犬の「伏せ」の教え方!メリットやできない理由などをトレーナーが解説

犬の「伏せ」の教え方!メリットやできない理由などをトレーナーが解説

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犬に教える基礎コマンドの一つである「伏せ」。実は嫌がる・できない犬が多く、難易度が高いコマンドです。今回は「伏せ」のメリットや教え方などを、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

犬に伏せを教えるメリット

伏せをする犬

信頼関係が築ける

「伏せ」に限ったものではありませんが、愛犬と一緒にトレーニングを行うことで、正しい信頼関係を築くことができます。

おやつがなかったり屋外にいたり、周りがどんな状況でも、飼い主が「伏せ」のコマンドを出したら、すぐに伏せができるようになること。

これが飼い主と愛犬の間に信頼関係がある状態です。

落ち着きやすくなる

「伏せ」のコマンドが入っていると、興奮のコントロールができるようになります。

外出時に「他の犬や人に吠える」「ドッグカフェで落ち着かない」といった行動に対しても「伏せ」ができるだけで解消されることも多いでしょう。

「伏せ」の教え方

伏せをする犬

おやつがなくてもできる状態を目指しますが、まず初めはおやつを使ってトレーニングを行います。

Step.1 おすわりの姿勢をつくる

おすわりの姿勢からスタートするために、まずはおすわりをさせましょう。

Step.2 おやつを使って「伏せ」の体勢に誘導する

おやつを見せて「伏せ」とコマンドを出しながら、ゆっくりとおやつを舐めさせていいので、姿勢を低くしていきます。

おすわりの姿勢から立った時は、おすわりからやり直しましょう。

\One Point!/リードを使ってもOK
なかなか「伏せ」の体勢になれないときは、リードを短く持って頭を下げやすいようにしてもいいでしょう。

Step.3「伏せ」の姿勢になったらおやつをあげる

「伏せ」の姿勢になった瞬間に、しっかりと褒めながらおやつをあげます。

Step.4 ジェスチャーを入れる

「伏せ」をコマンドと同時に、ジェスチャーを加えることでわかりやすくしていきましょう。

\One Point!/コマンドは英語でもOK
伏せのコマンドは「伏せ」の他に「Down(ダウン)」など、英語でも構いません。大切なのは、毎回同じコマンドを使って、そのコマンドと取るべきアクションを愛犬に覚えてもらうことです。

Step.5 少しずつ時間を伸ばす

3秒、5秒、8秒、10秒と少しずつ「伏せ」の時間を伸ばしていきます。

Step.6 距離を離れてみる

時間が長くなってきたら、今度は距離を離れてみます。立ち上がったり、少し離れたり動いてみましょう。

おやつをあげるときは、必ず元の位置に戻ってからおやつをあげるようにします。

\One Point!/しっかり褒めよう
できなくても叱ったりせず、焦らず根気を持って少しずつトレーニングしましょう。

昨日できたことが今日できないこともあります。愛犬自身が「楽しんで」学習できるように、しっかりと褒めながら進めていきましょう。

もう一つの「伏せ」の教え方

伏せをする犬

膝立ちして立てた足の下をくぐらせるように「伏せ」をさせる方法も紹介します。基本的な教え方で教えてもできない場合には、ぜひ試してみてください。

  1. 犬におすわりさせる
  2. 立て膝をつく
  3. おやつを指先に持って、犬の鼻先で匂いなどを確認させる
  4. 足と足の間でおやつを持ち、匂いを嗅がせながら、立てた方の足と床の間をくぐるように誘導する
  5. 犬が「伏せ」の姿勢になったらおやつをあげて、しっかり褒める

「伏せ」ができない理由と対処法

伏せをする犬

ご褒美が魅力的ではない

ご褒美としておやつをあげる場合は、愛犬が大好きなおやつを使うことがポイントです。おやつに執着がない子は、愛犬が好きなものや好きなことを、ご褒美としてあげると良いかもしれません。

たとえば、好きなモノとしては「おもちゃ」や「ぞうきん」など、好きなこととしては「一緒に走ること」などをご褒美としても良いでしょう。

安心できない環境にある

「伏せ」は「待て」を教える場合よりも環境が大切な要素となります。

屋外など犬が落ち着けない場所だと、最初はうまくいかないでしょう。反対に、サークルの中やリビングなど、家の中の落ち着ける場所で「伏せ」を教えることで、犬も安心してできるようになります。

しつけは叱らず焦らずゆっくり

伏せをする犬

どんな状況下にいても「伏せ」をできるようにすることが大切です
「伏せ」ができると興奮のコントロールがしやすくなります
「伏せ」には2通りの教え方があります
おやつに興味がない子は、おもちゃでのトレーニングも可能です

犬の「伏せ」は覚えさせるのが難しいコマンドです。

なかなかできなくても叱ることなく、楽しみながら根気強くトレーニングしていきましょう。