
猫はスイカを食べても大丈夫!与えるメリットや注意点を解説
猫にスイカを食べさせても大丈夫なのかどうか、ネコちゃんの熱い視線を感じると気になりますよね。実はスイカは猫にとって大切な栄養も入っていて、かつ糖分が少ない果物なのです。また暑い夏の夏バテ対策として、水分補給にも役立ってくれます! しかしスイカを猫に与える時にいくつか注意すべきこともあるので、確認してみましょう。
猫はスイカを食べても大丈夫

スイカはカリウムやβカロテン、ビタミンを多く含み、猫が食べても大丈夫な果物です。水分補給や食欲増進につながるスイカは、熱中症や夏バテが心配な暑い夏にオススメです。
スイカ(赤肉) | スイカ(黄肉) | |
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エネルギー | 37kcal | 41kcal |
水分 | 89.6g | 89.6g |
カリウム | 120mg | 120mg |
ビタミンB6 | 0.07mg | 0.07mg |
ビタミンC | 10mg | 10mg |
栄養素 | 特徴 |
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カリウム | 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。 |
ビタミンB6 | 補酵素としてタンパク質の合成やエネルギーの産生をサポートします。免疫や神経伝達に関わり、皮膚の健康維持にも欠かせない栄養素です。 |
ビタミンC | 強い抗酸化作用を持ち、がん予防やアンチエイジングの効果が期待されます。生体内の異物を解毒する作用や、免疫機能を向上させる作用もあります。猫は体内で合成することが可能です。 |
リコピンはトマトの1.4倍
赤肉スイカが赤いのは「リコピン」という色素(カロテノイド)を含むからです。リコピンには強い抗酸化作用があり、肥満予防や肌の健康を維持する効果が期待されています。スイカに含まれるリコピンはトマトの約1.4倍で、黄色いスイカにはあまり含まれません。
シトルリンで疲労回復
シトルリンはアミノ酸の一種で、日本でスイカ(学名:シトルラス)から発見されました。血管を拡張して血液循環を促進するため、疲労回復や冷え性の改善効果が期待されています。
シトルリンはスイカの皮に近い白い部分に多く含まれており、果肉部分よりも栄養価が高いことが特徴です。
猫がスイカを食べる際の注意点

猫にスイカを食べさせる際は、以下の点に注意してください。
- 腎臓に不安がある場合
- 下痢や嘔吐のリスク
- アレルギーの可能性
1. 腎臓に不安がある場合は注意
スイカはカリウムを多く含むため、腎臓に不安がある猫は注意が必要です。カリウム自体が悪いわけではなく、腎臓でろ過できず体内に蓄積すると、心臓にダメージを与えることが問題です。
2. 下痢や嘔吐のリスク
スイカは水分を多く含むため、水分補給に役立ちますが、冷たいスイカを与えると胃腸に負担をかけることがあります。特に胃腸が弱い猫は、下痢や嘔吐を起こす可能性があるため注意が必要です。
あまり冷やしすぎず、一気に飲み込まないようゆっくり食べさせてあげましょう。
3. アレルギーの可能性
スイカを初めて食べる際は、数回にわたって慎重に様子を見ることが重要です。特にウリ科のアレルギーがある猫は注意が必要です。
もし体を痒がったり、嘔吐や下痢などの症状が見られた場合は、アレルギーの可能性があるため、すぐに獣医師に相談しましょう。
なお、アレルギー検査で陽性反応が出た食材でも、実際に症状が出ていなければ必ずしも避ける必要はありません。獣医師と相談のうえ、適切に判断しましょう。
猫はスイカの甘さがわからない?
人間の味覚ではスイカを食べて「甘くて美味しい」と判断をします。しかし人間と猫の味覚の構造にはかなり大きな差があり、食べ物の味を判断する舌の「味蕾(みらい)」という器官を人間の約20分の1しか持っていません。
また甘味や酸味、旨味などの中で、猫は甘味を感じづらい構造になっています。
猫は酸味に敏感
猫の味覚では酸味に敏感に反応するようです。それは、猫が本来肉食動物であり、肉が腐敗していないかを把握するためだったのではないかと言われています。
猫はスイカの種や皮を食べても大丈夫?

スイカの種や皮は食べさせないようにしましょう。猫はこれらを消化することができません。
特に種や皮は胃腸に負担をかけ、最悪の場合、腸閉塞を引き起こしてしまう可能性があります。
一粒食べてしまったからといって慌てる必要はありませんが、食べさせる前に種を取ってあげると安心です。
与えてもいいスイカの量
最初は少量のスイカ
お腹が弱い子もいれば、ウリ科の食べ物にアレルギー反応を出してしまう子もいます。そのため、初めて与える時は一口だけにし、様子を見られる時に限りましょう。
水分量の多いスイカでも、与えすぎると肥満の可能性があり、下痢や嘔吐などの健康被害を招いてしまうかもしれません。カロリーが低いからといって、一度に大量にあげるのは避けましょう。
糖分が少ないところを選ぶ
スイカは比較的糖分の少ない果物ですが、中心部分よりも皮に近い白い部分の方が糖分が少ないです。
また、皮に近い白い部分には、血管を若返らせる作用のあるシトルリンが多く含まれています。皮に近い部分を猫に与えてあげると、ローカロリーかつ血管にも良い影響を与えられるので一石二鳥です。
スイカを味方にする夏を!

スイカのよい点など、ご理解いただけたでしょうか。心臓や腎臓に問題がある場合は注意が必要ですが、スイカは暑い夏に水分補給の役割も担ってくれます。
少しずつ与えてみて、ネコちゃんに適した量を見つけてあげてください!
気になることがあれば専門家に聞いてみよう!
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