【獣医師執筆】猫はにんじんを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説
猫にとって人参はとても栄養価が高く、人間と同じく健康的な食べ物です。バンブーペットクリニック院長の藤間獣医師監修のもと、にんじんの栄養素や成分、効果、与えて良い量、手作りレシピまで紹介します。
猫はにんじんを食べても大丈夫
人参は低カロリーで栄養価も高く、猫にとって健康な食べ物です。ビスケットやクッキーなどのトリーツに含まれていることも多いです。例えば肥満気味の猫に人参を与えてあげることは、ダイエットのために非常に効果的です。また歯磨きの効果があり、デンタルケアの一助にもなると言われています。
栄養素としては、ビタミンAやカリウム、便通が良くなり腸内の発ガン物質を体外に放出してくれる食物繊維、抗酸化作用があり老化防止になるβカロチンが豊富で、その他にもビタミン要素が含まれ、猫にとって非常にバランスの良い食べ物です。
猫の場合、犬と違ってβカロチンからビタミンA作り出すことができませんが、βカロチンの抗酸化作用によるアンチエイジングが期待できます。肌を若々しく保つことが見込めたり、疲労からの早い回復が見込めたりするため、老後ではなく若いうちから摂取することをおすすめします。また、食物繊維により便秘になりやすい猫にとって便秘解消の効果も見込めます。
人参は猫にとって良質なフードですが、食べさせ方には注意する必要があります。
猫へのにんじんの与え方
猫は口や喉が人間に比べて狭いため、喉に詰まらないように細かく食べやすい形に切って与えてあげましょう。また、生の人参だと消化に悪くお腹を壊したりすることもあるため、加熱された状態が好ましいです。
人参は水溶性ビタミンが他の野菜に比べて多く含まれるため、茹でると茹で汁に栄養が溶け出してしまいます。そしてβカロチンは加熱することで吸収性が高まるため、蒸してあげることをオススメします。
猫ににんじんを与える際の注意点
人参はアレルギー報告が少ない食べ物ですが、猫によってはアレルギーが出る場合もあります。初めて食べさせる場合は少量からにして様子を見てください。
与え過ぎに注意
前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。
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すりおろしてあげても大丈夫?
人参をすりおろすことで野菜の細胞の膜が破れ、中に閉じ込められていた細胞内の酵素があふれ出し、酵素が活性化されていきます。そのため、2倍にも3倍にも倍増させて体内に酵素を摂り入れる事ができると言われています。猫は人間と同じく食物繊維の消化が良くないため、すりおろしてあげることで消化吸収もさらに良くなります。人参の葉っぱはあげても大丈夫?
中毒性はなくβカロチンを多く含んでいるため、問題ありません。茹でて与えてあげると良いでしょう。人参の皮はあげても大丈夫?
毒素は含まれておらず、皮ごとあげても大丈夫です。ただ、農薬などが含まれている可能性がありますので、きちんと洗ってから加熱した上で与えてあげましょう。朝鮮人参はあげても大丈夫?
朝鮮人参を食べて中毒症状が起こることはまれですが、極端な量の摂取は中毒症状を引き起こすことがわかっています。朝鮮人参には、体力の増強と疲労軽減のための強壮剤としての効果がありますが、これはサポニンと呼ばれる活性成分が要因であると言われています。サポニンは血糖と肝臓のコレステロールを下げ、エリスロポイエチン、ヘモグロビンを産生し、胃腸管からの鉄吸収を増強する作用があります。中枢神経を刺激し、血圧、心拍数を高め、胃腸管の運動も増大させます。
バランスの良い食事を心掛けましょう
猫にとって人参が健康的な食べ物だとしても、食べ過ぎれば体を壊してしまいます。総合栄養食を基本として、おやつやたまの手作り食に利用するなど、バランスの良い食事を心掛けるようにしてください。
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