猫に牛乳を与えるのはNG!下痢や嘔吐、アレルギー症状のリスクを解説
ミルクは子猫にとって大切な栄養源ですが、同じミルクでも牛乳と猫の母乳の成分は異なります。猫の母乳の代わりに牛乳を猫に飲まるとお腹を壊したり、栄養バランスが良くなかったりする可能性があります。今回は牛乳の成分や猫にあげることの問題点について解説します。
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猫が牛乳を飲むのはNG

猫は乳糖不耐症といって乳糖を分解するラクターゼという消化酵素を十分に持っていないため、与えてはいけません。胃腸の不調を引き起こしやすく、下痢や嘔吐などの症状が見られる場合があります。また、乳製品アレルギーを持っている猫も珍しくないため注意が必要です。
猫は乳糖を分解するのが苦手
猫の母乳と牛乳の乳組成は異なります。人間でも牛乳などの乳製品を摂るとお腹の調子が悪くなる人もいると思いますが、猫にも同じ理由で同じような症状が起こります。猫の便秘を解消するために牛乳を飲ませる方法があるといわれていますが、便がゆるくなるのはこの乳糖不耐症が原因です。便秘がひどい時は動物病院で受診をし、獣医師の指示に従いましょう。
牛乳の成分
猫に牛乳を与えてお腹を壊さなかったとしても、必要な栄養が足りなくなる場合があります。牛乳はカルシウムやビタミン、タンパク質など含まれており栄養価の高い飲み物ですが、猫の母乳と比べるとタンパク質や脂肪の量が少なく、カロリーが高い特徴があります。ネコ乳 | イヌ乳 | 牛乳 | |
---|---|---|---|
乾物(%) | 21.0 | 22.7 | 12.3 |
粗タンパク質(%) | 7.5 | 7.5 | 3.3 |
粗脂肪(%) | 9.5 | 8.5 | 3.6 |
乳糖(%) | 3.3 | 4.0 | 4.7 |
総エネルギー(kcal/100g) | 14.5 | 19.0 | 38.2 |
乾物中乳糖(%) | 14.5 | 19.0 | 38.2 |
猫にとって牛乳は栄養バランスの良い飲み物とは言えません。子猫にネコ乳の代わりとしてあたえてしまうと、正しく成長できない可能性があります。
参照:日本ペット栄養学会(2014)『ペット栄養管理学テキストブック』
乳製品アレルギー
猫によっては食物アレルギーで乳製品に反応してしまう子がいます。初期の症状として皮膚の疾患が現れる可能性が高いので、フケが出たりずっと肌をかゆがっていたりしていたら、早めに病院に相談してあげましょう。食物性のアレルギーの場合、原因となるものを取り除いてあげれば問題はありません。牛乳の代わりに猫に与えられるもの

牛乳の代わりになるものはたくさんあります。猫用のミルクもその一つですが、実はヤギのミルクは牛のミルクに比べて猫の母乳成分に近く、猫に飲ませてもお腹を壊しにくいといわれています。

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ヨーグルト
ヨーグルトは乳糖不耐症の原因となる乳糖がすでに分解されています。無糖やカロリーオフのものであれば与えても大丈夫です。ヨーグルトをなめることで乳酸菌が口内にとどまると、細菌の増殖も抑えられて口内トラブルの抑制にもつながります。また、腸内環境を整える働きもあります。猫用のミルク
アレルギーがない限りは猫用に作られたミルクを与えるのが安心です。水分補給をして欲しいときや、食欲がなくてご飯を食べてくれない時などに猫用のミルクを足してあげると喜んで食べてくれるでしょう。飲ませ方としては、冷蔵庫で冷えたものよりも少し温めたものや常温のミルクを与えるとよいでしょう。
チーズ
与える際にはチーズの選別などの注意が必要ですが、猫は発酵食品が大好きです。塩分やカロリーに気を付けて与えるようにしましょう。猫用のチーズも発売されているので、アレルギーなどが大丈夫であればおやつに試してみてもいいかもしれません。牛乳ではなく猫用のミルクを
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猫に与えるのは牛乳ではなく、猫用のミルクなどの方が適していることをご理解いただけたでしょうか? 食欲がない猫や水分補給をして欲しい猫のために、普段のご飯に猫用のミルクを足してあげると猫にとっても嬉しい働きをしてくれます。乳製品アレルギーには注意をして、愛猫に適したものを与えてあげてください。
参考文献
- PetMD「The Truth About Dairy Products and Pets」
- 文部科学省「食品成分データベース」
- 日本ペット栄養学会(2014)『ペット栄養管理学テキストブック』