【獣医師執筆】犬にアルコールを飲んだ場合に考えられる症状や致死量、応急処置を解説
犬にお酒を飲ませることは、非常に危険なことで、最悪の場合、死に至ることもあります。今回の記事では、ビールやワイン、日本酒などのアルコールの危険性や致死量、万が一愛犬がアルコールを飲んでしまったときの対処法を解説します。
犬にアルコールを飲ませてはいけない理由/h2>
アルコール分解酵素を持たない
犬はアルコールを分解する酵素を保有していないためです。一度摂取したアルコールは無害化されることなく、長い間体内を循環し、悪影響を及ぼします。
刺激臭に敏感
犬は嗅覚が非常に優れているので、アルコールの刺激臭に敏感です。飼い主がお酒をたくさん飲んだ後に、抱っこすると、アルコールの匂いに犬はストレスを感じる場合があります。
犬がアルコールを誤飲した場合の危険性
アルコールが分解できず、脳の神経中枢部である脳幹の機能を抑制する恐れがあります。長期間アルコールが体内に残ることによって重度の中毒症状を引き起こす可能性もあり、意識を失って命を落とすことも珍しくありません。
アルコール中毒の症状
- 意識が朦朧(もうろう)とする
- 昏睡状態に陥る
- 心肺機能が鈍くなる
- 嘔吐物が喉に詰まり窒息
意図的に飲ませることは絶対にせず、もし誤飲した場合は元気な様子でも動物病院に相談しましょう。
犬のアルコール致死量
犬がアルコールを飲んだ場合に考えられる致死量は大体1kgあたりアルコール5.6mlといわれています。大さじ1杯が15mlなので、体重5kg前後のチワワやトイプードルなどの小型犬は、一口舐めただけで体調が急変する恐れがあります。実際に死亡事例もあります。<度数による飲料の致死量>
- アルコール度数5%のビールは110ml
- アルコール度数15%の日本酒は37ml
- アルコール度数40%の日本酒は14ml
犬によっては致死量に満たなくても重篤な状態になる可能性は十分にあります。上記以下であれば健康に影響がないというわけではありません。
犬がお酒を誤飲してしまった場合の応急処置
犬がお酒を飲んでしまった場合、アルコールシートを舐めた・食べた場合は、すぐに動物病院に連絡して指示を仰ぎ、病院で診察を受けるようにしてください。また、自分で吐かせるなどをすると逆に重症化してしまう危険があるため、まずは動物病院に連絡しましょう。
「症状が出ないから大丈夫」ということはありません。病院に連絡をする際は、「いつ飲んだのか・お酒の種類・飲んだ量」を目安でもいいので伝えるようにしましょう。
まとめ
犬はアルコールを分解することができない
一口でも、犬にとって非常に危険
誤飲した場合は早急に動物病院へ
ビールなどのアルコールは犬にとって害でしかありません。愛犬にとっても飼い主さんにとっても素敵な時間を作るためには、体の構造が異なることを理解し、愛犬の健康に配慮してあげることが大切です。
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