排除し、生活環境を変えてあげましょう。

判断が難しい場合は、はじめに動物病院で「病気が原因ではないか」を確認した上で、対応することをおすすめします。

まとめ

犬
犬が体の一部をなめるのは、そこに痛みや痒み、匂いがあるから
生理的なものや病的なものまで原因はさまざま
長期的に続くようであれば動物病院へ
陰部を舐めるといっても原因は多岐にわたります。放っておくと重症化することもありますので、少しでも気になった場合は、動物病院に相談してみましょう。