猫が電池を誤飲したとき際の危険性や考えられる症状、対処法を解説

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好奇心旺盛な猫たちは、時に「まさか電池を食べるなんて!」という事件を起こすこともあるかもしれません。今回は、猫が電池を誤飲してしまった場合に考えられる症状や治療・対処法について紹介します。

猫が電池を誤飲した際の危険性

猫

光ってコロコロ転がる電池は猫にとって魅力的なおもちゃかもしれません。机の上に置かれていたり、床に落ちていたりといったことは珍しくないでしょう。遊んでいるうちに猫が間違って飲み込んでしまったら大変です。

単四乾電池のような円筒形の電池はサイズ的に猫が飲み込む可能性は低いですが、ボタン電池は猫でも飲み込めてしまうサイズです。猫が電池を飲み込んでしまった場合、運が良ければ体を傷をつけることなく自然に排出されるかもしれません。

しかし、うまく排出できないと体内で火傷になったり、腸閉塞などの深刻な状態になったりする可能性があります。また、遊んでいた際に電池を傷付けていると、触れた皮膚や体内で障害を起こすこともあります。

電池の種類ごとの危険性

電池にはアルカリやマンガン、リチウムなどさまざまな種類があり、危険性も異なります。

アルカリ電池

アルカリ電池は電気を発生させるために「電解液」と呼ばれる溶液が使われています。アルカリ電池に使われる電解液は「水酸化カリウム」で、強い腐食性があるため皮膚に触れると化学火傷を起こしたり、目に入ると失明したりする恐れがある危険な成分です(※1)

マンガン電池

マンガン電池の電解液は「塩化亜鉛」で、アルカリ電池より毒性は低いものの腐食性があります。猫にとって危険な成分であることには変わりません。

リチウム電池

リチウム電池は小型でありながら高電圧なのが特徴です。誤飲した場合、触れた組織が短時間で損傷する危険性があります。9カ月の男児がリチウム電池を誤飲した事例では、電池が触れていた食道粘膜に穴が空いてしまい閉鎖まで2カ月以上かかったことが報告されています(※2)

※参照1:「乾電池の液漏れ」(日本化学工業協会)、参照2:「リチウム電池誤飲による食道異物」(日本小児外科学会雑誌)

猫が電池を食べるとどんな症状が出る?

口腔粘膜の刺激は顕著で、流涕という激しく泣いて涙を流す症状が起こることがあります。また、口腔内潰瘍と火傷がみられる可能性もあり、食道への影響も少なくありません。

痛みや鳴き声、パンティング、腹痛、吐血およびショックという症状が報告されています。気胸や腹膜炎、敗血症、虚脱および死に至る可能性もありますので、猫が間違って電池を食べてしまった場合はすぐ動物病院に行きましょう。

治療法はあるの?

催吐と洗浄は、アルカリ摂取においては禁忌とされています。また、活性炭もアルカリ摂取の場合においては非効果的です。一般的には、内視鏡検査が行われるべきとされています。内視鏡検査は中毒動物が診断されるまで少なくとも12時間以上は遅らせて、それから注意深く行うべきとされていますが、食道の壊死がある場合は中止すべきです。

摂取されたアルカリ電池は、穿孔(せんこう)を防いでしまうため、内視鏡下でできるだけはやく食道から取り除くべきです。もし電池が胃内にあれば、穿孔を起こす見込みは大幅に減少しますが、電池はタイムリーに回収が必要です。

電池の存在部位を特定するために、X線検査を行うこともあります。無理に飼い主さんが取るのではなく、必ず動物病院の先生に診てもらいましょう。

猫が食べてはいけないものを食べた場合の応急処置

猫

獣医師が的確な判断をすることが重要ですので、飼い主さんが正しい説明をする必要があります。まずは中毒物質の種類の特定と摂取経路を明らかにしてください。その上で、動物病院へ連絡し、その物のパッケージ(あるいは残っていた物質)を持っていくようにしましょう。また、致死摂取量は体重や状態によって変わるため、少しでも食べた場合は念のため動物病院に電話することを推奨しています。

参考文献