
犬が蜂(ハチ)に刺されたら?症状や対処法を解説【獣医師監修】
人だけでなく、犬にとっても大敵な蜂。犬が蜂に刺されると、局所的炎症や、最悪の場合アナフィラキシーショックに陥る恐れがあります。ミツバチやアシナガバチ、スズメバチたちは毒を持っているため、愛犬が刺されないよう散歩中やアウトドア中は特に注意しましょう。今回は、犬が蜂に刺された場合に考えられる症状や治療法を獣医師監修のもと、紹介します。
この記事を監修した専門家
獣医循環器学会認定医
佐藤 貴紀獣医師
目黒アニマルメディカルセンター/MAMeCの院長獣医師。獣医循環器学会認定医。専門学校ビジョナリーアーツ ペット学科非常勤講師。麻布大学獣医学部卒業。dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長、白金高輪動物病院院長を経て2011年、中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任(現在は顧問獣医師)。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。
犬が蜂に刺されたら

早急に動物病院へ
犬が蜂に刺されたら早急に動物病院へ連れて行きましょう。蜂に1カ所でも刺された場合、アナフィラキシーショックを起こす恐れがあるため、迅速に動物病院へ行く必要があります。
ミツバチの場合
ミツバチの場合、毒針器官全体が刺した後に体から引き離れ、犬の体に残ることがあります。この毒針器官は毒液袋を収縮し続けることができる筋組織を持ち、より多くの毒液を犬の体に注入するため、注意が必要です。
犬が蜂に刺された場合に考えられる症状

局所的症状
犬が蜂に刺されると、局所的に炎症を引き起こし、痛みを伴います。この場合、通常1時間以内で治まるとされていますが、場合によっては、猛烈な局所的浮腫がみられます。
全身の症状
蜂の毒に「溶血」を引き起こす成分を含んでいる蜂もいます。そのため、溶血(血尿)を引き起こし、肝不全あるいは腎不全が生じる症例もあります。アナフィラキシーショック
急性アレルギー症状の1つであるアナフィラキシーショックは多くの場合「蜂に刺されて2回目に起こる」といわれています。蜂に刺されるのが2回目かつ、いかのような症状が出ていれば、アナフィラキシーショックを引き起こしている可能性が高いため、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
- 複数回の嘔吐、下痢、失禁
- 呼吸困難
- チアノーゼ(舌が真っ青になること)
- 意識混濁・昏睡状態
- よだれを多く出す
犬が蜂に刺された場合の治療法

基本的には対症療法での治療になります。
ショックやアレルギー反応がある場合「輸液」「エピネフリン(アナフィラキシーショック)」および「コルチコステロイド」で治療されることが一般的です。また、抗ヒスタミン剤も使用されることもあります。
状態によっては、入院になる場合もあります。
診察の際は「いつ」蜂に刺されたか分かれば、獣医師に伝えましょう。