【トレーナー解説】犬のカーミングシグナルとは?愛犬のしぐさから気持ちを読み取ろう

【トレーナー解説】犬のカーミングシグナルとは?愛犬のしぐさから気持ちを読み取ろう

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犬は、自分自身や相手を落ち着かせるために「カーミングシグナル」という行動を取ることがあります。「あくび」「体をブルブルさせる」「伏せ」といった日頃よく見かける何気ない行動にも、実は緊張や不安を表す行動が隠れているかもしれません。今回は、犬のカーミングシグナルについて、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

犬のカーミングシグナルとは

犬の横顔

犬のカーミングシグナルは、犬が「自分を落ち着かせる」「相手を落ち着かせる」「敵意がないことを示す」ためにする行動で、犬が不安を感じたり、緊張や興奮したりしているときに見られます。

犬に個体差はなく、カーミングシグナルは犬種を問わず、同じような行動になります。

犬のカーミングシグナルとボディーランゲージとの違い

寝転ぶコーギー

ボディーランゲージとカーミングシグナルは厳密には異なります。

カーミングシグナルは、自分や相手の気持ちを落ち着かせるために取る「行動」です。

一方、ボディーランゲージは、楽しい時や警戒している時などに見られる「体の動き」や「行動」で、耳・口・鼻・目・毛・尻尾・姿勢などを使った全身での感情表現です。

よく見られる犬のカーミングシグナル

口舐め

口舐めする犬
ぺロッと口舐めをする行動です。おやつやごはんの前後によくみられる行動ですがそれだけではありません。

動物病院や初めての場所などで緊張状態のときにも見られます。

あくび

 あくびする犬
あくびは寝起きや眠い時だけでなく、気持ちを落ち着かせる場合にも見られる行動です。

飼い主さんが叱っているときにもあくびをする場合があります。これは、叱られていることからのストレスを和らげようとする行動です。

叱る飼い主さんに対して「落ち着いて」と伝えていることもあります。

視線を逸らす

視線を外す犬
視線を逸らすということは、相手に敵意がないことを示します。

他の犬に吠えられている場合に、顔を背けて目を合わせないようにしたり、飼い主さんに叱られている場合にも、同じように顔を背けたり目を合わせないようにしたりします。

動物が相手の目を見つめ続けるのは、敵意があるときや威嚇行動のときです。

そのため、愛犬をじっと見つめることは、犬にストレスを与える可能性があるため注意しましょう。

身震い

ブルブルする犬
身震いは、水で体が濡れた際に、体をブルブルと震わせる行動です。水や汚れを払う以外にも、体をブルブルさせときは、それまでの行動が終わるときや、ストレスからの解放などにもします。

犬同士の遊びや喧嘩の後や、触られるのが好きではない犬は、飼い主さんが過度に撫で回した後にすることもあります。

座る・伏せる

お座りする犬
「座る・伏せる」は特別意味がない行動でもあるため見落とされがちですが、緊張状態のときに自分を落ち着かせるために取る行動でもあります。

地面の匂いを嗅ぐ

地面のにおいを嗅ぐ犬
匂いを嗅ぐ行動も、自分を落ち着かせるためにすることがあります。

初めての場所や慣れない環境で、地面の匂いを必要以上に嗅いでいる場合は緊張している可能性があるため、少しでも落ち着けるような対処が必要です。

弧を描くように近付く

弧を描くように近付く犬
相手を刺激しないように近付く方法です。自分が警戒しているときや相手が緊張しているときに見られる行動です。

犬のカーミングシグナルとは異なるストレス反応

唸り顔の犬

ストレス反応は、カーミングシグナルの相手や自分を落ち着ける行動と異なり、ストレスを感じたときに出る行動や反応です。食欲不振や下痢、嘔吐などの体調不良も、ストレスからくる可能性があります。

また、足を舐めたりかじったりする行動や、尻尾を噛む、吠えるなどの行動のほか「ストレススマイル」と呼ばれる反応があります。

まるで笑っているように見える表情も、全体的に力が入り引きつった口角や、耳が倒れていたり、目を見開いていたりする場合には、恐怖や緊張など何かしらのストレスを感じていることがあります。

犬のカーミングシグナルを覚えて適切なコミュニケーションを

飼い主と寝る犬

「カーミングシグナル」は、自分や相手を落ち着かせたり、敵意がないことを示すための行動
普段見慣れているしぐさの中に、カーミングシグナルがあることも
ストレスを感じたときに出ることもあるので、よく観察してあげることが大事

動物たちは、非言語コミュニケーションを使ってコミュニケーションを取っています。それは人間に対しても同じで、犬たちはいつも自分の気持ちを伝えてきています。

完ぺきに理解するのはなかなか難しいですが、日頃から意識して愛犬の行動を観察して、少しずつ彼らの「伝えたいこと」を理解するよう心がけましょう。

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