【獣医師執筆】猫はじゃがいもを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はじゃがいもを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

Share!

じゃがいもはフレンチフライやハッシュポテト、マッシュポテトなど、使い勝手の良い食物です。私たち人間にとってじゃがいもは栄養素も高く、健康に良いとされています。猫が食べても大丈夫ですが、皮や芽などの部位によっては毒性があるため与え方には注意が必要です。今回はじゃがいもの栄養成分や与え方を紹介します。

猫はじゃがいもを食べても大丈夫

じゃがいも

じゃがいもには、ビタミンC、ビタミンB6、鉄分、マグネシウムなど猫に大切な成分が含まれていて健康的な食物です。しかし、じゃがいもはナス科のため、ナス科植物に含まれる成分「ソラニン」という毒素には気を付ける必要があります。

ソラニンは神経に作用する有機化合物(ステロイドアルカロイド)の一種で、じゃがいもの芽や皮に多く、緑化した表皮や未熟で小さいものにも含まれます。ソラニンには胃腸の運動を阻害するコリンエステラーゼと呼ばれる成分が含まれており、他にもアルカロイド、サポニン、トキシンといった有害な成分が含まれています。アルカロイドは重度の徐脈を起こすこともあります。皮や芽はきちんと取り除いて与えてあげましょう。

じゃがいもは消化に良い食べ物

じゃがいもは水溶性の食物繊維が豊富です。生ではなく茹でたり、マッシュしてあげて与えてあげるとより消化しやすくなります。しかし、油で揚げたフレンチフライやポテトチップス、バターや塩がついたじゃがいもは健康上、良くありません。

じゃがいもの与え過ぎは逆効果

じゃがいもを大量に与えると、炭水化物の大量摂取につながり、肥満になってしまいます。もしダイエットさせたいならじゃがいもは避けましょう。それだけでなく糖尿病になる可能性があります。

猫へのじゃがいもの与え方

じゃがいも

猫にじゃがいもを与える際は、加熱した状態が最も良いでしょう。マッシュポテトや茹でたじゃがいもは、猫にとって安全で消化にも良いのでおすすめです。猫のフードにも加熱されたじゃがいもは使用されていることが多いです。

普段のドライフードやウェットフードに添えてあげると良いでしょう。じゃがいもが大きすぎると猫の喉に詰まってしまうこともあるので、できる限り小さくしたりマッシュしたりしてあげましょう。塩やハーブなどの調味料は何もかけずに与えるようにしてください。

与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

愛猫のカロリー計算をする

猫がじゃがいもの毒性成分を摂取した場合

芽が出ているじゃがいも

じゃがいもの毒性成分を摂取した場合、主に以下のような中枢神経系の刺激がみられます。また、軽度から重度の胃腸炎(口腔刺激、悪心、嘔吐およびしばしば血様性下痢)がみられます。大量に摂取した場合は昏睡や死亡してしまうこともあります。

  • 散瞳
  • 頻脈
  • 口内乾燥
  • 呼吸困難
  • 腸閉塞
  • 尿閉および抑うつ
  • 麻痺
  • てんかん
  • 昏睡および死

対処法・応急処置

獣医師が的確な判断をすることが重要ですので、飼い主さんが食べたものや状況を正しく説明する必要があります。まずは中毒の原因となったものを特定してください。その上で動物病院へ連絡し、原因となったもののパッケージや、残りがあれば持って行くようにしましょう。

致死摂取量は体重や状態によって変わるため、少しでも食べた場合は念のため獣医師に相談することを推奨しています。病院では、一般的に血液検査や尿検査を行い、輸液療法により損失を補います。

猫にじゃがいもは最低限に

子猫

じゃがいもは、万能な食物ですが、きちんと処理をしていないと毒性を持つ食物でもあります。きちんと理解した上で、愛猫に手料理をふるまってあげてはいかがでしょうか♪

参考文献


獣医師相談のインスタライブ開催中!

食のお悩み相談会

ペトコトフーズのInstagramアカウント(@petokotofoods)では、獣医師やペット栄養管理士が出演する「食のお悩み相談会」を定期開催しています。愛猫 のごはんについて気になることがある方は、ぜひご参加ください。

アカウントをフォローする