高齢者でもペットを飼える? 問題点やメリットなどを紹介

高齢者でもペットを飼える? 問題点やメリットなどを紹介

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高齢化が進む中で、高齢者がペットを迎えることが増えています。高齢者がペットを迎えることには問題点があり、安易に飼うことはおすすめしませんが、最近ではペットと暮らす高齢者を支援する仕組みもできています。高齢者がペットを迎えることは、悪い面ばかりではありません。ただし、正しく飼育し、自分が世話をできなくなっても、その子が幸せに暮らせる準備をする必要はあります。今回は、高齢者がペットと楽しく暮らしていくために知っておくべきこと、注意すべき点を紹介します。

高齢者がペットを飼うメリット

植物と猫

社会とのつながりが増える

ペットを迎えることで、同じ動物種と暮らしている飼い主とのコミュニケーションが増える可能性があります。ペットがもたらすコミュニティによって、生きがいが増えるかもしれません。

セラピー効果が期待できる

動物と触れ合うことの良い点として、アニマルセラピー効果が期待できます。

山口県にある「岩国医療センター」では、アニマルセラピーを導入しており、患者やその家族は癒しを感じ、医療者とのコミュニケーションの改善が得られたと報告しています。

高齢者がペットを飼うことで起きる問題

散歩する高齢者と犬

ペットを迎えるということは命を預かる責任が伴います。時間や経済的な余裕がなければペットを迎えるべきではありません。高齢の方の場合はさらに、自分の体のことも考えなければいけません。

体力低下に伴う飼育の大変さ

飼い主自身の体力が落ちてきて、毎日ペットの世話をするのが大変になることが多いです。散歩に連れて行ったり、糞尿の掃除したりすることは体力が必要です。

さらに、ペットも高齢となると介護も大変です。

体調不良時の預かり先を見つける必要性

自分が検査入院などをする必要になった場合、ペットがいるから入院ができないことも考えられます。

ペットホテルなどで預かってもらうことは可能ですが、長期間だと出費も大きなものになります。周りに預かってもらえる家族や友人を事前に探しておきましょう。

ペットが取り残される可能性

現在の日本において、平均寿命は男性が80歳、女性が87歳とされています。一方で犬の平均寿命は14〜15歳前後のため、もし子犬を迎える場合は犬なら66歳を過ぎてしまえば、ペットよりも先に飼い主自身が亡くなる可能性があります。

それによって、世話をされずに取り残されるペットが生まれる可能性があります。

ペットロスの恐れ

家族の一員として可愛がっているペットを亡くしたとき、その喪失感から体調を崩したり、精神的に滅入る恐れがあります。高齢になると、悲しみが体調不良に直結する可能性があります。

ペットは急な病気や事故で亡くなる場合もありますが、健康でも「高齢になれば必ずその時が来る」ということを覚悟して心の準備をしておくことが大切です。

一人で抱え込まず、誰かに相談したりカウンセリングに頼ったりすることも考えておくと安心です。


高齢者がペットを迎えるための準備

グレーの猫二匹

高齢の方に限った話ではありませんが、突然の事故や病気などでペットとの暮らしが急転してしまうかもしれません。万が一のことに備えて、ペットのことを十分に考えておきましょう。

後見人を見つける

高齢者が犬を飼う上で必要になってくるのは後見人です。保護団体から迎える際は基本的な条件にしていることが多く、ペットショップやブリーダーから迎えるとしても、自主的に後見人を考えておくことは重要です。ただし、安易に後見人を決めてはいけません。

実際に後見人が必要になるのは、後見人を決めてから先のことになります。最初に約束したときは後見人もペットを飼える環境にあったとしても、時間が経てば環境が変わって飼えなくなる可能性があります。

自分自身もそうですが、後見人も先のことは不確実です。安易に後見人の約束をせず、お互いに責任と覚悟を持って約束するようにしましょう。

ただ、いくら確実で安心できる後見人を見つけられたとしても、ペットも飼い主が変われば負担になります。後見人はあくまで、もしもの時の話として、最後まで自分が責任を持って命を預かる覚悟で迎えるようにしてください。

ペットのための遺言を残す

ペットのために遺言書を残しておくことができます。弁護士や行政書士などに相談して、ペットを誰に託すか、ペットのためにどのように財産を残すかなどを整理し、法的に有効な遺言書を作っておきましょう。

また、ペットを他の人に譲り、飼育を託したいと思っている場合は、譲りたい相手の承諾を得ておくことも大切です。

ペットのための信託を利用する

ペットのために信託会社へお金を預けておき、いざとなったら、そのお金をペットのために使用することができる仕組みがあります。

飼い主は、あらかじめペットの世話を誰にしてもらうかを決めておきます。預けたお金は、ペットのために使われます。詳しくは弁護士や行政書士などに相談してみましょう。

高齢者がペットと暮らすための支援サービス

ハイタッチする高齢者と犬

高齢者向け代行サービス

ドッグトレーナーによるトレーニングや、散歩代行、送迎をしてくれるトリミング施設もあります。動物病院へ連れて行くのを支援するペット専用のタクシーも各社から出てきていますので、病院やトリミングサロンへ行く回数を減らないように、愛犬の健康のためにどんどん活用してあげましょう。

ペットと暮らせる老人ホーム

最近ではペットと一緒に入所できる老人ホームもあります。そういった施設では飼い主が先に亡くなってしまったとしても、代わりにペットを最後までお世話してくれる仕組みになっています。

金額的に決して安いとは言えませんが、飼い主もペットも安心して暮らすための選択肢になるのではないでしょうか。

まとめ

老犬二匹


高齢者だからペットを迎えるのはNGというわけではありません
高齢者がペットを迎えることはいくつか問題があります
万が一のことを考えた準備をし、ペットの生涯を考えましょう
ときにはペットサービスを頼りましょう

余生を大好きなペットと共に過ごすことは理想ですが、それは人間側の一方的な話。高齢者がペットを飼うための支援があったとしても、何が起こるか保証できるものはありません。

本当に犬や猫の命に責任を持てるのか、よく考えてから迎えるようにしましょう。人だけでなく、動物も最後まで幸せに暮らせるといいですね。