【獣医師執筆】犬にコーヒーは危険!カフェイン中毒の症状や致死量、応急処置を解説

【獣医師執筆】犬にコーヒーは危険!カフェイン中毒の症状や致死量、応急処置を解説

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コーヒーは、犬にとって非常に危険な飲み物の一つです。コーヒーに含まれるカフェインは、心筋と中枢神経系を直接刺激し、カフェイン中毒を引き起こす恐れがあります。今回は犬がコーヒーを口にしたときに起こるカフェイン中毒の症状や致死量、対処法などについて解説します。

犬にコーヒーを与えるのが危険な理由

コーヒー

コーヒーに含まれるカフェインは犬にとって中毒成分であり、危険です。

犬がコーヒーを飲んだ場合の中毒症状

カフェインを摂取すると、軽度の場合は嘔吐や下痢、重度の場合は呼吸の乱れや、痙攣などが考えられます。死に至る可能性もある飲み物ですので、飲まない位置に置くようにしましょう。

  • 頻脈
  • 呼吸促迫
  • 過度の興奮
  • 痙攣
  • 不整脈(心室性期外収縮)
  • 全身性のうっ血、あるいは出血

犬がコーヒーを飲んだ場合の致死量

コーヒー

コーヒーに含まれるカフェインを体重1kgあたり150mg摂取すると致死量だといわれています。そのため、5kgのトイプードルの場合、750mgを摂取すると危険です。これはコーヒーだと500ml飲むと危険ということになります。

つまり、現実的に舐めたくらいだと症状には現れず、死に至る確率は低いですが、危険な成分には変わりません。また、時間が経てば経つほど重症化してしまうため、気づいたらすぐ動物病院に連絡しましょう。

犬がコーヒーを飲んだ場合の対処法・応急処置

笑顔のゴールデンレトリバー

病院に行く前に

飼い主が処置をすることで重病化する恐れもあるため、自己判断せず、必ず動物病院の先生に診てもらいましょう。

的確な診断のためには、飼い主が正しく説明する必要があります。中毒物質の種類の特定と摂取経路を明らかにしておきましょう。

その上で、動物病院へ連絡し、その物のパッケージ(あるいは残っていた物質)を持っていくようにしましょう。また、致死摂取量は体重や状態によって変わるため、少しでも食べた場合は念のため動物病院に電話することを推奨しています。

動物病院での主な治療法

基本的に解毒剤は存在しないといわれていて、治療は苦痛を和らげることを目的とした一時的なものになります。血液検査や尿検査をすることが一般的です。

催吐(さいと)させることは、摂食後数時間(4〜6時間)経過していても効果的とされています。催吐が十分効果的でない場合や禁忌の場合は、胃洗浄が有用とされています。

犬にとってコーヒー以外に危険な飲料

コーヒーを淹れている様子

カフェインが含まれる飲み物は、コーヒーの他、玉露や紅茶、ウーロン茶、コーラなどがあります。

カフェイン含有量(100mlあたり)
  • 玉露:160mg(茶葉10gに60℃の湯60mlを加え2.5分浸出した場合)
  • エスプレッソコーヒー:140mg
  • ドリップコーヒー:135mg
  • インスタントコーヒー:60mg(インスタントコーヒー粉末2gを熱湯140mlに溶かす)
  • 栄養ドリンク:50mg
  • ココア:45mg
  • 紅茶、抹茶:30mg
  • 煎茶、ウーロン茶、ほうじ茶:20mg
  • コーラ:10mg


コーヒー粉・豆もNG

コーヒー豆には重量の1〜2%程度のカフェインが含まれているといわれています。そのため、豆であっても食べさせないようにしましょう。

コーヒーゼリーもNG

コーヒーゼリーにもカフェインは含まれており、100mlあたりの含有量は40mgほどといわれています。ドリップコーヒーなどと比べると少ないですが、食べせないほうがいいでしょう。

コーヒー牛乳もNG

コーヒー牛乳も同様にカフェインが含まれているものはNGですし、牛乳も推奨されていません。


まとめ

犬


カフェインを含むコーヒーは犬にとって危険な飲料
量によっては中毒になる恐れも
コーヒーを口にした場合はすぐに動物病院へ
コーヒー以外にもカフェインを含む飲料は多い
コーヒー味の加工品やコーヒー豆もNG

もし誤って犬がコーヒーを口にしたら、冷静に動物病院に相談をしましょう。

日頃から、コーヒーの管理に気をつけることが大切です。飼い主さんが気をつけていたとしても、好奇心旺盛な愛犬が誤飲をしてしまう可能性はゼロではありません。愛犬が届かない場所に置くようにしましょう。

参照文献


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