犬に「伏せ」を教える方法は? コマンドやできないときのコツをトレーナーが解説

犬に教える基礎コマンドの一つである「伏せ」。これは嫌がる子も多く、実は難易度が高いコマンドです。「おすわり」や「待て」よりもスムーズにいかず、困っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。今回は、「伏せ」が持つ意味や教え方などを、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

犬に伏せを教える意味

伏せをする犬

「"おすわり"と"待て"ができるから、うちの子には「伏せ」を教えていない」という話をよく聞きます。しかし僕がトレーニング依頼をうける際、「伏せ」は重視しています。

「伏せ」は犬にとっては服従の姿勢に近く、なかなかしたがらない子も多いです。特に屋外にいるときや他の人・犬がいる環境で嫌がる傾向があります。

しかし、「伏せ」は問題行動をおさえる一つの手段になります。「嫌がるから"伏せ"をさせない」とあきらめず、トレーニングを行いましょう。

何かに興奮している犬が「伏せ」をするのはとても難しいことです。しかし、興奮状態でもできるということは、その時点でかなり興奮のコントロールができてるといえます。つまり、困っている行動(他の人や犬に吠える、カフェで落ち着かないなど)に対しても、「伏せ」ができるだけで解消されることも多いのです。

もちろん問題行動においては「伏せ」だけで根本的解決にはなりません。問題行動の原因に対するアプローチはプロのトレーナーに相談することをおすすめします。


「伏せ」のコマンドは?

伏せをするボーダーコリー

伏せのコマンドは「伏せ」の他に「Down(ダウン)」など、英語でも構いません。大切なのは、毎回同じコマンドを使って、そのコマンドと取るべきアクションを愛犬に覚えてもらうことです。

「伏せ」の教え方

伏せをして待つゴールデンレトリーバー

おやつがなくてもできる状態を目指しますが、まず初めはおやつを使ってトレーニングを行います。

■Step.1 おすわりの姿勢をつくる
おすわりの姿勢からスタートするために、まずはおすわりをさせましょう。

■Step.2おやつを使って「伏せ」の体勢に誘導する
おやつを見せて「伏せ」とコマンドを出しながら、ゆっくりとおやつを舐めさせていいので、姿勢を低くしていきます。

おすわりの姿勢から立ってしまった時は、おすわりからやり直しましょう。

\One Point!/リードを使ってもいい
なかなか「伏せ」の体勢になれないときは、リードを短く持って頭を下げやすいようにしてもいいでしょう。

■Step.3「伏せ」の姿勢になったらおやつをあげる
「伏せ」の姿勢になった瞬間に、しっかりと褒めながらおやつをあげる。

■Step.4 ジェスチャーを入れる
「伏せ」とコマンドをと同時に、ジェスチャーを加えることでわかりやすくしていきましょう。

■Step.5少しずつ時間を伸ばす
3秒、5秒、8秒、10秒と少しずつ「伏せ」の時間を伸ばしていきます。

■Step.6距離を離れてみる
時間が長くなってきたら、今度は距離を離れてみます。立ち上がったり、少し離れたり動いてみましょう。おやつをあげるときは、必ず元の位置に戻ってからおやつをあげるようにします。

\One Point!/しっかりと褒めること
できなくても叱ったりせず、焦らず根気を持って少しずつトレーニングしましょう。昨日できたことが今日できないこともあります。愛犬自身が「楽しんで」学習できるように、しっかりと褒めながら進めていきましょう。

もう一つの「伏せ」の教え方

膝立ちして立てた足の下をくぐらせるように「伏せ」をさせる方法もご紹介します。基本的な教え方で教えてもできない場合には、ぜひ試してみてください。

  1. まずは犬におすわりさせる。
  2. 立て膝をつく。
  3. おやつを指先に持って、犬の鼻先で匂いなどを確認させる。
  4. 足と足の間でおやつを持ち、匂いを嗅がせながら、立てた方の足と床の間をくぐるように誘導する。
  5. 犬が「伏せ」の姿勢になったらおやつをあげて、しっかり褒めてあげる。

「伏せ」ができない理由と対処法

伏せをするシュナウザー

紹介した方法でなかなかできない場合は、以下のような理由が考えられます。

ご褒美が魅力的ではない

ご褒美としておやつをあげる方法を紹介しているので、おやつに執着がない子だとできないことがあります。その場合は、その子が好きなおもちゃや、好きなこと("褒められる"など)をご褒美としてあげると良いでしょう。

安心できない環境にある

「伏せ」は「待て」を教える場合より環境が大切な要素となります。屋外など犬が落ち着けない場所ではなく、サークルの中やリビングなど、家の中の落ち着ける場所で「伏せ」を教えることで、犬も安心して「伏せ」ができる場合があります。

叱らず焦らずゆっくりと

伏せをするコーギー

犬の「伏せ」は覚えさせるのが難しいコマンドです。なかなかできなくても叱ることなく、優しく教えてあげることが大切です。「伏せ」ができることで、他の人や犬に吠えるなど困っている行動が解消されることも多いので、ぜひ楽しみながらト根気強くレーニングしてあげましょう。

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